こんにちは、アカサカです。
年賀状も出してきたし、来年を迎える準備は万端です。
……師走の大掃除? まぁ、気が向いたらその内……(おい)。
そうそう、昨日書いたアーツ・ラビットドラゴンの件、今日、直接プレバンの番号を聞いてかけてみたんですが、かいつまんで言うと「申込期限内でないとどういう理由があっても購入権は無い」との返答でした。
おいおい、いくら何でもそれはないんじゃないの?
さて、今回は『店舗日誌』です。
ストーリー自体は何年も前から決めていましたが、『ナツミ編』が滞ってた影響で、制作が伸びに伸びていました(ナツミ編の完結編を急いで投稿したのもその辺りの事情)。
では、早速スタート!
店員「有難う御座いました~」
杏子「うわ、寒~っ! 雪でも降んじゃねーの?」
汐莉「今日降ったらホワイトクリスマスね」
杏子「ったく、なんで買い出しになんか行かなきゃなんねーのよ?」
汐莉「う~ん、クリスマス会を仕切ってるマミちゃんの命令だからねぇ」
杏子「女ってのはなんでこうパーティとかが好きなんだろうな」
汐莉「アンタも女でしょ」
汐莉「ところで、なんで変身してるの?」
杏子「いや、変身したら寒さも防げるかなって」
汐莉「結果は?」
杏子「変わらねえ」
汐莉「……そうでしょうね」
杏子「いつまでもこんな格好しててもしょうがねえし、変身解くか……」
ぐっ
杏子・汐莉「え?」
杏子「な……なんだぁ?」
?「サンタさん」
杏子「はあーっ?」
汐莉「……成程。あんたが赤い服着て白い袋しょってるからよ」
杏子「あのなぁ、あたしは年寄りじゃねーし、第一男じゃねーぞ」
汐莉「うーん、お菓子ならたくさんあるけど……何かサンタから欲しいものあるの?」
?「パパとママ」
?「せっちゃんね、パパとママと一緒にケーキ食べたいな」
~場面転換~
そして。
マミ「……で?」
マミ「何で連れてきちゃったのよ!?」
杏子「連れてきたんじゃねぇよ、ついて来たんだよ勝手に!」
まどか「迷子なのかな」
汐莉「わかんないけど……なんかあたし達懐かれちゃって」
さやか「あれ?」
さやか「これって迷子札じゃないの?」
マミ「本当ね。『あると せいら』……連絡先が書いてあるわよ。携帯かしら、これ」
汐莉「かけてみるわ。くれちゃん、携帯貸して?」
くれは「はい」
汐莉「あ、もしもし。せいらちゃんのお父さんですか? 娘さんを路上で保護したんですけど……」
父親『……ああ』
父親『それはどうも。私、今仕事中なんで、その辺の交番にでも預けといて下さい』
さやか「はあ?」
父親『娘はどうも私達が留守の時に家を抜け出す癖がありましてね。ウチは共働きだから面倒ですよ』
さやか「面倒……って、あんたの娘でしょ? クリスマスの夜くらい早く帰ってやりなよ!」
父親『……な、何だね君は』
父親『この不景気にクリスマスも何もあるわけないだろう。第一私たちは娘を育てるために働いてるようなものなんだ。それを君……』
汐莉「あー、お父さん?」
汐莉「せいらちゃんはあたし達が預かったから、あーんな写真やこーんなビデオを撮られてそーゆーシュミのお客さんに売られても知らないわよ。んじゃ」
父親『なっ、ちょっ……』
ピッ
瀬利「~~~、おーい、いーのかよ、そういう事言って」
汐莉「少しは頭、冷えるんじゃなーい? はい、返すわね」
くれは「……それにしても、汐莉にしては珍しくキレましたね」
汐莉「んー? なんとなくねー。何か飲む? せっちゃん」
瀬利「…………」
ドンチャン、ドンチャン♪
ウエスト「次ー、AKB歌いまーす♪」
杏子「……汐莉」
杏子「どーする、せっちゃん? もー夜遅いぜ」
汐莉「うーん、まだいいんじゃない? 楽しそうだし」
汐莉「誰もいない家で、賑やかなTV見ながら一人でケーキ食べて過ごすクリスマスなんて、子供にとっちゃ寂しい事だもんね」
杏子「……そんなもんか」
汐莉「そんなモンよ」
杏子「…………」
杏子「……汐莉さ」
汐莉「何?」
杏子「……やっぱ何でもねーや。シャンペン飲も」
ガラッ!
父親「せいら!」
せいら「パパ……ママ!」
くれは「良くここが分かりましたねー……」
父親「見滝原中の生徒が教えてくれたんだよ。同級生がせいらを連れてここの本屋に入っていくのを見たって」
汐莉「何もしてないから安心していーわよ」
父親「当たり前だ! 悪ふざけもほどほどにしたまえ!」
母親「帰るわよせいら! パパもママも仕事に戻らなきゃいけないんだから」
ぐいっ
せいら「……ヤダッ」
母親「せいら!」
父親「何で分からないんだ? パパ達はお前のためを思って働いてるんだぞ!」
せいら「……!」
父親「な……何だね、君は?」
汐莉「分かってないのはアンタ達の方じゃない?」
父親「何……!?」
汐莉「その子が、サンタに何お願いしたか知ってる? オモチャでも洋服でもケーキでもない」
汐莉「“あんたたち”よ。せっちゃんが本当に欲しいのは」
汐莉「大好きな両親と過ごす、たった一日のクリスマスなの」
汐莉「そーゆー事に気づいてあげないと、あたしみたいなヒネた人間に育っちゃうわよー?」
杏子(汐莉……)
父親「わ……私達は……」
せいら「……だめー」
せいら「パパいじめちゃダメー」
父親「せ……せいら……」
父親「……寂しかったんだな。ごめんな……」
~場面転換~
杏子「うわ、めちゃ寒ッ!」
杏子「……今頃、親子三人でケーキでも食ってるかな。はしゃぎ疲れて寝てそーだけど」
汐莉「いーんじゃない? それはそれで」
杏子「そーいや汐莉はさぁ、イヴを一緒に過ごして欲しいなーっつー人いる?」
汐莉「やっだぁ、そんなの。言わなくても分かるじゃなーい?」
杏子「……あー、そうだったな。聞いたあたしがバカだったよ……」
くれは「ハクション!」
マミ「あら、碧さん、風邪?」
くれは「いやぁ、そんなはずはないんですが……」
マミ「それにしても……」
マミ「あの二人どこ行ったのよ!? 後片付けくらい手伝うでしょ、普通!」
くれは「まぁまぁ、巴さん。そんなにカッカしなくても……」
~おしまい~
~次回予告~
シザース「シザースです。世の中、色々なお菓子があるわけですが、時にはゲテモノとしか言えないようなお菓子もありますよね。ちょうど私達サレラシオ署でも、先日そんなお菓子工場の行政指導に言ってきたんですが……。次回、『高鉄狭・チョコレート工場』。お楽しみに!」