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 今日は仕事の後、オーズコンボチェンジのプトティラを買ってきたので、アメブロの方でちょっと記事にしました。

 宜しければ、そちらも是非。


 さて、こちらは昨日の続きで『トールの神話』第2回となります。


 では、さっそくスタート!


 トールは、シフという美しい女神を奥さんにもらった。
 シフのふさふさとした長い髪の毛は、いつも黄金のようにキラキラと輝いていた。
 そのために、
「シフの髪の毛を見ていると、とり入れ時を思い出すよ。まるで稲の穂が風になびいているようだ」
 と言って、みんなはいつの間にかシフの事をとり入れの神様にしてしまった。
 すると、飛び上がって喜んだ神様がいた。ロキという、いたずらの神だ。
「こいつは面白いぞ。それじゃ、あのふさふさとした髪を切ってしまったら、シフは畑になるのか」
 と言って、ゲラゲラと笑い出した。
 その内、くるくると回っていた大きな目玉がぴたりと止まった。
「よしっ!」
 ロキは真剣な顔をして頷いた。
 その日、トールは遠い所へ狩りに出かけていた。
 夜になると、ロキはシフの部屋へ忍び込んだ。
 ……そして、朝が来た。
 目を覚ましたシフは、びっくりして飛び起きた。
「あっ、髪が無い!」
 両手を頭に当てて、シフはき〇がいのように泣き出した。その声は四方の山にこだましたと言われている。
「どうしたんだ?」
 ばたばたっと、大勢の人が集まってきた。その中に、ロキの顔も見えた。
 そこに、ひょっこりとトールが帰ってきた。
 見る見るうちにトールの顔が真っ赤になった。赤い髪と赤い顎髭がピンと立って、火花が飛び散った。
 その姿を見ると、今までにやにやと笑っていたロキがぶるぶると震え出した。
「こらあー、シフの髪を切ったのはお前だな!」
 雷のように、空がゴロゴロと鳴った。
「ごめんなさい」
 ロキは頭を抱えて地面に潜り込もうとした。
「待てっ!」
 トールの大きな手が、ロキの首をぎゅっとつかんだ。
「苦しい、た、た、助けてくれ……」
 ロキは苦しそうに、なおも叫び続けた。
「返す、シフの髪を返す……。ほ、本当だ……。も、もっといい金の髪を手に入れてくる」
「なに、本当か!」
「う、う、嘘を、嘘なんかつくものか……ほ、本当だ! こ、殺さないでくれ!」
 手足をバタバタと動かしているロキを、ぐっと睨みつけていたトールは、ロキを千メートルも先に投げ飛ばした。
「よしっ、すぐ取って来い!」
 木も山もグラグラっと動いた時、ロキは早くも地面をぐんぐん、ぐんぐんと潜って、小人の世界に飛び込んでいった。
「頼む! お願いだ! 美しい、美しい、金の髪を作ってくれ」
 ロキは小人の王様ドリファンに必死に頼んだ。
「よし。仲良しのお前さんの事だ、よかろう」
「えっ! 本当か、有難う!」
 いたずらの神、ロキの頬に涙が光っていた。
 それまでは良かった。だが、その後がいけなかった。
「それから、ついでにオーディンの大神と、お妃のフリッガの女神に捧げる贈り物を作ってくれ」
 小人の王様ドリファンは、黙ったまま、何かしきりに作っていた。
 まず初めに、金の槍を作った。
「この槍は、主人の手を離れると、狙ったものにぐさっと突き刺さって、また元に戻ってくる不思議な槍だ」
 と言って、次は小さな金の船を造った。
「これは空を飛ぶことも出来る。そればかりか、いらない時は、もっともっと小さくして、ポケットの中に入れる事も出来るのだ」
 ロキが大して嬉しそうな顔をしないので、小人の王様はさらに言葉を付け加えた。
「しかしじゃ、良いかな! 反対に、もっともっと大きくすることも出来る。神々はもちろん、神々の馬もいっぺんに乗せることが出来るのだ」
「えっ! それは凄い」
 ロキが金の船をいじっている間に、小人の王様ドリファンは、驚くほど細い金の糸で髪の毛を作り始めていた。
「どうだ、見事な髪だろう。これをシフの頭にかぶせると、すぐ本当の髪の毛になってしまうのだ」
 ロキは飛び上がって喜んだ。
 ところが、ブロックという小人がいかにも馬鹿にしたように笑いだした。
「それくらいの物なら、わしの弟のシンドリにだって作れるぞ」
 ぴょんぴょんと飛び上がって喜んでいたロキは、冷たい土の上に足をぴたりとつけると、ブロックを睨みつけた。
「本当か! 嘘をつくと許さんぞ」
「うそ? 嘘をつくわしではない!」
「よしっ、それでは、三つの宝を作ってみろ! もし本当に出来たら、わしのこの頭をお前にやろう!」
「よかろう。お前さんも嘘をつくなよ」
 と言うや、シンドリの仕事場に飛び込んでいった。
「わかった、兄さん! それでは、ふいごを動かしてくれないか。どんなことがあっても、止めてはいけませんよ」
 訳を聞いたシンドリは、そう言うと、火が燃えているかまどの中に豚の毛皮を投げ込んだ。
「そ、それは豚の毛皮じゃないか!」
「兄さんは、黙って手を動かしていればいいんです。いいですか。手を止めたら火が消えてしまいますよ」
 と言うと、シンドリはさっさと外へ出て行った。
 ブロックはブツブツ言いながら、ふいごで風を送っていた。
 その様子を見ていたロキは、にっこりと笑って頷いた。
「よしっ、アブに化けて邪魔をしてやろう……」
 さっと飛び上がると、ロキはアブに化けていた。ブンブンと音を立ててブロックの顔の周りを飛ぶと、ふいごを動かしている手をチクリと刺した。
「痛い!」
 ブロックは歯を食いしばって我慢をした。そこにシンドリが戻ってきた。
「さあ、兄さん、一つ出来たよ」
 火の中から出てきたのは、金のイノシシだった。
「これは空飛ぶイノシシです。早く飛べば飛ぶほど光が出て、眩しくて見ていられなくなるのです。では、二番目の仕事にかかりましょう」
 と言うと、シンドリはどこからか持ってきた金の塊を、また火の中へ投げ込んで、さっさと外へ飛び出してしまった。
「よしっ、今度こそ!」
 ロキはブンブン飛んで、ブロックの太い首をめがけて急降下した。
 チクリ!
「痛い!」
 物凄い声をあげたが、ブロックは手を止めなかった。
 シンドリが、鉄の塊を抱えて戻ってきた。
「もういいでしょう」
 そう言って、シンドリは火の中から金の指輪を取り出した。その金の指輪は、三日ごとに八つ、金の指輪を産み落とす――という事だった。
「さあ、いよいよ三つ目です。兄さん、しっかり頼みますよ」
 シンドリが持ち上げた鉄の塊を見て、玉のような汗をふきだしているブロックは眉をひそめた。
「そんな、鉄の塊が……」
「兄さんは黙って、手を動かしていればいいんです」
 シンドリの鋭い目が、ブロックの手をじいっと見つめているので、ロキはもう手の出しようも無かった。
 その鉄の塊が、不思議な刀ミヨルニルだったのだ。
「さあ、兄さん。三つの宝が出来ましたよ。ドリファンの宝と、どっちが素晴らしいか、神様たちの所へ行って聞いていらっしゃい」
 小人のブロックは三つの宝を持って、ロキの後に続いて地上へ飛び出した。


Tors-myth-2.JPG


 ロキはオーディンの大神の居る城へ、一直線に飛んで行った。
 そこに、トールも丸坊主のシフもいた。
「おう、見事な髪だ」
 トールは目を丸くして、小人の王様ドリファンが作った髪を見つめていた。
「どうだ、素晴らしいだろう。それが本当の髪の毛になるのだ。それから、この不思議な槍を大神様に、そして、この空飛ぶ不思議な金の船をフリッガの女神さまに差し上げます」
 ロキはご機嫌を取るのに汗をかいている。
 すると、小人のブロックも負けずに、
「不思議な金の指輪を大神様に、ええと、それからと、そうそう、この空飛ぶ猪を女神さまに、そして、この、不思議な不思議な刀を、トールの神様に差し上げます」
 と言って、ブロックは三つの宝を差し出した。そして、力を入れて言った。
「いかがです。その六つの宝の中で、どれが一番良いか、一番役に立つか、一つだけ皆さんで選んで下さいませんか」
 ブロックの顔を見つめていたオーディンの大神が、にこっと笑った。
「なるほど、それは面白い。では、みんなで相談をして答えを出そう」
 さあ、大変な騒ぎになった。
 神々が集まって、それぞれの宝を試しだした。
 ブンブンと飛ぶイノシシ!
 その横をかすめていく、金の船!
 ぽこぽこと出てくる、金の指輪!
 槍が飛び、刀が風を切った!
 答えはなかなか出なかった。だが、大神オーディンの一言で、刀が一番と決まった。
「ひや……」
 と飛び上がったのはブロックだ。
「さあ、その腐った頭はもらったぞ!」
 と叫んだので、神々は初めてブロックが飛び上がって喜んだ訳を知った。
 ロキは逃げようとした。
 だが、トールがロキの首をがっちりとつかんでしまった。するとロキは、急に胸を張った。
「よしっ、頭をやろう! しかし、首はわしの物だ。首に傷をつけないで、頭が取れたらお前にやろう」
 ブロックは小さな小さな足をばたばたさせて悔しがった。
 が、あっと言う間にロキの口をシュシュと糸で縫ってしまった。それを見た神々は手を叩いて喜んだ。
 今まで目を赤くしていたシフも、長い金の髪をキラキラ輝かせて笑い出した。




~つづく~

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