FC2ブログ

 この間買った『SUPER DANTE』で作ってた『ブログクエスト』、電池の固定が悪かったのか、データが全部消えてました……。orz

 まぁ、『ツクール2』で作ってるファイクエが消えるよりはるかにましですし、まだほとんどイベントなんかも作ってませんでしたし……。と思う事にしておきます


 さて、記事の方は『ばら姫と青い仙人』の最終回です。

 では、本文スタート!



 王子とマバラックは、ばら姫を庇いながら、野を越え山を越えて、旅を続けました。
 もう仙人の王の館も近くなったと思うところまで来ると、遠くからかすかな人声のようなものが聞こえてきました。マバラックが立ち止まって、遠くを見つめながら言いました。
「おう、王子様、ご覧なさい。遠くに見えるあの青い霞のところが、仙人の王の館で御座います」
「では、とうとう着いたのか……」
 長い旅を続けて、やっと着いたというのに、王子はあまり嬉しそうでもありません。と、今度は、そばのばら姫が、しくしくと泣き出しました。
「どうしたのですか、お姫様?」
 マバラックは不思議そうに聞きました。
「はい、長い旅を続けてやっと着いたのに、申し訳御座いません。でも、これで王子様ともお別れと思いますと、つい、悲しくなりまして……」
 ばら姫の悲しそうな声に、マバラックは戸惑いました。王子の方を見ると、王子もやっぱり、ばら姫と別れるのが辛いのでしょう、下を向いたまま、悲しそうな顔でした。
 マバラックは二人のそんな姿を見ると、このままばら姫を連れて、逃げ出したい気持ちでした。でも、ばら姫を仙人の王に渡して、四十番目の猿の像をもらわないと、王子が王の位につくことが出来ないのです。では、どうすれば……。
「マバラック。このままでいい。さ、堂々と行こう!」
 王子はどんな決心をしたのか、急に元気な顔になって、勢いよく歩きだしました。
 仙人の館に着くと、家来たちは三人を王の前に案内しました。三人を迎えて、王の目は鋭く光りました。
「王様、お約束のばら姫を探し当てて、お連れしました」
 王子が元気な声で言いました。
「おう、ミスナー王子、よく約束を守ってくれた。三年もの間、さぞ苦労をしたことと思う。では、わしの方も約束通り、四十番目の猿の像を与える事にしよう」
 そして、仙人の王がそばの家来に言いつけようとすると、王子は慌ててそれを止めました。
「お待ちください、王様。私は、もう猿の像はいりません」
「なに、猿の像がいらないと?」
 王は驚いて声を大きくしました。
「はい、その代わり、私の方も、このばら姫をお渡しすることが出来ません。私は姫を連れて、このままペルシャの国に帰ります」
「なに、そのまま帰ると……? だが、四十番目の猿の像が無いと、叔父のアフーバルを倒す事も、王の位につくことも出来ないのだぞ!」
「はい、覚悟の上で御座います!」
「なに、覚悟の……。すると、王の位につけなくても良いというのか?」
「はい、仕方がありません。今の私には、王の位などよりも、いえ、この命よりも、ばら姫の方が大事な宝で御座います」
「それで、ばら姫の方はどうだな?」
 仙人の王は、今度は鋭く光る目をばら姫に向けました。
「はい、わたくしも、もう心が決まっております。王子様とご一緒なら、どんなに不幸になりましょうとも、決して悔やみません」
 ばら姫も、美しい顔に決心の色を浮かべて、はっきり答えました。
「では、王子に、もう一度聞こう。もしこのわしが、ばら姫を渡さぬと申したなら、どうする?」
「はい、その時は、たとえ王様と戦いましても……」
「なに、わしと戦って勝てると思うのか?」
「勝負は分かりませんが、多分、私が負けるでしょう。王様にはたくさんの家来がいらっしゃいますが、私の方は、マバラックと二人だけですから……」
 王子は、しかし少しも恐れている様子もありません。
「姫の方はどうだな?」
「はい、わたくしも、王子様とご一緒なら、たとえここで命をなくしましょうとも……」
「悔やまないというのだな。よし、それほど言うのなら、三人とも、覚悟を決めてもらうぞ!」


Barahime-4.JPG


 仙人の王は、大きな声と一緒にさっと立ち上がりました。と、その途端でした。辺りが真っ暗闇になって、大きな音と一緒に、稲妻のような、鋭い光が三人の頭上に閃きました。
 その光に目のくらんだ三人は、ぐらぐらっとよろけて倒れると、そのまま気を失ってしまいました。


 それから、どのくらい経ったのでしょう。まず、マバラックが目を覚ましました。
「はて……?」
 目をこすりながら辺りを見回すと、さっきの部屋とは違います。そして、すぐそばに、王子とばら姫がすやすやと眠っていました。
「王子様! ばら姫様!」
 マバラックは、二人を揺り起こしました。
「おやっ、これは、一体どうしたことだ、マバラック?」
「それが、わたくしにも、何が何やら、さっぱりわかりません」
 その時、静かに扉が開いて、二人の仙人が入ってきました。三人は、思わず身体を固くしました。しかし、仙人たちはにこやかに笑っていました。
「さ、どうぞ、こちらの方へ……。王様がお待ちかねで御座います」
「え……?」
 三人は、不思議でなりません。
 案内されたのは、王座のある、さっきの大広間でした。
「おう、どうだったな。三人ともよく眠れたかな?」
 仙人の王は、さっきとはまるで違う、穏やかな顔で、と言うより、微笑みさえ浮かべて言いました。
「ミスナー王子、よく聞くのだぞ。わしはそなたに、ばら姫を探して、ここに連れてきたなら四十番目の猿の像を与えると約束をしたな」
「はい、その通りで御座います」
 王子も、今は気持ちも落ち着き、静かに答えました。
「その、四十番目の猿の像はこれだが、今、そなたに与えるぞ」
 なるほど、王のテーブルの上に、ぴかぴか光る猿の像が乗っていました。しかし、王子は慌てました。
「お待ちください、王様。お言葉は有難いのですが、しかし、私はまだ王様との約束を果たしていないのです。――ばら姫を王様に渡してはいないのです」
「いや、そなたは、わしとの約束を立派に果たしている。良いかな、わしはそなたと約束する時、『ばら姫をここに連れてきたなら……』とは言ったが、『ばら姫をわしに渡したなら……』とは言わなかったはずだ」
「え……?」
「いや、驚かなくともよい。わしが何故、このばら姫を探したのか、その訳を話そう。――ミスナー王子。そなたは、この四十番目の猿の像さえあれば、ペルシャの国王になれる人なのだぞ。だがな王子、あの大国を治めていくのには、国王はもちろんだが、その王妃もまた、国民から敬われる、賢くて気品のある人でなければならない。わしはそう思えばこそ、そなたにばら姫を、そしてそなたは、三年もの苦労の末、ばら姫を探し当てた。また、その姫は、うわさ通りの美しい賢い姫であった。王子と一緒なら、命を捨てても悔やまないとはっきり言った。実はわしは、その言葉を聞きたかったのだ。さっきは二人の心を試すために驚かせたが、二人は最後まで立派であったぞ!」
 初めて訳が分かって、王子とばら姫は、喜びの涙にむせびました。後ろに控えていたマバラックの目からも、大粒の涙がこぼれ落ちました。
 あくる朝――三頭のラクダが仕立てられ、出発の準備は整いました。
「おう、これで、そなたの父上も、地下の世界でさぞ喜んでおられる事だろう……。では、立派な国王、立派な王妃になられて、いつまでも幸せに暮らすのだぞ」
「はい、有難う御座いました」
 先頭にミスナー王子、続いてばら姫、少し離れてマバラックが……。
 三頭のラクダは、さわやかな風の朝の山を、太陽の燃える昼の野を、そして、月の美しい夜の砂漠を幸せの待っているペルシャの国に向かって、進んでいくのでした。




~おしまい~


 いかがでしたか?


 結局アフーバルとの決着が描かれていませんが、まぁ、四万の妖精の軍にフルボッコという分かり切った結末だから省略されてたんでしょうね。

 ばら姫親子を不幸にした魔王がその後どうなったかも気にはなりますが……。


 と言ったところで、今日はこの辺で。

 どうも。ではでは。


スポンサーサイト



Secret

TrackBackURL
→http://ishimarusyoten.blog.fc2.com/tb.php/3290-08ddce48