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 さて、今日は小説版『ファイクエII』第6話の完結編です。

 書き上げたら、今までのパートの倍以上の長さになってしまいました……


 まぁ、ボスも二人いるし、と理由にもなっていない理由は置いておいて……。


 なお、前回はコチラ

 では、本文スタート!


 阿修羅と対峙した三人は、張り詰めた表情で、阿修羅の次の言葉を待っていた。
「最後の関門は……」
「ゴクリ……」
 石川がつばを飲み込む。
「最後の関門は……!」
「はいっ!」
 思わず、石川が気を付けの姿勢になった。
 カッと目を見開いて、阿修羅が叫ぶ。
「ジャンケンだ!」
 よく見ると、阿修羅の六本の腕の内、上の二つはグーを、真ん中の二つはチョキを、下の二つはパーの形になっている。
「ガビョーン!」
 先ほどまでの緊張感もどこへやら、石川達は思わずつんのめった。
 気を取り直して、石川と阿修羅が、同時に拳を振り上げる。
 一瞬早く、阿修羅が動いた。
「行くぞジャンケン!」
「最初はグー! ……って、ええっ!?」
 石川は思わずグーを突き出す。
 普段、彼らは「最初はグー!」の文句でジャンケンをしていたのだが、阿修羅はそんな前置きなしに拳を突き出してきたのだ。
 焦る石川だったが、拳はすでにグーの形で突き出してしまっている。
 しかし、
「チョキ!」
 なんと、阿修羅が突き出したのは、チョキの形の拳であった。
 偶然とはいえ、石川は勝利を収めたのだ!
「やったー! おれの勝ちだーっ!」
「うおお負けた! 負けたぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 ズシィィィィィィィィィィィィィィン!


 自身の敗北にショックを受けた阿修羅は、頭を抱えると、そのまま後方に倒れこんで、凄まじい地響きを立てるのであった。


 最後の関門を突破した三人は、ピラミッドを抜けて、塔の内部へと到達していた。
 塔と言っても、前述の通りそんなに高いものではなく、せいぜい三階建て程度の高さだ。
 その最上階まで登ると、部屋の中央に、何やら白い光を放っている石が見える。
「あ、あれは!」
「クリスタルだよ!」
 石川は、嬉しそうな顔でクリスタルの所まで駆け寄った。
「やったぞ! 最後のクリスタルだ!」
 最後のクリスタル、『光の白玉(ライト・ダイヤモンド)』を手にして喜ぶ石川だったが、その時だ。
「待てい!」
 ステレオで叫ぶ声と地響きのような足音が響く。
「えっ!?」
「そのクリスタル!」
「こちらにもらおうか!」
 そこに立っていたのは、フライールとガクホーンの二体だった。
 二体とも、強引にピラミッドを突破して追いついてきたのだ。
 だが、そう言われて素直に渡す石川達ではない。
 石川は舌を出して叫んだ。
「やだよーっ! せっかくここまで苦労して来たんだ、渡してたまるか!」
 それを聞いて、激高したのはフライールだった。
「なにぃぃぃぃっ!?」
 スラッと腰の大太刀を抜き放つ。
「落ち着け、フライール!」
「うるさーい!」
 ガクホーンがたしなめるが、フライールは構わず太刀を振り上げた。
 それを見て、石川は岡野たちをの方を振り返って叫ぶ。
「くっ! 逃げるんだ、二人とも!」
「死ねぇぇぇい!」


 ドガッ!


 フライールが振り下ろした太刀が、塔の床を砕く。
 間一髪、それを避けた石川達は走り出すが、フライールは強引に塔の柱を切り倒しながら追いかけてきた。


 ドガッ! ドガッ! ドガッ! ドガッ!


 が、柱をどんどん破壊されたせいで、塔は自分の天井を支えきれなくなっていた。
 やがて――


 ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!


 すさまじい地響きを立てて、ピラミッドの天辺に建っていた塔は一気に倒壊してしまったのだ。
 その瓦礫の中から、土煙を上げて二つの影が這い出てくる。
「ぬぅぅぅぅぅぅぅっ!」
「こんな事なら、最初から塔ごと全て破壊しておけば良かったのだ!」
 忌々しげにガクホーンが吐き捨てる。
 その時、石川も倒壊した瓦礫の中から這い出してきたところだった。
「痛ててて……。無茶苦茶するヤツだなぁ……」
 が、ふと周囲を見てみると、上田と岡野の姿が見当たらない。
「上ちゃん? 岡ちゃん!?」
 まさか、二人とも逃げ遅れて――
 そんな考えが石川の頭をよぎり、その顔が青くなる。
 しかし、そんな石川の前に、魔衝騎士たちは容赦なく立ちふさがった。
「はっはっは、ここまでだな……」
 フライールが勝ち誇ったように笑うが、石川はブレイブセイバーを構えると叫ぶ。
「くっ! 諦めてたまるか! おれ一人でもやってやる!」
「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 ガキィィィィィィィィィィィィン!


 フライールが振り下ろしてきた太刀を、石川はブレイブセイバーで受け止める。
 だが、
「うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 ドガァァァァァン!


「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!」
 間髪入れずに突き出されてきたガクホーンの薙刀を受け、石川の身体が後方へと吹っ飛ばされた。
 新品の鎧のおかげで石川の肉体こそ切り裂かれることは無かったものの、その衝撃はかなりのものだ。
 尻餅をつく石川に、フライールとガクホーンがジリジリとにじり寄る。
「ふん、他愛もない!」
「小僧、覚悟!」
 だが、天はまだ石川を見捨ててはいなかった。
「待て!」
「むっ!」
 ガクホーンが声のした方を向くと、瓦礫の上に立っていたのは上田と岡野だったのだ。
「上ちゃん! 岡ちゃん!」
 安堵と嬉しさのため、石川の表情が笑顔のそれに変わった。
「ごめん、テッちゃん! 脱出に時間がかかっちゃった!」
 あの時、上田は岡野の身体をつかまえて、間一髪、エスケープの呪文で塔の崩壊から脱出していたのだ。
 二人が無事だったことを知って、怒りに燃えていたのはフライールとガクホーンだ。
「おのれ!」
「私が相手になろう!」
 ガクホーンが、上田と岡野の方へと向き直る。
「おう!」
 それに対して、岡野たちも臨戦態勢で待ち構えた。
「うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 ガクホーンが繰り出してきた薙刀を、岡野は籠手で受け止めた。


 ガキィィィィィィン!


 そのまま鍔迫り合いを続けていた両者だが、岡野は強引に押し切ると、ガクホーンに向かって回し蹴りを放つ。
 が、ガクホーンも一瞬のうちに体勢を立て直すと、その蹴りを伏せて避けた。
 その体勢のまま薙刀を振り上げ、さらに今度は目にもとまらぬ速さで突きを放つが、岡野もさるもの、強化された動体視力で、その流れるような攻撃を紙一重でかわしていた。
 続けてガクホーンは薙刀を振り下ろすが、その刃は、再び岡野の籠手によって塞がれていた。
 そして、その刃をはねのけてガクホーンの体勢が崩れたところに、今度は上田が飛び込むと早口で呪文を唱える。


 グー・ダッ・ガー・バク・レイ・ゲム!
(大気よ、唸り弾けろ!)


「爆裂呪文・ボンバー!」


 ドガドガドガァァァァァァァァン!


「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 至近距離で爆発の連続攻撃を受け、今度はガクホーンのボディが地面に投げ出される。
 一方、フライールと一対一の勝負になっていた石川も、先ほどまでとは打って変わり、フライールと丁々発止の勝負を繰り広げていた。


 ガキィン! ガキィン!


 剣と太刀の刃がぶつかり合い、周囲に鋭い金属音を響かせる。


 ギィィィィィィィン!


 鍔迫り合いの後、フライールの手から太刀が飛んでいた。
 石川が横に払った一撃が、フライールの太刀を弾き飛ばしたのだ。
「やるな! ならば!」
 叫ぶなり、フライールのボディが変形を始める。
 両腕が胴体に収納され、足も縮み、前方へと突き出される。
 瞬く間に、フライールはレーシングカーのような形態へと姿を変えていた。
 続けてガクホーンも変形を始める。
 両腕が肩に収納され、足も畳まれて、ボディ各所のドリルが全て前方を向く。
 次の瞬間、そこにはガクホーンの頭部を持ったドリル戦車が出現していた。
「行くぞ!」
 叫ぶなり、ガクホーンのドリル戦車が地面へと姿を消す。
「あっ! 野郎、どこへ行く!」
「逃げたのかな……?」
 いぶかしむ上田だったが、答えは次の瞬間に来た。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


「わわっ!」
 石川達が立っていた地面が突如陥没し、不意を突かれた彼らは体勢を崩したのだ。
「今だフライール!」
 陥没した穴の底から姿を現して、ガクホーンが叫ぶ。
「応!」
 そこへ、フライールが走りこんできて、石川に強烈な体当たりを見舞った。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 続いてはガクホーンが、岡野に対して同じように体当たりを仕掛ける。
 二体は石川達に反撃の隙を与えないよう、絶妙のコンビネーションで体当たりを繰り返していた。
 このままでは、徐々に体力を削られていくのは明白だ。
 上田が石川に向かって叫んだ。
「テッちゃん、三魔爪を呼ぼう!」
「よーし!」
 石川は懐から熊のような姿をした土人形を取り出すと、空に向かって投げる。
「頼むぜ、アーセン!」


 シュパーン!


「ドンッドグ~ウ!」
 土人形がまばゆい光を放ち、その中からアーセンが姿を現した。
「私に、任せて下さい!」
 アーセンは石川達の前に立つと、突撃してくるフライール達に向かって、素早く呪文を唱えた。


 ゼー・レイ・ヒーラ・ヴィッセル!
(閃光よ、閃け!)


「閃光呪文・バーネイ!」


 ゴォォォォォォォォォォォォッ!


 アーセンの、土偶の右手から帯状の火炎が放射され、魔衝騎士たちを吹き飛ばす。
「うぉぉぉぉぉぉっ!」
「ぐわぁぁぁぁぁっ!」
 しかし、二体は体勢を立て直すと、そばの地面に着地した。
「おのれ!」
「フライール!『あれ』をやるぞ……!」
 ガクホーンの言葉に、フライールもうなづく。
「おうよ!」


 ジャキィィィィィィィィン!


 次の瞬間、フライールがガクホーンの機体の上に飛び乗り、ドッキングして一体の大型戦車となったのだ。
「朱(あか)と蒼(あお)の、全方位(オールレンジ)攻撃!」
 叫ぶなり、二体はタイヤとドリルを高速回転させて突進してきた。
 その姿は赤と青の渦巻きへと変わる。
「なんだアイツら……?」
 呆然とその渦を見つめていた岡野だが、その錐揉み状の渦が彼らの側を突き抜けていった時、凄まじい衝撃が一同を襲ったのだ。


 ドガァァァァァァァァァァン!


「ぐわぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「これはぁぁぁぁぁっ!」
「みんな! うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 石川達もアーセンも、木の葉のように宙に吹き飛ばされて地面に激しく叩きつけられる。
「くっ……あの攻撃、ただ事じゃないぞ!」
 軋む体を押さえながら、石川が立ち上がる。
「二体の、魔衝騎士たちの、相乗効果で、威力が、何倍にも、強まっているようです。並大抵の、攻撃では、あの渦を、突破することは、出来ません」
 いつもの冷静な口調ながらも、冷や汗をかきながらアーセンが言った。
「じゃあ、どうしたら!?」
「私に、考えが、あります。いいですか?」
 アーセンは三人に向かって、手短に反撃の作戦を伝える。
「よし、それでいこう!」
 アーセンの作戦を聞いた石川達は、力強く頷く。
 四人は一カ所に固まると、石川、上田、アーセンは呪文を唱え、岡野は拳に気を集中させる。


 グー・バク・ゴウ・ゲレム・ガルム・バング
(大気よ、全てを砕け散らせたまえ)


 グー・ダッ・ガー・バク・レイ・ゲム


 上田とアーセンの両手に極大呪文のスパークが巻き起こり、石川の手にはボンバーのスパークが同じように生まれている。
 岡野の掌にも、今の彼のレベルで可能な限りの気が送り込まれていた。

 その間に、フライール達は向きを反転させ、再び四人に向かって突進してきた。
「極大爆裂呪文・ボンベスト!」
「爆裂呪文・ボンバー!」
「昇竜波!」

 上田とアーセンからはボンベストが、石川からはボンバーが、岡野からは神龍波よりも一回り小さい竜の姿をした気功波が放たれ、それらは混じりあって、フライール達にも匹敵する大きさの渦となった。


 ギュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!
 ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!


 呪文と気が融合した光の渦と、赤と青の渦は正面から激突し、周囲に大爆発を巻き起こす。
 勝ったのは石川達の方だった。
 爆煙に混じって、かつてフライールとガクホーンだった金属の破片が辺りに降り注いでいたのだった。



「ようやく全部そろいましたね」
 目の前に並べられた六色のクリスタルを前にして、サクラが感慨深そうに言った。
 住宅地の中央広場で、全員がクリスタルの前に立っていた。
 その時だ。


 パァァァァァァァァァァッ……


「あらっ?」
「な、なに?」
「なんだ?」
 突如、六色のクリスタルが淡い光を放ったのだ。
「テッちゃん、空を見て!」
「えっ?」
 空には虹色に光るオーロラが現れていた。
「なっ、これは……?」
 一同は呆然と、そのオーロラを見上げている。
 オーロラはまるで、クリスタルが揃った事を祝福するかのように、いつまでも輝いているのだった。




~つづく~

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