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 今日はアメブロの方も更新しました。

 スーパーミニプラの凰牙&データウェポンのセットを買ったので、その(パッケージだけ)レビューを……。


 そう言えば倉麻さんが、昨日サイトのトップをずっと変えてないてな記事を書いてらっしゃいましたが、ウチも結構長い事変えてないんですよねぇ……。

 一時期は毎月更新してたんですが……。


 あと、この漫画↓


2021-2-18-1.JPG


 と並行して描いてるサシミンさんのデタリキ漫画↓ですが、


2021-2-18-2.JPG


 優花さんの顔の資料が乏しい(何せ現状、一番入手難度が高いキャラなので)のと、サシミンさんの横顔の資料を見つけきれなかったので、取り敢えずラストのサシミンさんからペン入れしてたり(苦笑)。


 さて、前置きが長くなりましたが、今日は昨日から続いて、『呪いのトミカ』の最終回をお送りします。

 では、本文スタート!


 二人は薄暗い原始林の中を歩き続けた。
「あ!」
 タカ子が立ち止まった。
「うん、ヘリコプターだ。僕たちを捜しに来たんだ」
 遥か彼方で、ブルブルというヘリコプターの音がした。
「駄目だ。こんな所に居たんじゃ、ヘリコプターに見つけてもらえないよ」
「どこか広い所へ出ましょう」
「うん」
 二人は全身に絡まるようなつる草をわずかずつくぐり抜けて、クマザサのあるいくらか広い所へ出た。目の前が眩しいように開けた。
 しかし、ヘリコプターの音は、いつの間にか消えていた。二人はがっくりした。
「あれ?」
 大介は目をむいた。目の前に見えたのは、なんと、先ほど二人が逃げ出してきたはずの川原だったのである。二人は息を殺して川原を見た。リュックを担いだ木本が、ライフル銃を持って、一人で川上に向かっていくのが見えた。二人は木本の姿が見えなくなるまで息を殺していた。
「あたし、また喉が渇いちゃった」
「うん、腹も減ったなあ、あそこにまだ段ボールの箱が置いてある。あの村上だけだから、行って取って来るか……」
 言いかけた大介はぎょっとして、タカ子の手を握った。熊であった。川の下の方で曲がりくねっている辺りを、親子連れの熊がゆっくりと歩いていくのが見えた。
「行こう!」
 大介はタカ子の手を引くと、村上の寝ている所へ走った。
「ピ、ピストル持ってるかい? く、熊だよ!」
 村上は首を持ち上げ、腹の上に乗っているピストルを持ち、安全ベンを外すと大介に渡した。
「何故……何故……逃げなかったんだ……」
「迷っちゃったんだ。木本は?」
「ああ、宝を見に行った。あいつ……自首しようというのに……」
「おれ、あの人は自首しないと思うよ。タカッペの家の側の食料品屋のお婆さんを殺してるし、ライフル銃をとった時、一人殺しているもの」
「やっぱり!」
 そう言うと、村上は苦しそうに体をよじり、喘いだ。
「……だから……宝の在処は……まだ、教えていないんだ……そんな事だと……思ったからな……」
「おじさん、今、何にも言わない方がいいよ。また、苦しくなっちゃうから……」
「み、水……」
 タカ子はズックのバケツの水をすくって村上の口へ流し込んだ。村上が激しくむせて、それから息が早くなった。
「そうだ、タカッペ、早く見つけてもらうために、火を燃やそうよ。そうすれば、熊もこっちへ来ないだろうし」
「マッチは?」
「段ボールの中に広告マッチが入ってたよ」
「だけど、もしかすると、先に木本に見つかるんじゃないの?」
「分からない。やってみなくちゃ!」
 大介とタカ子が川原で焚火を始めてから一時間ほどした時、村上の様子がおかしくなった。
「おじさん、しっかりしてよ! おじさん!」
 タカ子が村上をゆすった。村上は眉の間にしわを寄せるだけで、目を開けようとしなかった。
 その時、大介は飛び上がって、タカ子の手をつかんだ。
「木本が戻って来た! 隠れるんだ!」
 大介とタカ子は、またもやクマザサの中へ飛び込んだ。
「大丈夫かしら」
「ああ、大丈夫さ。今度はこっちだって、ピストルを持ってるんだからな」
「でも、ここから離れたら、せっかく合図の焚火をしたのに見つけてもらえなくなりゃしない?」
「うんそうか」
「でも、ここに居たら熊が来るし」
「よし、木に登ろうよ。タカッペはウーマンリブだから、木ぐらい登れるだろ」
「いいわ」
 二人はつる草にぶら下がるようにして、木に登った。二人の吐く息が、まるでぜいぜいと機関車の音みたいに大きく思われた。
「木本はもう、着いたかしら」
「しっ! 黙って!」
 何か、下の方で音がした。と、思ったら、二人の登っている気が激しく揺れた。二人は思わず悲鳴を上げて、木にしがみついた。下に熊がいた。さっき、川下で、子熊に水浴びをさせていた親子連れの熊だった。
 熊はいったん木から離れると、もう一度、木の幹に体当たりをくれた。


 ドサーン!


 木全体が激しく揺れた。
 熊はまた、いやいやでもするように首を振って、木から離れたが、その早いこと。まるで下が藪やつる草ではなく、ぱんぱんに乾いた運動場を走るように身軽だった。熊はそのまま、藪の中へ駈け込んだ。子熊がちょろちょろしていたからである。
 辺りはまた、静かになった。
「だいちゃん……」
 タカ子が泣き声で呼んだ。見るとタカ子の足を伝わって、ポタポタとしずくが藪へ落ちていた。しかし、気が付くと、大介のズボンの中もぐっしょりだった。
 あまりの恐ろしさに、おしっこが漏れてしまったのである。
「心配するなよ。おれもだよ」
「なにさ。ピストル持ってるくせに」
「ほんとだ。でもよ、おっかなくて、ピストルどころじゃなかったよ」
 大介の胸はまだ激しく鳴っていて、ものを言うと息切れした。
「参ったなあ、おれも、二度目の時は駄目かと思っちゃった」
「また来るかしら?」
「さあ、お子連れの熊は怖いって本に書いてあったけど、たまげたなあ。寿命が縮まったよ」
「嫌だわ、あたし、このままでいきなり、お婆さんなんかになりたくないわ」
 その時である。
「お! そこの二人、降りてこい」
 木本の声であった。木本はライフル銃を構えていた。
「お前ら、ムラさんからなんか聞いてるだろう。ムラさんはたった今、死んだぜ。さ、降りて来い!」
「だ、駄目だよ。く、熊がいるもの……」
「うるせえ! そんなちゃちい嘘をつくんじゃねえ。宝の話を聞いたろう。いいか、オレにゃ、ガキを甘やかすほど時間がねえんだ。降りて来ねえなら、まず、どっちか一人、先に片づけてやるからな」
 木本は銃口をタカ子に向けた。それより早く、大介の指がピストルの引き金を引いた。すさまじい銃声が、当たりに響いた。
「この野郎! ふざけやがって!」
 木本はタカ子に向けていた銃口を大介の方に向け直した。が、その時、木本が地面にたたきつけられ、物凄い悲鳴を上げた。その木本の上に、赤黒いものがどさんと被さった。熊であった。
 と、続いて激しい銃声が起こった。熊がそのまま動かなくなった。
「大丈夫かあ!」
 あちこちの藪をかき分けて、手に手に銃を持った男たちが駆け寄ってくるのが見えた。



 殺人犯木本は、その時の傷がもとで、三日後に死んだ。村上は既に死んでいた。だから、アイヌの宝は再び謎に包まれてしまった。
 その後の調べで、村上は何度もこの辺りを歩き回っていた事や、やはりその頃知り合った年寄りから、宝の在処の手がかりを聞いていた事が分かった。
 その老人が病死する時、わざわざ村上を呼んで、何事か言い残したのはその事であったろうと言うのである。
 木本の方は宝のことはあまり詳しくなかったが、村上からその話を聞いて、村上の助手になる約束をしていたという事だった。
 大介に、初めて宝の話をしてくれた中井さんは、
「アイヌの宝というのは、アイヌの人たちが和人(日本人)にいじめられて宝を取り上げられないように隠したんだから、アイヌの人たちの怨みや悲しみと一緒に隠されたようなもんだ。だからそうそう、簡単には見つからないよ。例え見つけたところで、初めの発見者の土工が病気で死んでいるし、村上だって、木本だって酷い死に方をしている。これはきっと、呪いのかかった宝かも知れないよ。木本に殺された人たちだって、きっと恨んでいるだろうからね。なんでも、話では数十兆円だそうだけど、ま、こんなおっかない宝の事は忘れた方がいいな。僕も怖い目に遭いたくないし、どこにあるか分からない宝を探すより、お嫁さんになってくれる人を探すよ」
 と言って、聞こえないふりをしている礼子姉さんを横目で見ながら笑った。
 捜査隊には、牧原のおじさんも、この中井さんも加わっていたという事も、後で知った。


谷田大介の日記
八月××日(晴れ)
 今日も、小山君たち、組の仲間達が遊びに来ました。みんな僕の話を聞きに来るみたいですが、本当は、タカ子ちゃんの顔を見に来るのです。
 小山君は、
「おれだったら、村上ってやつをうんまく騙して宝の在処を聞いたのになあ」
 などと偉そうに言ったら、タカ子ちゃんにやっつけられました。
「大人って、そんなに甘くないわ。どんなに恐ろしいか知らないから、そんな事が言えるんだわ。悪いけど、ダイコウだったから、私が助かったのよ。これがあんたみたいなお調子者だったら、きっと今頃、私はうちのちっちゃなお仏壇に入れられちゃったわ」
 と言われて、頭をかいてしまいました。タカ子ちゃんも、いくらか僕のことを認めているみたいだから、僕はタカ子ちゃんの日記に、タカ子ちゃんがうちのトイレの水洗があんまりたくさん出るので壊してしまったとか、泣きべそをかいて出られなくなったことや、スーパーマーケットで迷子になって、パトカーを呼んでしまった事は書き足さない事にします。
 それから二人で、この事件を話す時、どんなに怖かったという所では、ある所だけは絶対に話さない約束をしました。
 これは二人だけの秘密です。タカ子ちゃんが北海道で一人で話す時も、僕がこっちで一人で話す時も、約束を守る事にしました。
 こういうのを『お互いの名誉のため』というのだそうです。




~おしまい~

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