| Home |
2018.03.30
昼も夜もうどん食べました。
さて、今日は休みだったので、久々に実家に帰ってきてました。
厳密には昨日の夜から帰ってきてたんですけども。(^ ^;)
いつもお世話になってる倉麻さんが桜の写真をあげてらっしゃったのを見て、私も実家近くで見かけたのを。
今日はまた、天神やら何やらに行ってきたのですが、夕食の後に姪浜駅まで行ってきました。
目当てはここ。
『やりうどん』といううどん屋さんです。
何でわざわざ夕食後にまでうどん屋に来たのかと言うと……。
ここ、明日一杯で閉店なんですよ。
ちょうど私が生まれた頃に開店したようでした。
そう言えば、野方のワイドマートも先月で閉店していたのを今日知って愕然となりました。
創動を最初に買ったのもその店でして……。
店内の様子。
以前、最後に利用したのは確か中学の頃(20年ほど前)だったかな……。
メニュー。
当時はカレーうどんなんかもあったような気がしたのですが……。
特段変わったメニューはなさそうですが……。
せっかくなので、『ちゃんぽんうどん』にしようかと思ったのですが、品切れという事で……。
ごぼう天うどんにしました。
麺はちょっとぬめりのある感じでした。
ご馳走様でした。
親父に聞いたところ。お昼は待ちが出るくらい繁盛してたそうな。
デザートはその隣のセブンイレブンでメロンアイスを買いました(笑)。
さて、昨日のライブボクサーですが、さっそく組んでみました。
さすがスーパーミニプラと言うだけあって、可動もそこそこです。
当時トイオリジナルギミックであった、サイファイヤーのミサイルランチャーを手持ち武器に出来るギミックはスーパーミニプラ版でも健在です。
あと、個人的にニクイと思った演出が……。
こちら。握りこぶし型の拳パーツです。
ヨドバシではTFLGのシースプレー&リオーネを買ってきました。
アーツのナイトローグ、見本は展示してあったけど、発売はやっぱ明日なのかなぁ。
昨日あったビルドは狩られてたみたいだけど。
あそこ、博多だけにいつも半島・大陸系の人間がかなりの割合でいるから根こそぎ鏖状態にならないか不安なんだよなぁ……。明日、帰る前にもっかい寄ってみるかなぁ。
それから天神のトイコレクターで2回、橋本の木の葉モールで1回、宝箱のガチャを回しました。
トイコレクターでは金と呪いの宝箱が出て喜んでいたのですが、木の葉モールではまた金の宝箱が出てがっかりでした。
しかも中身も同じでやんの(呪いの宝箱以外は、色違いでアイテムが二種類ずつ入ってる)。
いっそダブった方は人食い箱やミミックみたいな色に塗り直すかなぁ。
そう言えば『モンスター物語』によると、人食い箱の中身は腐った死体で、ミミックの中身はブリザードなんだそうな。
どうも。ではでは。
スポンサーサイト
2018.03.29
「実験さ実験。ただのくだらん普通のな」
はい、という訳でですね……。
去年もゲーマドライバー(ガシャットホルダー込)やバグヴァイザー、ガシャコンスパローを買ったものの、なりきり玩具はビルドが最多です(苦笑)。
ギアエンジン(左)とギアリモコン(右)。
映画に出ていたカイザーとカイザーリバースが使っていた物とは色違いですが、モノ自体は同一のようです。
ガチャ版と違い、構成はそれぞれ2パーツになっています。
トランスチームガンとの比較。
外見上の違いは、銃身側面部分で、ネビュラスチームガンは歯車を前面に押し出したデザインになっています。
ライフルモード。
この辺りはトランスチームガンと変わりません。
個人的にコブラフルボトルを挿した時に「ロストマッチ!」となるのが気になります。
スタークの強化形態も出るのかな……?
創動の四人。
素体は同じで、外装が違うというパターンです。
アーツのブラッドスターク、二つ予約しておけばよかったなぁ。リデコして、「『バジリスクフルボトル』で変身する“ヴェノムゴルゴン”」とかいって。
まぁ、その内だらけに並ぶでしょうけど。
ブロスシリーズがカイザーシリーズの、純粋なリカラーだと知った時は驚きました。
てっきり若干スーツを改造したマイナーチェンジ版だと思っていたので……。
アーツでもブロスシリーズ(もしくはカイザーシリーズ)出ないかなぁ。
小改造して『ボルトゼノン(電気)』と『アトミックゼノン(原子)』、さらにそれらが合体した『カオスゼノン』とか考えてるんだけどなぁ……。
あと、スーパーミニプラのライブボクサーも届いてました。
何気にスーパーミニプラを購入するのは今回が初めてだったりします。
組み立て・レビューはまた後日……。
といったところで、今日はこの辺で。
どうも。ではでは。
2018.03.28
ファイクエ外伝『恐怖のゲームブック?』-3
今日は『ファイクエ』外伝の完結編で行きたいと思います。
こういうギャグ系の話はまたやりたいなぁとも思っていますが……。
ともかく、本文スタート!
アルカナイカ城をクリアした一同は、再び廊下を進んでいく。
「最初のマップ通りなら、次がラストステージの一つ前という事になりますが……」
テキストがそう言った時、周囲の空間が歪み始める。
今度現れた景色は、巨大な草花が生えた原っぱだった。
まるで彼らは、そんな中に迷い込んだ虫や小動物のようである。
しかも、草花には口や目がついているのだ。
「ここは……」
<ようこそ、冒険者たち>
頭上から声が響く。
一同が見上げると、そこには青いポリゴン調の顔が浮かんでいた。
<私の名はマインヘッド。ここではブロック崩しに挑戦してもらうぞ>
抑揚が無いながらも、爽やかな声でマインヘッドが説明する。
いつの間にか、一同の前に分厚いブロック塀のようなものが出現していた。
<このブロックを壊すと、ヒントとなる物が出てくる。それらから連想される物を一つだけ答えてもらう。答えられるのはブロック崩しに挑戦した者だけだ。ふむ、お前たちは三人パーティーか。ならば挑戦できるのは、三回になるな>
「ブロック崩しねぇ……。ゲームのやつとはだいぶ違いそうだなぁ……」
目の前のブロック塀を眺めて上田が呟く。
この頃はインターネットも一般的に普及してはおらず、パソコンゲームと言えばマインスイーパーやソリティアなど、パソコンにあらかじめ組み込まれているかCDロムで追加するのが一般的だった。
<それではまず、オープニングヒントだ>
その言葉と同時に、空中にある像が浮かび上がる。
それは長方形になった紙で、カードのようだった。
「カード……?」
<その通り、オープニングヒントは『カード』だ。それでは、まずはサクラ。行け>
「わ、私ですか……?」
サクラが戸惑った表情をする。
「でも、私、攻撃呪文は使えないし……。どうやってブロックを壊したら……」
<ならば、これを使え>
マインヘッドが言い終わるのと同時に、サクラの手には鉄球付きの杖……いわゆるモーニングスターが出現していた。
「へー、なるほど……」
サクラが軽くモーニングスターを振ると、鉄球がビュンビュンうなりながら宙を舞った。
その光景を見て、上田とテキストは口をポカンと開ける。
「サクラちゃん、まさか……」
実は怪力の持ち主だったのか、とでも言いたげな表情で、上田がサクラの方を見る。
慌ててサクラは両手を振った。
「ち、違いますよ! この鉄球、すごく軽いんです。ほら!」
ひょいっと、サクラがモーニングスターを上田の方へ放る。
「わっ! わっ!」
慌てて上田はモーニングスターを受け止めるが、なるほど、確かにそれは、プラスチックの玩具のように軽かった。
一方で手触りなどはしっかりと金属だったので、妙な感覚ではあったが。
「ごめんごめん、サクラちゃん。見た目が重そうだったからさ……」
モーニングスターをサクラに返しながら、上田が謝った。
「もう……」
サクラは拗ねたように頬をふくらませながら、プイッとそっぽを向く。
その仕草と表情は、上田が思わずドキッとしてしまうほど可愛らしかった。
(ありゃ、どうしたんだろ、おれ……)
サクラの仕草にドギマギする自分に、上田は戸惑いを覚えていた。
と、そんなところへ、
<おーい、早く始めろ>
相変わらず抑揚が無いながらも、呆れたようなマインヘッドの声が響く。
「いけない!」
慌ててサクラは壁の前に立った。
「よーし、それっ!」
「最初のマップ通りなら、次がラストステージの一つ前という事になりますが……」
テキストがそう言った時、周囲の空間が歪み始める。
今度現れた景色は、巨大な草花が生えた原っぱだった。
まるで彼らは、そんな中に迷い込んだ虫や小動物のようである。
しかも、草花には口や目がついているのだ。
「ここは……」
<ようこそ、冒険者たち>
頭上から声が響く。
一同が見上げると、そこには青いポリゴン調の顔が浮かんでいた。
<私の名はマインヘッド。ここではブロック崩しに挑戦してもらうぞ>
抑揚が無いながらも、爽やかな声でマインヘッドが説明する。
いつの間にか、一同の前に分厚いブロック塀のようなものが出現していた。
<このブロックを壊すと、ヒントとなる物が出てくる。それらから連想される物を一つだけ答えてもらう。答えられるのはブロック崩しに挑戦した者だけだ。ふむ、お前たちは三人パーティーか。ならば挑戦できるのは、三回になるな>
「ブロック崩しねぇ……。ゲームのやつとはだいぶ違いそうだなぁ……」
目の前のブロック塀を眺めて上田が呟く。
この頃はインターネットも一般的に普及してはおらず、パソコンゲームと言えばマインスイーパーやソリティアなど、パソコンにあらかじめ組み込まれているかCDロムで追加するのが一般的だった。
<それではまず、オープニングヒントだ>
その言葉と同時に、空中にある像が浮かび上がる。
それは長方形になった紙で、カードのようだった。
「カード……?」
<その通り、オープニングヒントは『カード』だ。それでは、まずはサクラ。行け>
「わ、私ですか……?」
サクラが戸惑った表情をする。
「でも、私、攻撃呪文は使えないし……。どうやってブロックを壊したら……」
<ならば、これを使え>
マインヘッドが言い終わるのと同時に、サクラの手には鉄球付きの杖……いわゆるモーニングスターが出現していた。
「へー、なるほど……」
サクラが軽くモーニングスターを振ると、鉄球がビュンビュンうなりながら宙を舞った。
その光景を見て、上田とテキストは口をポカンと開ける。
「サクラちゃん、まさか……」
実は怪力の持ち主だったのか、とでも言いたげな表情で、上田がサクラの方を見る。
慌ててサクラは両手を振った。
「ち、違いますよ! この鉄球、すごく軽いんです。ほら!」
ひょいっと、サクラがモーニングスターを上田の方へ放る。
「わっ! わっ!」
慌てて上田はモーニングスターを受け止めるが、なるほど、確かにそれは、プラスチックの玩具のように軽かった。
一方で手触りなどはしっかりと金属だったので、妙な感覚ではあったが。
「ごめんごめん、サクラちゃん。見た目が重そうだったからさ……」
モーニングスターをサクラに返しながら、上田が謝った。
「もう……」
サクラは拗ねたように頬をふくらませながら、プイッとそっぽを向く。
その仕草と表情は、上田が思わずドキッとしてしまうほど可愛らしかった。
(ありゃ、どうしたんだろ、おれ……)
サクラの仕草にドギマギする自分に、上田は戸惑いを覚えていた。
と、そんなところへ、
<おーい、早く始めろ>
相変わらず抑揚が無いながらも、呆れたようなマインヘッドの声が響く。
「いけない!」
慌ててサクラは壁の前に立った。
「よーし、それっ!」
ドガン! ドガァァァン!
サクラが鉄球を振るうたび、少しずつブロックが崩れていく。
それに伴い、少しずつ中に隠されていた物もあらわになって来た。
その時だ。
それに伴い、少しずつ中に隠されていた物もあらわになって来た。
その時だ。
バカァァァァァァァン!
砕かれたブロックの中から、トゲトゲのついた赤い玉が飛び出てきたのだ。
「きゃっ!」
反射的に、サクラは身をかわしてトゲトゲを避けた。
<言い忘れたが、そのトゲに当たるとその場でチャレンジ失敗だから気をつけろよ>
「危なかったぁ……」
サクラは冷や汗をぬぐうと、再びブロックを砕きにかかかる。
出てきたのは、直方体の何かだった。
天辺の部分が蓋のように開いている。
「えーっと……箱?」
「きゃっ!」
反射的に、サクラは身をかわしてトゲトゲを避けた。
<言い忘れたが、そのトゲに当たるとその場でチャレンジ失敗だから気をつけろよ>
「危なかったぁ……」
サクラは冷や汗をぬぐうと、再びブロックを砕きにかかかる。
出てきたのは、直方体の何かだった。
天辺の部分が蓋のように開いている。
「えーっと……箱?」
ピンポンピンポーン!
<その通り、正解は『箱』だ。それでは、これらのヒントから連想できるものを、一つだけ、答えろ。制限時間は十秒だ>
「ええっ、十秒!? えーっと、えーっと……」
短い制限時間に、サクラが慌てて考え込む。
<早く答えろ。5秒前。4、3、2……>
「えーっと……家具屋さん?」
「ええっ、十秒!? えーっと、えーっと……」
短い制限時間に、サクラが慌てて考え込む。
<早く答えろ。5秒前。4、3、2……>
「えーっと……家具屋さん?」
ブーッ!
<全然違う。失せろ>
「はぅぅ……すみません」
爽やかに退場を言い渡され、サクラがガックリと肩を落とす。
<続いては上田。位置につけ>
「おれか。よ~し……」
上田はパシッと手を打って気合を入れる。
そして壁の前に立つと、印を結びながら呪文を唱えた。
「はぅぅ……すみません」
爽やかに退場を言い渡され、サクラがガックリと肩を落とす。
<続いては上田。位置につけ>
「おれか。よ~し……」
上田はパシッと手を打って気合を入れる。
そして壁の前に立つと、印を結びながら呪文を唱えた。
グー・ダッ・ガー・ハー・ゼイ・ロウ!
(大気よ、爆ぜろ!)
(大気よ、爆ぜろ!)
「爆裂呪文・ボム!」
上田の手から、スパークに包まれた光の玉が飛び出し、ブロックを砕いていく。
上田の手から、スパークに包まれた光の玉が飛び出し、ブロックを砕いていく。
ドガドガドガァァァァァァァァン!
「おっと!」
爆煙の中からトゲが飛び出すが、上田はそれを転がって避ける。
ボムを連射し、上田は壁を砕いていく。
その中から、ヒントとなる物体が徐々に現れてきた。
数字が並んだ図のようなもの。それは――
「カレンダー……?」
爆煙の中からトゲが飛び出すが、上田はそれを転がって避ける。
ボムを連射し、上田は壁を砕いていく。
その中から、ヒントとなる物体が徐々に現れてきた。
数字が並んだ図のようなもの。それは――
「カレンダー……?」
ピンポンピンポーン!
<その通り。正解は、『カレンダー』。さてそれでは、このヒントから連想できる物を一つだけ、答えろ>
「カード……箱……カレンダー……う~ん……」
<5秒前。4、3……>
「えー……レンタルビデオ?」
「カード……箱……カレンダー……う~ん……」
<5秒前。4、3……>
「えー……レンタルビデオ?」
ブーッ!
<何だそりゃ。全く違う。とっとと消えろ>
「しまった……この世界にそんなもんある訳なかったんだ……」
「あっちゃー」といった表情で上田が呟いた。
<今度はテキスト。行け>
「任せて下さい」
自信ありげな表情で、テキストが前に進み出る。
その表情に、上田は逆に怪訝な顔をする。
「テキストさん、分かったんですか?」
「ええ。分かっちゃいました」
テキストはニコリと笑うと、Vサインまでしてみせる。
「残念でしたね、上田さん」
戻って来た上田をサクラが出迎える。
「ごめん、サクラちゃん」
「それはお互い様ですよ。ところで……『ビデオ』ってなんですか?」
「ああー、それはね……」
思わず上田は汗ジトになる。
「おれらの国の記録装置で……箱の中に映像が入ってるんだけど……」
「ああ! ツタヤ石みたいなものですね!」
「へっ!?」
あっけらかんと言うサクラに、上田は口をアングリと開けてしまう。
ツタヤ石とはこの世界の記録装置で、水晶玉に魔力を込めることで、周囲の映像を記録させておく事が出来るのだ。
まさに我々の世界で言うビデオカメラとビデオテープを合わせたようなものである。
「あるのか、そんなもん……」
またも汗ジトになって、上田はタメ息をついた。
さて、そんなこんなで二人が話している間に、テキストはブロック崩しを始めていた。
「はあっ!」
テキストは手をかざすと、呪文を唱える。
「しまった……この世界にそんなもんある訳なかったんだ……」
「あっちゃー」といった表情で上田が呟いた。
<今度はテキスト。行け>
「任せて下さい」
自信ありげな表情で、テキストが前に進み出る。
その表情に、上田は逆に怪訝な顔をする。
「テキストさん、分かったんですか?」
「ええ。分かっちゃいました」
テキストはニコリと笑うと、Vサインまでしてみせる。
「残念でしたね、上田さん」
戻って来た上田をサクラが出迎える。
「ごめん、サクラちゃん」
「それはお互い様ですよ。ところで……『ビデオ』ってなんですか?」
「ああー、それはね……」
思わず上田は汗ジトになる。
「おれらの国の記録装置で……箱の中に映像が入ってるんだけど……」
「ああ! ツタヤ石みたいなものですね!」
「へっ!?」
あっけらかんと言うサクラに、上田は口をアングリと開けてしまう。
ツタヤ石とはこの世界の記録装置で、水晶玉に魔力を込めることで、周囲の映像を記録させておく事が出来るのだ。
まさに我々の世界で言うビデオカメラとビデオテープを合わせたようなものである。
「あるのか、そんなもん……」
またも汗ジトになって、上田はタメ息をついた。
さて、そんなこんなで二人が話している間に、テキストはブロック崩しを始めていた。
「はあっ!」
テキストは手をかざすと、呪文を唱える。
グー・ダッ・ガー・ハー・ゼイ・ロウ!
「爆裂呪文・ボム!」
テキストの掌から、ボムの呪文が飛び出す。
テキストの掌から、ボムの呪文が飛び出す。
ドガァァァァン! ドガドガァァァァン!
テキストもなかなかの呪文の使い手だったようで、ブロックはどんどん崩れていった。
あっという間に4つ目のヒントが姿を表す。
無数の紙を綴じたそれは……。
「本!」
あっという間に4つ目のヒントが姿を表す。
無数の紙を綴じたそれは……。
「本!」
ピンポンピンポーン!
<その通り、正解だ。それでは、このヒントから連想できるものを一つだけ、答えてもらおう>
「答えは……『図書館』!」
「答えは……『図書館』!」
ピンポンピンポーン!
正解のアラームが鳴る。
「やったぁ!」
上田とサクラが飛び上がってタッチする。
<その通り。それでは答え合わせをしよう。まず最初のヒントの『カード』、これは本を借りる時の貸出しカードだ。ヒント1『箱』は借りた本の返却ボックス、2番『カレンダー』は貸出期間を現している。そして3番の『本』は、まさに図書館で貸し出される本だ。したがって正解は『図書館』。よくぞ連想できた、褒めてやろう。そして、このステージもクリアだ!>
マインヘッドの声が響くと、周囲はまた、元の石造りの廊下へと戻っていった。
「テキストさん、よく分かりましたねぇ」
「伊達に司書はやってませんよ」
再び、テキストは笑顔でVサインを見せた。
「やったぁ!」
上田とサクラが飛び上がってタッチする。
<その通り。それでは答え合わせをしよう。まず最初のヒントの『カード』、これは本を借りる時の貸出しカードだ。ヒント1『箱』は借りた本の返却ボックス、2番『カレンダー』は貸出期間を現している。そして3番の『本』は、まさに図書館で貸し出される本だ。したがって正解は『図書館』。よくぞ連想できた、褒めてやろう。そして、このステージもクリアだ!>
マインヘッドの声が響くと、周囲はまた、元の石造りの廊下へと戻っていった。
「テキストさん、よく分かりましたねぇ」
「伊達に司書はやってませんよ」
再び、テキストは笑顔でVサインを見せた。
☆
「カローラIIにの~って~♪ 買い物にでかけ~たら~♪ サイフないのに気づいて~♪ そのまま万引き~♪」
鼻歌を歌いながら、先頭に立って上田が廊下を歩いていく。
最初のマップを信用すれば、次がいよいよ魔王エニグマスとの戦いとなる。
「上田さん、ノリノリですねぇ」
「何だかんだで、あともう1ステージですからねぇ」
後から並び立って歩くサクラとテキストが、苦笑交じりに言った。
と、その時だ。
鼻歌を歌いながら、先頭に立って上田が廊下を歩いていく。
最初のマップを信用すれば、次がいよいよ魔王エニグマスとの戦いとなる。
「上田さん、ノリノリですねぇ」
「何だかんだで、あともう1ステージですからねぇ」
後から並び立って歩くサクラとテキストが、苦笑交じりに言った。
と、その時だ。
ポトッ!
何かがテキストの頭の上に落ちてきた。
「なんでしょう?」
それをつまんでみたテキストだったが、その正体を目にするなり、顔からサーッと血の気が引く。
それは、やや大きめのナメクジだった。
「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
周囲にテキストの悲鳴が響く。
彼はナメクジが大嫌いなのだ。
「さ、さ、さ、さ、サクラさん! 取って! 取って! 取って下さい!」
「い、嫌ですよ! 私だって!」
テキストはサクラに助けを求めるが、サクラの方も顔を青くしてその場から逃げ出した。
そんな二人を、上田は遠くからやや呆れたように見つめていた。
「なにやってんの、あの二人……ん?」
前方を見て、何かに気づいたように上田の歩みが止まる。
だが、
「とって下さい、サクラさ~~~ん!」
「じ、じ、自分でとって下さいよ~~~!」
「なんでしょう?」
それをつまんでみたテキストだったが、その正体を目にするなり、顔からサーッと血の気が引く。
それは、やや大きめのナメクジだった。
「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
周囲にテキストの悲鳴が響く。
彼はナメクジが大嫌いなのだ。
「さ、さ、さ、さ、サクラさん! 取って! 取って! 取って下さい!」
「い、嫌ですよ! 私だって!」
テキストはサクラに助けを求めるが、サクラの方も顔を青くしてその場から逃げ出した。
そんな二人を、上田は遠くからやや呆れたように見つめていた。
「なにやってんの、あの二人……ん?」
前方を見て、何かに気づいたように上田の歩みが止まる。
だが、
「とって下さい、サクラさ~~~ん!」
「じ、じ、自分でとって下さいよ~~~!」
ドゴォォォォォン!
「むぎゅっ!」
後ろからサクラとテキストが突っ込んできて、上田は押しつぶされてしまった。
「あらら、上田さん、大丈夫ですか!?」
「す、すみません……」
「どうでもいいから、早くどいて……」
消え入りそうな声が、突っ伏した上田から発せられた。
二人がどき、ようやく立ち上がった上田は前方を指さす。
「二人とも、見て、これ」
「ああっ!」
そこには巨大な扉がでんと道を塞いでいたのだ。
ご丁寧に、扉の上には『魔王のお部屋』とプレートまであるではないか。
「ついに、ラストステージに到着したんだね」
「そうですねぇ……」
「よし、それじゃあさっそく!」
上田は扉に近づくと、取っ手がわりについている鉄の輪っかを力いっぱい引き始めた。
「むがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! くっ、重い……」
こういう時こそ筋力強化魔法でも使えば良さそうなものだが、そういう所まで頭が回らないのであった。
必死になって扉を引っ張る上田だったが、そこへテキストが――
「でもこれ、何かの罠で、開けた瞬間に怪物が出てきたりして……」
上田の動きがピタッと止まる。
が、今度はサクラが――
「さすがにそれは無いと思いますけど……。きっとここが、最後のステージの入り口なんですよ」
フンガーッと再び上田が扉を引き始めた。
けれどテキストが――
「いえいえ、ここまで罠が無かったからこそ油断していると踏んで、溶岩が噴き出してくる、なんてことも……」
またまた上田の動きがピタッと止まった。
しかぁし、サクラが――
「あのですね、逆に金銀財宝で一杯、なんてことも」
と言うのを聞いて、上田はますますパワーアップ!
フンガーッ!
「ガイコツがいっぱい散らばっているって事もあり得ますよね」
ピタッ!
「案外、元の世界に直結しているって事も……」
フンガーッ!
「ブービートラップで銛が飛んできたりとか」
ピタッ!
二人の勝手な言い草の前に、上田は「フンガーッ!」と「ピタッ!」を繰り返す。
上ちゃん、人の言葉に左右されてはいけないぞ!
君の人生はあくまで君の物だ!
――と、他人の言葉ですぐ人生左右されてしまう作者の期待の声が届いたのか、上田はついに爆発した。
「お前ら、いい加減にしろーっ!」
「わっ!」
「きゃっ!」
「さっきから好き放題言いやがって! この扉、開けていいのかいけないのか、どっちなんだよ!?」
上田の剣幕に、思わず二人ともシュンとなってしまう。
「え~と、それは……」
「やっぱりここは、上田さんが決めて下さい」
即座に上田が叫んだ。
「よし、分かった。この扉は開ける! 二人とも手伝って!」
上田の後ろにテキストとサクラが並び、それぞれが前の人間の腰をつかんだ。
「いい、行くよ!」
「はい!」
「せーの……フンガーッ!」
「フンッ!」
さすがに三人の力が合わされば結構な力が出るもので、扉は徐々に開き始めた。
その時、中から声がする。
「こらーっ! 何者じゃ!? この扉を開けてはならんぞ!」
「えっ!?」
だが、ちょうどその時が全員の力が最高点に達した時だった。
一度ついた勢いはなかなか止まらない。
扉は一気に開いてしまった。
後ろからサクラとテキストが突っ込んできて、上田は押しつぶされてしまった。
「あらら、上田さん、大丈夫ですか!?」
「す、すみません……」
「どうでもいいから、早くどいて……」
消え入りそうな声が、突っ伏した上田から発せられた。
二人がどき、ようやく立ち上がった上田は前方を指さす。
「二人とも、見て、これ」
「ああっ!」
そこには巨大な扉がでんと道を塞いでいたのだ。
ご丁寧に、扉の上には『魔王のお部屋』とプレートまであるではないか。
「ついに、ラストステージに到着したんだね」
「そうですねぇ……」
「よし、それじゃあさっそく!」
上田は扉に近づくと、取っ手がわりについている鉄の輪っかを力いっぱい引き始めた。
「むがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! くっ、重い……」
こういう時こそ筋力強化魔法でも使えば良さそうなものだが、そういう所まで頭が回らないのであった。
必死になって扉を引っ張る上田だったが、そこへテキストが――
「でもこれ、何かの罠で、開けた瞬間に怪物が出てきたりして……」
上田の動きがピタッと止まる。
が、今度はサクラが――
「さすがにそれは無いと思いますけど……。きっとここが、最後のステージの入り口なんですよ」
フンガーッと再び上田が扉を引き始めた。
けれどテキストが――
「いえいえ、ここまで罠が無かったからこそ油断していると踏んで、溶岩が噴き出してくる、なんてことも……」
またまた上田の動きがピタッと止まった。
しかぁし、サクラが――
「あのですね、逆に金銀財宝で一杯、なんてことも」
と言うのを聞いて、上田はますますパワーアップ!
フンガーッ!
「ガイコツがいっぱい散らばっているって事もあり得ますよね」
ピタッ!
「案外、元の世界に直結しているって事も……」
フンガーッ!
「ブービートラップで銛が飛んできたりとか」
ピタッ!
二人の勝手な言い草の前に、上田は「フンガーッ!」と「ピタッ!」を繰り返す。
上ちゃん、人の言葉に左右されてはいけないぞ!
君の人生はあくまで君の物だ!
――と、他人の言葉ですぐ人生左右されてしまう作者の期待の声が届いたのか、上田はついに爆発した。
「お前ら、いい加減にしろーっ!」
「わっ!」
「きゃっ!」
「さっきから好き放題言いやがって! この扉、開けていいのかいけないのか、どっちなんだよ!?」
上田の剣幕に、思わず二人ともシュンとなってしまう。
「え~と、それは……」
「やっぱりここは、上田さんが決めて下さい」
即座に上田が叫んだ。
「よし、分かった。この扉は開ける! 二人とも手伝って!」
上田の後ろにテキストとサクラが並び、それぞれが前の人間の腰をつかんだ。
「いい、行くよ!」
「はい!」
「せーの……フンガーッ!」
「フンッ!」
さすがに三人の力が合わされば結構な力が出るもので、扉は徐々に開き始めた。
その時、中から声がする。
「こらーっ! 何者じゃ!? この扉を開けてはならんぞ!」
「えっ!?」
だが、ちょうどその時が全員の力が最高点に達した時だった。
一度ついた勢いはなかなか止まらない。
扉は一気に開いてしまった。
ガギィィィィィィィィ……
そこはかなり広い部屋で、三〇シャグル(約一〇〇メートル)四方はある。
その正面の奥は段になっていて、一段高いその上に玉座がしつらえてあった。
だが、その前では、下着姿のオッサンが怒った顔で立っている。
「バカモン! 着替え中に入ってくる者がおるか!」
彼こそ誰あろう、魔王エニグマスだった。
下着姿のエニグマスを見つめ、呆然と立ち尽くしてしまう三人であった。
その正面の奥は段になっていて、一段高いその上に玉座がしつらえてあった。
だが、その前では、下着姿のオッサンが怒った顔で立っている。
「バカモン! 着替え中に入ってくる者がおるか!」
彼こそ誰あろう、魔王エニグマスだった。
下着姿のエニグマスを見つめ、呆然と立ち尽くしてしまう三人であった。
☆
着替えが終わると、その男にも多少の威厳が出てきた。
「よくぞここまでやってきた、冒険者たちよ」
ねじれた角のついた兜。
口を覆う立派なセイウチ髭。
豪奢な鎧に派手なマント。
雰囲気が『私は正真正銘の魔王です』と言っていた。
ただし、あんな場面を見てしまった後では、かなり曇ってしまうのは否めない。
「やかましいわ! コホン……」
咳ばらいをすると、エニグマスは話し始めた。
「ここまで来たことは褒めてやる。ただし、私に勝利せねば、元の世界へは戻れぬぞ」
「よーし、やってやろうじゃないの!」
身構える上田達だったが、エニグマスはそれを制する。
「待て、私は暴力は嫌いだ。私との勝負は三つの質問だ」
「三つの質問?」
「その通り。私が出す質問に答えてもらう。間違いなく答えることが出来たら、元の世界に帰してやろう。ただし嘘をついたり、答えられなかった時は『死』あるのみだ! それではお前!」
エニグマスがサクラを指さす。
「えっ、私ですか?」
「その通り。お前が最初に、我が問いに答えよ!」
「わ、分かりました……」
覚悟を決めて、サクラはエニグマスの前に立った。
「では、汝の名は!?」
「サクラ・クレパスです」
「汝の職業は!?」
「ブッコフ町立学校の生徒です」
「では、汝の好きな色は!?」
「ピンクです」
「よろしい!」
「へっ!?」
あまりに簡単な質問に、一瞬サクラは呆気にとられる。
「次! お前だ!」
今度指名されたのはテキストであった。
「汝の名は!?」
「テキスト・ノートです」
「汝の職業は!?」
「ブッコフ図書館の司書をやっております」
「では……風が強い時に、ツルはどうやって空を飛ぶ?」
「いいっ!?」
先ほどのサクラの時とは打って変わった難問に、テキストが目を丸くする。
その瞬間、
「よくぞここまでやってきた、冒険者たちよ」
ねじれた角のついた兜。
口を覆う立派なセイウチ髭。
豪奢な鎧に派手なマント。
雰囲気が『私は正真正銘の魔王です』と言っていた。
ただし、あんな場面を見てしまった後では、かなり曇ってしまうのは否めない。
「やかましいわ! コホン……」
咳ばらいをすると、エニグマスは話し始めた。
「ここまで来たことは褒めてやる。ただし、私に勝利せねば、元の世界へは戻れぬぞ」
「よーし、やってやろうじゃないの!」
身構える上田達だったが、エニグマスはそれを制する。
「待て、私は暴力は嫌いだ。私との勝負は三つの質問だ」
「三つの質問?」
「その通り。私が出す質問に答えてもらう。間違いなく答えることが出来たら、元の世界に帰してやろう。ただし嘘をついたり、答えられなかった時は『死』あるのみだ! それではお前!」
エニグマスがサクラを指さす。
「えっ、私ですか?」
「その通り。お前が最初に、我が問いに答えよ!」
「わ、分かりました……」
覚悟を決めて、サクラはエニグマスの前に立った。
「では、汝の名は!?」
「サクラ・クレパスです」
「汝の職業は!?」
「ブッコフ町立学校の生徒です」
「では、汝の好きな色は!?」
「ピンクです」
「よろしい!」
「へっ!?」
あまりに簡単な質問に、一瞬サクラは呆気にとられる。
「次! お前だ!」
今度指名されたのはテキストであった。
「汝の名は!?」
「テキスト・ノートです」
「汝の職業は!?」
「ブッコフ図書館の司書をやっております」
「では……風が強い時に、ツルはどうやって空を飛ぶ?」
「いいっ!?」
先ほどのサクラの時とは打って変わった難問に、テキストが目を丸くする。
その瞬間、
カキィィィィィィィィィィン!
なんと、テキストの全身が氷に包まれてしまったのだ。
「テキストさん!」
上田とサクラが叫ぶ。
「さぁ、最後はお前だ」
エニグマスが上田の方を向いていった。
「よ、よーし……」
上田は身構えて、エニグマスからの質問を待った。
「汝の名は!?」
「上田倫理!」
「汝の職業は!?」
「小学四年生!」
「では……成長した雌のドラゴンの飛行速度は?」
「そのドラゴンは、イースタン種? それともウエスタン種?」
「いや、そこまでは知らな……し、しまった! ぐわーっ!」
エニグマスの身体が崩れていく。
「テキストさん!」
上田とサクラが叫ぶ。
「さぁ、最後はお前だ」
エニグマスが上田の方を向いていった。
「よ、よーし……」
上田は身構えて、エニグマスからの質問を待った。
「汝の名は!?」
「上田倫理!」
「汝の職業は!?」
「小学四年生!」
「では……成長した雌のドラゴンの飛行速度は?」
「そのドラゴンは、イースタン種? それともウエスタン種?」
「いや、そこまでは知らな……し、しまった! ぐわーっ!」
エニグマスの身体が崩れていく。
質問に質問を返され、それに答えられなかったため、エニグマス自身が自分の呪いにかかってしまったのだ。
いわゆる『自縄自縛』というやつである。
原子崩壊したかのように、エニグマスの身体はかき消すように消えてしまった。
呆然とその光景を見ていた上田だが、髪をかき上げて呟いた。
「フ……恐ろしい戦いだった」
「どこがですか……」
ドッと疲れた表情でサクラが呟く。
その途端、
呆然とその光景を見ていた上田だが、髪をかき上げて呟いた。
「フ……恐ろしい戦いだった」
「どこがですか……」
ドッと疲れた表情でサクラが呟く。
その途端、
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……
テキストを包んでいた氷が、蒸気と共に消滅した。
「テキストさん!」
「良かった!」
「あれ、私は……?」
自分の身に起こった事が分からず、テキストは目を白黒させる。
同時に、
「テキストさん!」
「良かった!」
「あれ、私は……?」
自分の身に起こった事が分からず、テキストは目を白黒させる。
同時に、
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
周囲を激しい振動が襲った。
「わ、わ! また地震!?」
三人は一か所に集まる。
揺れはますます激しさを増し、さらに目を開けていられないほどの眩しい光が辺りを覆っていく。
三人は思わず目を閉じた。
「わ、わ! また地震!?」
三人は一か所に集まる。
揺れはますます激しさを増し、さらに目を開けていられないほどの眩しい光が辺りを覆っていく。
三人は思わず目を閉じた。
ドシィィィィィィィィィィィン!
気が付くと、三人は元の図書館の未整理書庫にいた。
「いたたたた……」
尻餅をついたサクラが頭に手をやる。
「あれ、私たち……」
ぼやけていた意識がだんだんとはっきりしてくる。
「元の世界に戻って来たの……?」
「そうらしいね。そんじゃ、そろそろどいてもらえるかな?」
またもお尻の下から声がして、サクラは自分の下を見た。
サクラはうつ伏せになった上田の背中の上に落下していたのだった。
「何で、毎回こうなるの……」
サクラの尻に敷かれたまま、上田が呟いた。
「いたたたた……」
尻餅をついたサクラが頭に手をやる。
「あれ、私たち……」
ぼやけていた意識がだんだんとはっきりしてくる。
「元の世界に戻って来たの……?」
「そうらしいね。そんじゃ、そろそろどいてもらえるかな?」
またもお尻の下から声がして、サクラは自分の下を見た。
サクラはうつ伏せになった上田の背中の上に落下していたのだった。
「何で、毎回こうなるの……」
サクラの尻に敷かれたまま、上田が呟いた。
☆
すべてが終わり、上田達三人は元の世界に戻ってきていた。
その後の調べで、『賢者の戦略』は書物の中でゲームオーバーになっても、現実の世界にはじき出されるだけで、命に係わるゲームブックではないことが分かった。
発売中止になったのは、あまりに書物が流行りすぎて社会基盤がマヒしてしまったためらしかった。
書庫から掘り出された『賢者の戦略』は、ブッコフ図書館でも一番人気の書物となり、予約が半年先まで埋まってしまうほどになってしまった。
「……んで、上ちゃん達は、おれ達が町の外で経験値とゴールドを稼いでた時に、ゲームブックの中で遊んでた、と?」
翌日、事情を聴いた石川は呆れたように言った。
「しょうがないでしょ! なんにも知らないで引き込まれちゃったんだから!」
口をとがらせて上田が反論する。
「でも……そんなに面白いゲームブックならちょっとやってみたいかも」
興味深そうに石川が呟くが、岡野がやれやれといった表情をしてみせた。
「じゃ、その本の貸し出しの順番が回ってくるまで、この町に何か月も滞在するかい?」
「いや、それは勘弁……」
苦笑しながら石川が手を振る。
そんな二人を放っておいて、上田は図書館の休憩室に向かった。
そこではサクラが椅子にもたれかかっていた。
上田も椅子に座ると、うーんと大きく伸びをする。
「はぁ……。昨日は長い一日だった」
「そうですねぇ……」
「でも……ちょっと楽しかったよね」
「はい」
サクラがにっこりと笑顔を見せる。
「私、今回の冒険の事、忘れられない思い出になりました」
「それはおれもだよ」
上田の方も笑顔を見せて言った。
二人はしばらくの間、ゲームブックでの冒険の思い出に浸るのであった。
その後の調べで、『賢者の戦略』は書物の中でゲームオーバーになっても、現実の世界にはじき出されるだけで、命に係わるゲームブックではないことが分かった。
発売中止になったのは、あまりに書物が流行りすぎて社会基盤がマヒしてしまったためらしかった。
書庫から掘り出された『賢者の戦略』は、ブッコフ図書館でも一番人気の書物となり、予約が半年先まで埋まってしまうほどになってしまった。
「……んで、上ちゃん達は、おれ達が町の外で経験値とゴールドを稼いでた時に、ゲームブックの中で遊んでた、と?」
翌日、事情を聴いた石川は呆れたように言った。
「しょうがないでしょ! なんにも知らないで引き込まれちゃったんだから!」
口をとがらせて上田が反論する。
「でも……そんなに面白いゲームブックならちょっとやってみたいかも」
興味深そうに石川が呟くが、岡野がやれやれといった表情をしてみせた。
「じゃ、その本の貸し出しの順番が回ってくるまで、この町に何か月も滞在するかい?」
「いや、それは勘弁……」
苦笑しながら石川が手を振る。
そんな二人を放っておいて、上田は図書館の休憩室に向かった。
そこではサクラが椅子にもたれかかっていた。
上田も椅子に座ると、うーんと大きく伸びをする。
「はぁ……。昨日は長い一日だった」
「そうですねぇ……」
「でも……ちょっと楽しかったよね」
「はい」
サクラがにっこりと笑顔を見せる。
「私、今回の冒険の事、忘れられない思い出になりました」
「それはおれもだよ」
上田の方も笑顔を見せて言った。
二人はしばらくの間、ゲームブックでの冒険の思い出に浸るのであった。
~おしまい~
てな訳で、小説版『ファイクエ』外伝の第2弾をお送りしました。
今回の前半に出てくるマインヘッドは、ビジュアルはこんな感じです。
矢印で示した、胴体部のポリゴンの顔みたいな感じですね。涙は流していませんが……。
声に関しては、個人的にケフカさんに「抑揚が無いながらも爽やかかつ毒舌な感じ」で演じて頂きたいイメージです(おい)。
ちなみに『マインヘッド』はマインスイーパーと彼の姿にちなんで付けましたが、同名のイギリスはサマセット州の田舎町とは無関係です(笑)。
といったところで、今日はこの辺で。
どうも。ではでは。
2018.03.26
声と口調で「綺麗なミント」という印象。
サイトを更新しました。
今日は久々に『情報雑誌コーナー』です。
記事の方は『ホビー雑誌コーナー』で行きたいと思います。
タイトルですが、『ミント』ってのは『ギャラクシーエンジェル』のミント・ブラマンシュですね。トワ役の沢城さんのデビュー作で、当時中学生だったそうな。
では、本文スタート!
ハッピー「キュアハッピーだよ! 今日は『S.H.Figuarts キュアスカーレット』を紹介するね!」
ハッピー「キュアスカーレットは、ホープキングダムのプリンセス、紅城トワちゃんが変身する炎のプリンセスだよ。ディストピアに洗脳されてディスダークのプリンセス・トワイライトになっていたけど、贖罪と、お兄さんを助けたいっていう強い思いでプリキュアに覚醒したの」
ハッピー「バストアップ。ティアラのクリスタルはクリアパーツだよ。それから、耳がとがってるのが特徴だね」
ハッピー「背中側。後ろ髪は四つの房に分かれてるの」
ハッピー「髪の毛は関節が仕込まれていて、少しだけど動かすことが出来るんだよ」
ハッピー「付属品はこちら。交換用の表情や手首に、スカーレットバイオリン、変身アイテムのプリンセス・パフュームもついてるよ」
ハッピー「ほかの三人と同じように、『御覚悟、決めなさい!』のポーズも再現できるよ」
ハッピー「プリンセス・パフューム。写真では変身用のスカーレットキーがセットされてるけれど……」
ハッピー「ハナビキーや、他のドレスアップキーを挿すことも出来ちゃうよ」
ハッピー「スカーレットバイオリンは、弓と、演奏用の手首や表情もついてるよ」
ハッピー「スカーレットバイオリンにハナビキーを装着して、弓から巨大な炎を発射するプリキュア・スカーレット・スパークが必殺技だよ」
ハッピー「キュアスカーレットの紹介は、これでおしまい。それじゃ、次回もウルトラハッピーだよ~!」
2018.03.23
誤解とすれ違い、そして後悔。
先日、かなりショッキングな出来事があり、ここ数日、記事の更新やコメントをする気力が萎えていましたが、若干、落ち着いてきたので、事の顛末と私の心情を書いておこうと思います。
これを読んで、私に失望する方もいるでしょうが、私なりの“落とし前”として、ここに私の独り言を記しておきます。
これを読んで、私に失望する方もいるでしょうが、私なりの“落とし前”として、ここに私の独り言を記しておきます。
事の起こりは、先日限定公開記事を投稿した時でした。私はここ数年「一日に一記事は投稿する」という拘りを持っていましたので、ファン登録していない方が見ても違和感が無いように、ダミー用の記事も一緒に投稿しました。
もっと言ってしまえば、私は限定記事を投稿したこと、“それ自体を”第三者に悟られることが嫌でした。そこに“あの方”が、件の記事に「これはダミー記事だ」って分かってしまうコメントをされました。
その後に、彼は「それを言うとまずい」と気が付いて、コメントを消してくれましたが、その後に新しくついたコメントで「限定記事が存在することがバレてしまった」という事と、「今後も“そのコメントで”新しく見た人が『限定記事がある』という事を知ってしまう」事が確定してしまい、私は「こりゃもうダメだ」と思って、その記事を削除しました。
その後に、彼は「それを言うとまずい」と気が付いて、コメントを消してくれましたが、その後に新しくついたコメントで「限定記事が存在することがバレてしまった」という事と、「今後も“そのコメントで”新しく見た人が『限定記事がある』という事を知ってしまう」事が確定してしまい、私は「こりゃもうダメだ」と思って、その記事を削除しました。
後日、彼から謝罪のメッセージが届きました。この時点で、私はそんなに怒ってはいませんでしたが、心情的にもやもやしていたものが残っていたことと、「返事はしっかり考えて行いたい」と思っていたこと、さらに先日の記事にも書いていましたが、仕事が『遅番→早番→遅番→早番(+深夜業務)』で時間が取れなかった事もあって、2、3日考えて返事をしようと思っていました。
そして先日の没画像の供養の記事を投稿した日、その後の深夜業務が終わったら、彼に返事を書こうと思っていました。
ですが、業務を終えてネットをチェックしたところ……彼は自分の一切合切を削除して、姿を消してしまいました。慌てて「怒ってないから、とにかく話をしたい」とメールはしましたが、それもちゃんと届いているかは分かりません。
ですが、業務を終えてネットをチェックしたところ……彼は自分の一切合切を削除して、姿を消してしまいました。慌てて「怒ってないから、とにかく話をしたい」とメールはしましたが、それもちゃんと届いているかは分かりません。
正直、その晩は寝付けないほどショックでした。「後悔先に立たず」とは言ったもので、一体どこで選択肢を間違えたのか、考えても考えても思考は堂々巡りでした。
取り敢えず一言「もう怒ってませんよ」とだけでも返事をしておけば良かったのか? そういった内容の記事を投稿して彼の不安を取り除いていたら良かったのか? 私は一体、どうすれば良かったんでしょうか?
何より私の返事が遅かったせいで、彼をそこまで追い詰めてしまったのかと思うと、居た堪れない気持ちになりました。
一方で、どうしてそんなに結論を急いだのか、私がたったあれだけの事で絶縁状を送り付けるような狭量な人間だと思われたのか、私と彼はそんな薄っぺらい関係だったと思われていたのかと思うと、悲しくなるやら情けなくなるやらです。
非常に残念でなりません。無念でなりません。
非常に残念でなりません。無念でなりません。
彼もメッセージで、「そんな簡単に崩れる関係じゃないって思ってます」と、「このメッセージに返信はしなくても大丈夫」とおっしゃっていたのに。私もコメントは無理だったにしても、せめてと思って彼の記事に『ナイス』は押していたのに……。
頭の悪い私にはわかりません。最初に悪かったのは、一番悪かったのは誰だったのか。
頭の悪い私にはわかりません。最初に悪かったのは、一番悪かったのは誰だったのか。
何故、私と彼とでここまですれ違ってしまったのでしょうか? 原因はなんだったんでしょうか? 年齢の差だったんですか? 世代だったんですか? それとも、ネットにおける対人関係の捉え方だったのでしょうか?
もし、相手のちゃんとした返事を待たずして姿を消すことが最善の解決策だと言うのなら、仮にそれが世間一般から見て最も相応しい正論だと言うのなら、そんな最善策はクソくらえで御座います。私の考え方の方が変だ、少数派だと言われようと、全くもってクソくらえで御座います。
だって、それじゃあ余りにも気持ちが“一方通行”じゃあないですか。
実際、今も頭の中はグチャグチャしているというのが正直なところです。努めて普段通りの生活習慣を送ろうとしていますが、やっぱり駄目で。自分でもわかるくらいに動揺してて、正直ツライ。
ここ数日は、「オレってイヤな奴かなぁ?」「オレって酷い奴かなぁ?」「オレって人の気持ちが分からない奴なのかなぁ?」って、結構真剣に悩んだりして。
ここ数日は、「オレってイヤな奴かなぁ?」「オレって酷い奴かなぁ?」「オレって人の気持ちが分からない奴なのかなぁ?」って、結構真剣に悩んだりして。
ネットをやってて、ここまでダメージがあったのは過去二回です。
一つは学生時代、某ヒカリアンの掲示板で私と別の方で盛り上がっていたところ、第三者の日記(それこそ当時はブログは最新鋭のシステムで、まだそれほど普及してませんでした)で、ボロクソに叩かれていたのを見つけた時。
一つは学生時代、某ヒカリアンの掲示板で私と別の方で盛り上がっていたところ、第三者の日記(それこそ当時はブログは最新鋭のシステムで、まだそれほど普及してませんでした)で、ボロクソに叩かれていたのを見つけた時。
もう一つは、十年近く前、大学時代から付き合いのあったネット上の友人に、尽くしすぎてドン引きされ、半ば関係を断たれた時です。
今、彼がここを見ている可能性は低いですし、もしかしから、もうここには来たくない、私のツラなんぞ見たくないと思っている可能性が高いでしょう。
でも、私は、今でも彼の事は大事な友達だと思っていますし、出来る事なら以前のように、また仲良くしたいと考えています。ムシのいい話ですが、終わってしまった過去は変えられなくても、“もう一度始める”事は出来るのではないでしょうか。
そして、私は彼に謝りたいとも思っています。「私の行動で不安にさせて、貴方をそこまで追い込んでしまってすみませんでした」と。
2、3年前の話になりますが、職場でとある同僚と酷いケンカになった事がありまして。その時、私が本気で身の危険を感じるレベルで先方がキレました。でも、ちゃんと仲直りする事は出来たんです。
人間関係と言うのは、そうやってやり直していけるものではないかと、私は思っています。
人間関係と言うのは、そうやってやり直していけるものではないかと、私は思っています。
取り敢えずまだ完全に気持ちの整理がついたわけではないのですが、ある程度落ち着いたら、通常記事もぼちぼち再開していきたいとは考えています。
何より彼とのコラボネタも用意していましたし……。
何より彼とのコラボネタも用意していましたし……。
私のやたらと長いうえに支離滅裂な独白をここまで読んで下さって有難う御座いました。
それでは。
2018.03.17
ファイクエ外伝『恐怖のゲームブック?』-2
ちょっと予定が狂いましたが、今日は小説版『ファイクエ』外伝第2弾のその2を投稿したいと思います。
とにかく、本文スタート!
「おー、いてて……」
サクラの平手打ちを食らって、真っ赤な手形のついた右の頬をさすりながら上田が歩く。
後ろには済まなさそうな表情のサクラがトボトボと歩いていた。
あれから十分ほどして、ようやく上田が目を覚ましたため、一同は次のステージに向かって出発したのだ。
「ご、ごめんなさい、上田さん。事故だったのに……」
「いいよ、気にしてないって。おれも悪かったんだし……」
振り返りつつ、上田が力のない笑い顔を向ける。
テキストはやれやれといった感じで苦笑を浮かべていた。
と、またもや周囲の景色が変わる。
さすがに三度目ともなると、一同もそろそろ慣れてきたようであった。
三人が気が付くと、そこは異様に巨大な鳥の巣だった。
目の前には青空が広がっており、地面は巣のはるか下にある。
標高数百メートルどころではない。数千メートルはあった。落ちたら間違いなく、一巻の終わりだ。
「ようこそようこそ、オイラの巣へ!」
「!」
一同が見上げると、彼らの背後に、巨大な怪鳥が出現していた。
全高三シャグル(約十メートル)はあり、首が三つ生えている。
それらの首にはそれぞれ、違った形のとさかが生えていた。
「オイラはこの『怪鳥ギトギトラの巣』の番人、ギトギトラだ!」
「ギトギトラ……?」
「うーわ、脂っぽいネーミング……」
思わず上田は汗ジト。
構わず、ギトギトラは続ける。
「ここでは、オイラの出すなぞなぞに答えてもらうぞ! チャンスは三回。その中で、一問でも正解出来たらクリアだ!」
「なぞなぞ?」
「ただし、なぞなぞに挑戦する前に、ある事をやってもらう! あれを見ろ!」
一同が巣の外を見ると、子犬ほどもある大きさの蝶が飛んでいる。
「オイラの雛達がお腹をすかせていてな。なぞなぞに一問に挑戦する前に、あそこに飛んでる虫を五匹捕まえてくるんだ!」
「ちなみに、もし捕まえられなかったり、なぞなぞに三回とも答えられなかった場合は?」
「その時は、お前達がオイラの雛達のエサになるんだ!」
ギトギトラがニヤリと笑う。
対照的に、上田達は身震いした。
「よ~し、じゃあ、やってやろうじゃないの」
意を決したように、上田が巣のふちに立つ。その手にはいつの間にか魚捕りに使うような大きな虫取り網が握られていた。
「って、どうするんですか、上田さん? 危ないですよ」
サクラが心配そうに言うが、上田は余裕の笑みを浮かべて、ひらひらと手を振る。
「大丈夫、見てて」
上田は目を閉じると、精神を集中させて静かに呪文を唱えた。
サクラの平手打ちを食らって、真っ赤な手形のついた右の頬をさすりながら上田が歩く。
後ろには済まなさそうな表情のサクラがトボトボと歩いていた。
あれから十分ほどして、ようやく上田が目を覚ましたため、一同は次のステージに向かって出発したのだ。
「ご、ごめんなさい、上田さん。事故だったのに……」
「いいよ、気にしてないって。おれも悪かったんだし……」
振り返りつつ、上田が力のない笑い顔を向ける。
テキストはやれやれといった感じで苦笑を浮かべていた。
と、またもや周囲の景色が変わる。
さすがに三度目ともなると、一同もそろそろ慣れてきたようであった。
三人が気が付くと、そこは異様に巨大な鳥の巣だった。
目の前には青空が広がっており、地面は巣のはるか下にある。
標高数百メートルどころではない。数千メートルはあった。落ちたら間違いなく、一巻の終わりだ。
「ようこそようこそ、オイラの巣へ!」
「!」
一同が見上げると、彼らの背後に、巨大な怪鳥が出現していた。
全高三シャグル(約十メートル)はあり、首が三つ生えている。
それらの首にはそれぞれ、違った形のとさかが生えていた。
「オイラはこの『怪鳥ギトギトラの巣』の番人、ギトギトラだ!」
「ギトギトラ……?」
「うーわ、脂っぽいネーミング……」
思わず上田は汗ジト。
構わず、ギトギトラは続ける。
「ここでは、オイラの出すなぞなぞに答えてもらうぞ! チャンスは三回。その中で、一問でも正解出来たらクリアだ!」
「なぞなぞ?」
「ただし、なぞなぞに挑戦する前に、ある事をやってもらう! あれを見ろ!」
一同が巣の外を見ると、子犬ほどもある大きさの蝶が飛んでいる。
「オイラの雛達がお腹をすかせていてな。なぞなぞに一問に挑戦する前に、あそこに飛んでる虫を五匹捕まえてくるんだ!」
「ちなみに、もし捕まえられなかったり、なぞなぞに三回とも答えられなかった場合は?」
「その時は、お前達がオイラの雛達のエサになるんだ!」
ギトギトラがニヤリと笑う。
対照的に、上田達は身震いした。
「よ~し、じゃあ、やってやろうじゃないの」
意を決したように、上田が巣のふちに立つ。その手にはいつの間にか魚捕りに使うような大きな虫取り網が握られていた。
「って、どうするんですか、上田さん? 危ないですよ」
サクラが心配そうに言うが、上田は余裕の笑みを浮かべて、ひらひらと手を振る。
「大丈夫、見てて」
上田は目を閉じると、精神を集中させて静かに呪文を唱えた。
ソル・モー・ベール・ズ!
(羽よりも軽くならん)
(羽よりも軽くならん)
「飛翔呪文・フライヤー!」
その途端、上田の身体がフワリと宙に浮かびあがった。
「飛翔呪文……なるほど、それなら空中を自在に飛んで、虫を捕まえられますね」
感心したようにテキストが言った。
「よし、行くよ!」
叫ぶが早いか、上田は空中に飛び出した。
虫取り網を手に、上田は飛んでいる巨大蝶を捕まえていく。
「なんだ、思ったより簡単じゃん」
その時だ。
その途端、上田の身体がフワリと宙に浮かびあがった。
「飛翔呪文……なるほど、それなら空中を自在に飛んで、虫を捕まえられますね」
感心したようにテキストが言った。
「よし、行くよ!」
叫ぶが早いか、上田は空中に飛び出した。
虫取り網を手に、上田は飛んでいる巨大蝶を捕まえていく。
「なんだ、思ったより簡単じゃん」
その時だ。
ブ~ン……ブ~ン……ブ~ン……
「ん?」
やたらと大きな羽音が聞こえて、上田がそちらの方を向く。
「げっ!」
直後、上田の眼が驚愕のために見開かれた。
なんと背後に、赤ん坊ほどもあるような巨大な蜂が出現していたのだ。
針もちょっとした細身剣の刃ほどはある。
刺されれば、間違いなくあの世行きであろう。
「ああ、そう言えばその辺には巨大なクジラバチも飛んでるから気をつけろよ」
あっけらかんとギトギトラが言う。
「じょ、冗談じゃねえ! こんなのに刺されたら間違いなくお陀仏じゃねえか!」
慌てて上田は逃げ出すが、クジラバチは容赦なくその後を追いかける。
「くーっ!」
やたらと大きな羽音が聞こえて、上田がそちらの方を向く。
「げっ!」
直後、上田の眼が驚愕のために見開かれた。
なんと背後に、赤ん坊ほどもあるような巨大な蜂が出現していたのだ。
針もちょっとした細身剣の刃ほどはある。
刺されれば、間違いなくあの世行きであろう。
「ああ、そう言えばその辺には巨大なクジラバチも飛んでるから気をつけろよ」
あっけらかんとギトギトラが言う。
「じょ、冗談じゃねえ! こんなのに刺されたら間違いなくお陀仏じゃねえか!」
慌てて上田は逃げ出すが、クジラバチは容赦なくその後を追いかける。
「くーっ!」
ブ~ン!
「るーっ!」
ブ~ン!
「な~~~っ!」
ブ~ン!
「上田さん!」
巣の中から、サクラとテキストが叫ぶ。
上田は飛翔呪文にまだ慣れていないのか、クジラバチの方がスピードは上で、このままでは追いつかれてしまうのは明白だった。
「こここ、こうなったら……」
上田は方向転換してクジラバチと向き合うと、急いで呪文を唱える。
巣の中から、サクラとテキストが叫ぶ。
上田は飛翔呪文にまだ慣れていないのか、クジラバチの方がスピードは上で、このままでは追いつかれてしまうのは明白だった。
「こここ、こうなったら……」
上田は方向転換してクジラバチと向き合うと、急いで呪文を唱える。
ヴェルク・シー・レイ・ザー!
(風の神よ、吹き飛ばせ)
(風の神よ、吹き飛ばせ)
「真空呪文・ツイスター!」
ヒュバァァァァァァァァァァァァッ!
上田の掌から竜巻が舞い、クジラバチの動きを止める。
「もいっちょ!」
「もいっちょ!」
ゼー・ライ・ヴァー・ソウ!
(閃光よ、走れ!)
(閃光よ、走れ!)
「閃光呪文・バーン!」
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!
今度は上田の掌から帯状の炎が噴き出し、クジラバチは丸焼きになって落下していった。
「ふー、危なかった……。よし、じゃあ今のうちに!」
上田は額の汗をぬぐうと、急いで蝶を捕まえる。
あっという間に五匹捕まえることに成功した。
「よーし、巣に戻りやがれ~い!」
ギトギトラに促され、上田が巣に戻ってくる。
「上田さん、大丈夫ですか?」
どこに持っていたのか、サクラがオレンジジュースを取り出して、上田に渡す。
「あはは、まぁ、何とかね……。ありがと」
上田はその場に座り込むと、魔力回復もかねて、オレンジジュースを飲みほした。
「よ~し、じゃあ、なぞなぞだ!」
ギトギトラの声が響き、一同はそちらの方を向いた。
「それでは、私が挑戦します」
テキストが前に進み出る。
「問題!『食べると投げられなくなる野菜はな~んだ』!? 制限時間は二十秒、答えられるのは一回だ!」
「食べると……投げられなくなる野菜……?」
テキストは腕組みをして考え込む。
「なんでしょう……ナス、トマト、カボチャ……? キャベツ……『“きゃあ、別”のにしてー』なんちゃって……。違いますよねぇ……」
考えている間にも、時間は流れていく。
そして……。
「ふー、危なかった……。よし、じゃあ今のうちに!」
上田は額の汗をぬぐうと、急いで蝶を捕まえる。
あっという間に五匹捕まえることに成功した。
「よーし、巣に戻りやがれ~い!」
ギトギトラに促され、上田が巣に戻ってくる。
「上田さん、大丈夫ですか?」
どこに持っていたのか、サクラがオレンジジュースを取り出して、上田に渡す。
「あはは、まぁ、何とかね……。ありがと」
上田はその場に座り込むと、魔力回復もかねて、オレンジジュースを飲みほした。
「よ~し、じゃあ、なぞなぞだ!」
ギトギトラの声が響き、一同はそちらの方を向いた。
「それでは、私が挑戦します」
テキストが前に進み出る。
「問題!『食べると投げられなくなる野菜はな~んだ』!? 制限時間は二十秒、答えられるのは一回だ!」
「食べると……投げられなくなる野菜……?」
テキストは腕組みをして考え込む。
「なんでしょう……ナス、トマト、カボチャ……? キャベツ……『“きゃあ、別”のにしてー』なんちゃって……。違いますよねぇ……」
考えている間にも、時間は流れていく。
そして……。
ブーッ!
「はい、時間切れー! 答えは『ホウレンソウ』だ!『放れんソウ』ってな!」
「ああ、なるほど……」
「よし、じゃあ次だ! 虫を捕まえてきやがれ~い!」
「じゃあ、今度こそ……」
再び上田が空中に飛び出す。
だいぶ慣れてきたのか、今度はクジラバチの妨害も退けて、再度蝶を五匹捕まえてきた。
「今度はおれが答えるよ」
上田が前に出て言った。
「よ~し、問題だ!『三回勝った動物ってな~んだ』!?」
「三回勝った動物……?『勝どき』でトキ……カチカチ山……ウサギ……違うなぁ……」
先ほどのテキストと同じく、上田も「う~ん」と考え込んだ。
そうこうしている内に、
「ああ、なるほど……」
「よし、じゃあ次だ! 虫を捕まえてきやがれ~い!」
「じゃあ、今度こそ……」
再び上田が空中に飛び出す。
だいぶ慣れてきたのか、今度はクジラバチの妨害も退けて、再度蝶を五匹捕まえてきた。
「今度はおれが答えるよ」
上田が前に出て言った。
「よ~し、問題だ!『三回勝った動物ってな~んだ』!?」
「三回勝った動物……?『勝どき』でトキ……カチカチ山……ウサギ……違うなぁ……」
先ほどのテキストと同じく、上田も「う~ん」と考え込んだ。
そうこうしている内に、
ブーッ!
上田も時間切れになってしまった。
「時間切れー! 答えは『サンショウウオ』だ!『三勝ウオ』ってな!」
「面目ない……」
上田はガックリと肩を落とす。
「さあ、ラストチャンスだ! 次に正解できなかったら……」
後ろを振り向いて、ギトギトラが笑みを浮かべる。
そこには大人よりも巨大な雛が、真っ赤な口をパクパクさせてエサをねだっていた。
これが普通のサイズなら可愛いものだが、人間でも丸呑みに出来そうなサイズなのだから恐ろしい。
三人はゴクリとつばを飲み込む。
「よ、よし、行くよ」
再び上田は空中に飛び出すと、蝶を五匹捕まえてくる。
だが、問題はこの後だ。
「サクラちゃん、頑張って!」
「は、はい……」
「問題!『病気になりやすい曜日は何曜日だ』!?」
「『病気になりやすい曜日』……ですか?」
サクラもこれまたうーんと考え込んだ顔つきになる。
傍で問題を聞いていた上田も、回答権は無いものの考えていた。
(曜日か……だったら答えは限られるよな。月曜日、火曜日……あ、そっか。この世界には日曜や月曜は無いんだっけ。ん、そしたら答えってもしかして……)
どうやら上田は正解に気づいたようだった。
だが、今の彼には回答権は無い。
(しまったなぁ。今、おれが答えられたら……。サクラちゃん、気が付いて!)
上田の心の叫びが届いたのか?
サクラがパッと明るい顔になって叫ぶ。
「わかりました! 風曜日です!」
「時間切れー! 答えは『サンショウウオ』だ!『三勝ウオ』ってな!」
「面目ない……」
上田はガックリと肩を落とす。
「さあ、ラストチャンスだ! 次に正解できなかったら……」
後ろを振り向いて、ギトギトラが笑みを浮かべる。
そこには大人よりも巨大な雛が、真っ赤な口をパクパクさせてエサをねだっていた。
これが普通のサイズなら可愛いものだが、人間でも丸呑みに出来そうなサイズなのだから恐ろしい。
三人はゴクリとつばを飲み込む。
「よ、よし、行くよ」
再び上田は空中に飛び出すと、蝶を五匹捕まえてくる。
だが、問題はこの後だ。
「サクラちゃん、頑張って!」
「は、はい……」
「問題!『病気になりやすい曜日は何曜日だ』!?」
「『病気になりやすい曜日』……ですか?」
サクラもこれまたうーんと考え込んだ顔つきになる。
傍で問題を聞いていた上田も、回答権は無いものの考えていた。
(曜日か……だったら答えは限られるよな。月曜日、火曜日……あ、そっか。この世界には日曜や月曜は無いんだっけ。ん、そしたら答えってもしかして……)
どうやら上田は正解に気づいたようだった。
だが、今の彼には回答権は無い。
(しまったなぁ。今、おれが答えられたら……。サクラちゃん、気が付いて!)
上田の心の叫びが届いたのか?
サクラがパッと明るい顔になって叫ぶ。
「わかりました! 風曜日です!」
ピンポンピンポーン!
「正解! 答えは風曜日だ。『風邪曜日』ってな! よくぞ正解したな。先に進みやがれ~い!」
ギトギトラの声を合図にしたように、周囲の空間は再び元の石造りの廊下へと姿を変える。
「ふ~……。何とか正解出来ましたね」
大きくホッとしたように、サクラがタメ息をついた。
「いやぁ、お手柄ですよサクラさん」
「ほんとほんと。もうちょっとでおれ達、あの化物鳥のエサになっちゃうところだったもんね」
「えへへ……」
二人から褒められて、サクラは照れたようにはにかんだ。
ギトギトラの声を合図にしたように、周囲の空間は再び元の石造りの廊下へと姿を変える。
「ふ~……。何とか正解出来ましたね」
大きくホッとしたように、サクラがタメ息をついた。
「いやぁ、お手柄ですよサクラさん」
「ほんとほんと。もうちょっとでおれ達、あの化物鳥のエサになっちゃうところだったもんね」
「えへへ……」
二人から褒められて、サクラは照れたようにはにかんだ。
☆
それからまた五分ほど進むと、再び廊下が姿を変える。
次に現れたのは、石造りの城だった。
「お城……ですね」
周囲を見渡して、サクラが言った。
壁にはピカソのような抽象画が、数多くかかっている。
「さて、今回の番人は……?」
「オッホッホッホ! ようこそいらっしゃいザンス!」
まるで上田の声を待っていたかのように、甲高い声が響いた。
現れたのは、頭部の左右に顔が付いた怪人だった。
右側の顔は赤く、左側の顔は青い。
さらにそれぞれの顔、そして体全体を見てみても、これまた抽象画のようだった。
「ワタクシの名前はTHE・アルカナイカ! ここではあるなしクイズに挑戦してもらうザンスよ!」
「あるなしクイズ……?」
頭上に疑問符を浮かべるサクラに、上田が解説する。
「あるなしクイズってのは、同じような言葉を二つずつ『ある』と『ない』のグループに分けていって、さらに『ある』のグループにある共通点を見つけるクイズだよ」
「へぇ~、そうなんですか……」
ちなみに上田は、ちょうどこの世界に来る前にそういうクイズ番組を見ていたらしい。
「オッホッホ、分かっているのがいるようザンスね! それじゃあ、さっそく問題ザンス。ヒントは四つまで、それでも答えられなかったらゲームオーバーザンスよ!」
「よ~し……」
「では一つ目のヒント!『お茶碗』にはあって、『お箸』には無いザンス!」
「『お茶碗』にはあって、『お箸』には無い……」
「次!『通行止め』にはあって、『進入禁止』には無いザンス!」
……どうやらこの世界にも交通法規というものはあるらしい。
まぁ、馬車は走ってるからねぇ。
「三つ目のヒント!『飲み薬』にはあって、『注射』には無いザンス!」
「『飲み薬』にはあって……」
「『注射』には無い……」
三人は顔を見合わせる。
「そして最後のヒント!『フォーク』にはあって、『ナイフ』には無いザンス!」
上田は地面にあぐらをかくと、腕組みをして考え込んだ。
「えーっと、『ある』のグループは『お茶碗』、『通行止め』、『飲み薬』、『フォーク』……」
「そして、『無い』のグループは『お箸』、『進入禁止』、『注射』、『ナイフ』……」
サクラが続ける。
三人が考え込む様子を、アルカナイカは楽しそうに見つめている。
「わかるザンスか? もし分からなかったら、アンタ達もワタクシのコレクションになってもらうザンスよ」
アルカナイカが部屋を指し示すように腕を広げた。
抽象画の中には、明らかに人物を描いたであろう物がいくつもある。
という事は……。
「ここで答えられなかったら、私たちも絵の中に閉じ込められるって事ですか……」
テキストの額を汗が流れ落ちる。
そうしている間にも、上田は唸りながら頭をひねっていた。
「う~ん、う~ん……。あっ、分かった! 答えは数字だ!」
「数字?」
頭上で電球が閃いた上田と対照的に、サクラの方はハテナ顔。
「そう。『お茶“ワン”』、『“ツー”行止め』、『飲みぐ“スリー”』、『“フォー”ク』って具合に、『ある』のグループには、全部数が含まれてるんだよ!」
次に現れたのは、石造りの城だった。
「お城……ですね」
周囲を見渡して、サクラが言った。
壁にはピカソのような抽象画が、数多くかかっている。
「さて、今回の番人は……?」
「オッホッホッホ! ようこそいらっしゃいザンス!」
まるで上田の声を待っていたかのように、甲高い声が響いた。
現れたのは、頭部の左右に顔が付いた怪人だった。
右側の顔は赤く、左側の顔は青い。
さらにそれぞれの顔、そして体全体を見てみても、これまた抽象画のようだった。
「ワタクシの名前はTHE・アルカナイカ! ここではあるなしクイズに挑戦してもらうザンスよ!」
「あるなしクイズ……?」
頭上に疑問符を浮かべるサクラに、上田が解説する。
「あるなしクイズってのは、同じような言葉を二つずつ『ある』と『ない』のグループに分けていって、さらに『ある』のグループにある共通点を見つけるクイズだよ」
「へぇ~、そうなんですか……」
ちなみに上田は、ちょうどこの世界に来る前にそういうクイズ番組を見ていたらしい。
「オッホッホ、分かっているのがいるようザンスね! それじゃあ、さっそく問題ザンス。ヒントは四つまで、それでも答えられなかったらゲームオーバーザンスよ!」
「よ~し……」
「では一つ目のヒント!『お茶碗』にはあって、『お箸』には無いザンス!」
「『お茶碗』にはあって、『お箸』には無い……」
「次!『通行止め』にはあって、『進入禁止』には無いザンス!」
……どうやらこの世界にも交通法規というものはあるらしい。
まぁ、馬車は走ってるからねぇ。
「三つ目のヒント!『飲み薬』にはあって、『注射』には無いザンス!」
「『飲み薬』にはあって……」
「『注射』には無い……」
三人は顔を見合わせる。
「そして最後のヒント!『フォーク』にはあって、『ナイフ』には無いザンス!」
上田は地面にあぐらをかくと、腕組みをして考え込んだ。
「えーっと、『ある』のグループは『お茶碗』、『通行止め』、『飲み薬』、『フォーク』……」
「そして、『無い』のグループは『お箸』、『進入禁止』、『注射』、『ナイフ』……」
サクラが続ける。
三人が考え込む様子を、アルカナイカは楽しそうに見つめている。
「わかるザンスか? もし分からなかったら、アンタ達もワタクシのコレクションになってもらうザンスよ」
アルカナイカが部屋を指し示すように腕を広げた。
抽象画の中には、明らかに人物を描いたであろう物がいくつもある。
という事は……。
「ここで答えられなかったら、私たちも絵の中に閉じ込められるって事ですか……」
テキストの額を汗が流れ落ちる。
そうしている間にも、上田は唸りながら頭をひねっていた。
「う~ん、う~ん……。あっ、分かった! 答えは数字だ!」
「数字?」
頭上で電球が閃いた上田と対照的に、サクラの方はハテナ顔。
「そう。『お茶“ワン”』、『“ツー”行止め』、『飲みぐ“スリー”』、『“フォー”ク』って具合に、『ある』のグループには、全部数が含まれてるんだよ!」
ピンポンピンポーン!
上田の解説に反応したかのように、どこからか正解のブザーが鳴った。
「キーッ、正解ザンス! 先に進むがいいザンスよ!」
ハンカチをかみしめながら、悔しそうにアルカナイカが叫ぶ。
同時に、空間もいつものように石畳の廊下へと戻っていった。
「これで、残る関門はあと二つですね……」
最初に表示されたマップを思い出しながら、テキストが呟いた。
「キーッ、正解ザンス! 先に進むがいいザンスよ!」
ハンカチをかみしめながら、悔しそうにアルカナイカが叫ぶ。
同時に、空間もいつものように石畳の廊下へと戻っていった。
「これで、残る関門はあと二つですね……」
最初に表示されたマップを思い出しながら、テキストが呟いた。
~つづく~
2018.03.16
豚+塩+ラーメン……?
ヤフブロβ版のテスト期間延長ねぇ。
そりゃまぁ、当然でしょうね。今のままじゃ穴だらけもいいトコロだし。むしろこのままで変更しなくていいと思ってるのは決して私だけではないハズ。
サイトを更新しました。
今日は『文庫本コーナー』に、小説版『ファイクエ』の第6話を掲載しています。
さて、今日は仕事が早番だったので、終わった後、上司と一緒に近場のラーメン屋に行ってきました。
今日、私が頼んだのは『塩とんこつラーメン』。
ぶっちゃけ、普通の豚骨とどう違うのかイマイチよくわからなかったです(爆)。
麺はもちろん、一番硬いやつです。
豚骨なので細麺ですね。おろしにんにくと辛子高菜は投入済みです(笑)。
それから半チャーハンも頼みました。
『半』とは言っても、結構なボリュームです。
さてさて、昨日から勤番が『遅番→早番(今日)→遅番→早番』と、ちょっとしんどいシフトなので、短いですが、今日はこれくらいにしておこうと思います。(^ ^;)
といったところで、今日はこの辺で。
どうも。ではでは。
2018.03.14
ボトルとカプセル。それから……。
今日は休みでしたが、給料日前日で金欠だったので、中津で過ごしました(苦笑)。
お昼はゆめタウンのロッテリアで。
いつものセットですが……。
毎度おなじみのオープン(笑)。
その後は部屋で『ファイクエ』の外伝をちょこちょこ書いたり、ブックオフに行ってきたりしました。
夕食は『かつや』の期間限定メニュー。
今日は『ふわたまレッドチキンカツ丼』と、ポテトコロッケです。
名前の通り、辛い系のメニューになります。
さて、昨日ヤマダ電機に行ったら、初期シーズンのフルボトルが安売りされていたのでいくつか買ってきました。
あと、食玩のドラゴンフルボトルもラストワンだったので一緒に。
友情&メダルセットも買ったので、計らずとも、フォーゼフォームとオーズフォームも作れるようになりました。
それと、ブックオフではウルトラカプセルの『ダークザギ』と『イーヴィルティガ』を見つけたので購入。
ジードライザー、どうするかなぁ……。
といったところで、今日はこの辺で。
どうも。ではでは。
2018.03.13
ファイクエ世界の文字/かぷちぃのさんがルーチェデザインしてくれました!
この間イラストを描いている時にふと思いついて、『ファイクエ』世界の文字を設定しました。
記号っぽくしつつも、元の文字が何となくわかるようにデザインしてみましたが、いかがでしょうか?(^ ^;)
数字はこんな感じ。
上の設定にも書いてますが、基本はローマ字表記になります。
それから、いつもお世話になっているかぷちぃのさんが、なんと前回登場したルーチェをデザインして下さいました!
具体的なデザインはまだしていなかったのですが、ぼんやりとイメージしていた通りに描いて下さったので、そのまま正式デザインにさせて頂きました(貴様ァ…)。
ちなみに彼女の名前なんですが、『ルーチェ』はイタリア語で『光』、『ルーチェ・ソラーレ』で『日光』という意味になります。
チェーロタウンをはじめ、町の人間の名前は空に関係するもののイタリア語表記で統一しようとしたので(『晴れ=セレーノ』『風=ヴェント』など)。
この度は、本当に可愛らしくデザインして下さって有難う御座います!m(_ _)m
といったところで、今日はこの辺で。
どうも。ではでは。
2018.03.12
ここまでのおさらいとGPフルボトル
リニューアル版のヤフブロ、記事の画像最大投稿数が30枚に削減だ? マジかよ……。
どんどん劣化していくじゃねえか……。
さて、昨日、小説版『ファイクエ』が第6話まで完結したところで、これまでの道筋をおさらいしていきたいと思います。
この後、正式な世界地図も描く予定ではありますが……。
なお、資料は大元である小3当時(23年前)の自由帳から引用しています。
まず最初のステージ。
スタート地点が『ハテナ町』なのは変わっていません。
この頃には『キノコノ村』のほか、『さんかく村』や『HPの村』、名前の無い村などもありましたが、これらはリメイク版を作った時点でなくなっています。
当時、内部マップを描いていたのはハテナ町、HPの村、おにぎり山と、1面のボスステージだけでした。
おにぎり山で待ち受けているのはストーンコッカーの原型になった中ボスです。
続いて2面。
中ほどにある島はムジン島ですね。
下にある人面のような城が、アングラモンの神殿の原型になっています。
ムジン島。
当時は回復薬が一つ埋まっているだけの単純なマップでした。
キャンプ場の設定が出来たのは、プレステの『RPGツクール3』でリメイク版を作った時です。
そして3面が、第6話で舞台になった天上世界です。
どうやって2面から3面のマップに移動したかは定かではありませんが、豆の木の原型はあったみたいですね。
ブッコフタウンや豆の木を登るシーンも、ムジン島のキャンプ場と同様、ツクール3のリメイク版で設定しました。
もっとも当時は「図書館で豆の木の情報を得る」というだけのシンプルな町で、サクラや三魔爪との対決も何も無かったですが。
チェーロタウンの原型になった『空町』。当時は『雲村』の内部マップも描いていましたが、煩雑になりそうなので、小説版ではチェーロタウンで統一しました。
道具屋のアイテムに『杜仲茶(とちゅうちゃ)』などがある辺り、時代を感じます(当時よくCMをやってた)。
実はエセヌの原型になったキャラは、当時は8面のボスでした(ガダメよりも後)。
当時の敵画面。
基本的に、他作品の敵キャラをナイトタイプにしているものばかりでした。
『ナイトキュベレイ』が、現在のストーンコッカーのポジションです。ストーンコッカーが敬語口調なのも、この時の設定を引き継いでいます。
ガダメとクレイは、原型はこんな感じでした。
確か高校の頃にリデザインしたのがこちら(中学だったか高校になる頃まで、『I』の原典の自由帳が行方不明だった)。
下のコメントでさすりゅ~さんがおっしゃっているように、エセヌ(ナイトマグネット)は磁石神父をモデルにしていました。
上には『火男』や『イカイカ男』、『暴れ馬』といったザコキャラのリデザインも載ってますね。
んで、前回のラストシーンの原型はコチラ。
マンガで「敵の拠点が爆発し、空中に投げ出される」という展開でした。
当時はもう一人、クラスメートが参加していたので、パーティーメンバーは四人です。
脱退問題の影響か、マンガを消して雲村の内部マップに書き換えていますが……。
と言う訳で、次のステージは……。
さて、それではお話変わって。(cv.納谷五郎)
今日はゆめタウンでGPフルボトルを回してきました。
お目当ては、スタッグとキャッスルだったんですが……。
一つ目に出てきたのはウォッチでした。
二個目はギアリモコンのメッキver.でした。ファンキィィィィィィィィィッ!
これはギアエンジンとギアリモコンは、今のところネビュラスチームガンを買わないと手に入らないので、これはまぁ良かったかな……。
ちなみに予想通りでしたが、トランスチームガンにセットした際の音声は「フルボトル!」でした。
……どこがフルボトルや!(笑)
結局、6回やって半分はウォッチとタートルでした。ドウイウコトナノ・・・
んで、撮影してて気づいたんですが、後で天神の『トイコレクター』に並ぶのを待っておけばよかったなと。
あちら、食玩もフルボトルやらガシャットやら、ウルトラカプセルやらも開封したのが売ってますし……(馬鹿)。
さて、それでは毎度恒例、食玩版との比較でバラしてみました。
ちなみに魔法使いフルボトルを使ってるのは、今度DX版が出るからなのですが、撮影してる時にネタが浮かびました。
GP版はボトルキャップが後ハメ方式なので、そのあたりの造形が違っています。
という訳で……。
魔法使い! ウォッチ! ベストマッチ!
Are you Ready!?
時をかける炎! 暁美ほむら!
イェ――イ!
ほむら「私は繰り返す。(目当てのフルボトルが手に入るまで)何度でも……」
くれは「暁美さん……(汗)」
といったところで、今日はこの辺で。
どうも。ではでは。
2018.03.11
ファイクエ第6話『天上で大暴れ!』-4
という訳で、小説版『ファイクエ』第6話の完結編をお送りします。
ともあれ、本文スタート!
翌日、三人はチェーロタウンで装備や道具をそろえると、東の城に向かって出発した。
「気を付けて。また遊びに来てねー!」
そんな三人を、ルーチェは町の入り口から、彼らの姿が見えなくなるまで手を振って見送っていた。
「気を付けて。また遊びに来てねー!」
そんな三人を、ルーチェは町の入り口から、彼らの姿が見えなくなるまで手を振って見送っていた。
東の城とは言っても、この天上世界は思ったよりも狭い。
雲で出来ている大地も、ちょうど日本の淡路島くらいの面積しか無かった。
そんなわけで、三人は二日もすると、もう城に到着していた。
「う~ん。やっぱり、雲の上の建物って言ったらこんな感じだよね……」
そびえ立つ城を見上げながら、上田がのんきな感想を口にする。
「油断すんなよ。いつものパターンからすりゃ、この中もモンスターがわんさかいるに決まってんだから」
果たして、岡野の言葉通り、三人は城に入るなり、モンスターたちから熱烈な歓迎を受けた。
鋭いくちばしで、好物である人間の心臓を抉り出そうとしてくる怪鳥、いのち鳥。アイス系の呪文を唱えてくるクラウド系のモンスター、アイスクラウドに、フレア系の呪文を唱えてくるフレイムクラウド。次々に呪文を唱えてくる仮面、デーモンマスク。
「え~い、邪魔だ邪魔だぁっ!」
十分に準備を整えてきた三人は、チームワークでもってモンスターたちを迎え撃った。
石川の剣が閃き、上田の呪文が舞い、岡野の拳が道を切り開く。
これは敵わないと見たか、モンスターたちは縮こまって一斉に退散した。
「なーんだ、あっけねえの」
拍子抜けしたように、岡野がパンパンと手をはたく。
「みんな、ほら」
石川が前方を指さすと、上階へと続く階段が見えた。
「行こう!」
「OK!」
三人は慎重に階段を上っていく。
上りえ終えると、そこは広い部屋で、四方の壁は吹き抜けになっていた。
外には青空が見え、雲の大地を隅々まで見下ろすことが出来た。
「ようこそ、歓迎するんデスヨネー!」
「!」
三人が声のした方を向くと、玉座に座っていた主が立ち上がって拍手をしている。
頭がU字磁石のようになった闇騎士――エセヌだ。
「あんたがここのボスかい?」
ファイティングポーズをとりながら、岡野が訪ねる。
「その通り。磁界術士・エセヌというんデスヨネー。以後、お見知りおきを」
「お前が天上と地上の行き来を出来なくしたのか?」
「ご名答。この天上世界を、我々好みの世界に作り替えるんデスヨネー。だから邪魔者に侵入して欲しくなかったんデスヨネー」
「ちなみに、どうやって行き来出来なくしたわけ?」
質問する上田に、岡野は思わずジト目で突っ込んだ。
「おいおい、そんな事教えてくれるわけ……」
「我々の磁力結界の力なんデスヨネー」
「ガクッ」
あっさりネタばらしをするエセヌに、岡野はその場でつんのめった。
「磁力結界は、自分が進もうと思ってる方向に進んでも、まるで見当違いの場所に行ってしまうんデスヨネー。だからどんなに正確な地図を持っていたとしても、先に進むことが出来ないんデスヨネー」
その説明を聞いて、三人は思い当たることがあった。
「そうか……だからおれ達はあの時、豆の木までたどり着けたのか!」
あの時三人はゴーレムに追われて、地図も見ずに走っていた。
そのことが、かえって三人を目的地まで無事に到着させたという訳であった。
「さて、そろそろお喋りもおしまいなんデスヨネー。お前達には、ここで消えてもらうんデスヨネー!」
叫ぶが早いか、エセヌは杖を振りかざして飛び掛かって来た。
ちなみにその杖も、先端がU字磁石の形をしている。
「おっと!」
三人はその攻撃をよけ、反撃に転ずる。
ディ・カ・ダー・マ・モウ・バッ・ダ!
「火炎呪文・メガフレア!」
上田の掌から火球が飛ぶが、エセヌはそれを杖ではじき返した。
「むんっ!」
上田の掌から火球が飛ぶが、エセヌはそれを杖ではじき返した。
「むんっ!」
カキィィィン!
「うっそー!」
「じゃあ、これならどうだ! 爆裂拳!」
「じゃあ、これならどうだ! 爆裂拳!」
ダガガガガガガガガガガガガガガガ!
無数に繰り出される岡野の拳を、エセヌは床をすべるようにしてよける。
「ちっ、素早いやつ!」
「喰らうんデスヨネー!」
「ちっ、素早いやつ!」
「喰らうんデスヨネー!」
ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビッ!
エセヌの杖から電撃が発射され、上田と岡野を直撃した。
「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
電撃に包まれる二人だが、次の瞬間、信じられない事が起きた。
「えっ!?」
「うわっ!」
「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
電撃に包まれる二人だが、次の瞬間、信じられない事が起きた。
「えっ!?」
「うわっ!」
ビタッ!
なんと、二人の身体がお互いに吸い寄せられたかと思うと、背中合わせにピッタリとくっついてしまったのだ。
「と、取れない……」
「こんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
岡野が渾身の力を込めて自分たちを引きはがそうとするが、全く効果は無い。
「HAHAHAHAHA! どうデスヨネー? 我々の磁力結界は、人間だろうとなんだろうと、磁石にする事が出来るんデスヨネー!」
「くっ……」
「その格好じゃ、ろくに動けないんデスヨネー。今、引導を渡してやるんデスヨネー!」
エセヌが杖を振りかざす。
だが、
「と、取れない……」
「こんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
岡野が渾身の力を込めて自分たちを引きはがそうとするが、全く効果は無い。
「HAHAHAHAHA! どうデスヨネー? 我々の磁力結界は、人間だろうとなんだろうと、磁石にする事が出来るんデスヨネー!」
「くっ……」
「その格好じゃ、ろくに動けないんデスヨネー。今、引導を渡してやるんデスヨネー!」
エセヌが杖を振りかざす。
だが、
ガキィィィィィィィン!
杖が振り下ろされた瞬間、その場に石川が割って入ったのだ。
「おれを忘れんなよ!」
「テッちゃん!」
「ふん、こしゃくな! お前も磁石にしてやるんデスヨネー!」
「おれを忘れんなよ!」
「テッちゃん!」
「ふん、こしゃくな! お前も磁石にしてやるんデスヨネー!」
ビビビビビビビビビビビビッ!
再びエセヌの杖から電撃が発射されるが、石川はその動きを読んで、空中に飛び上がる。
「なにっ!?」
「同じ手が何度も通じるかぁっ!」
そのまま石川は、思いっきり剣を振り下ろす。
「なにっ!?」
「同じ手が何度も通じるかぁっ!」
そのまま石川は、思いっきり剣を振り下ろす。
ザシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!
「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……」
エセヌは真っ二つになって、その場に崩れ落ちた。
「なんだ、思ったより弱かったな……。待ってて二人とも。今、なんとか……」
石川は剣を収めると、上田達に近づいていく。
しかし、
「待ってテッちゃん、油断しないで!」
岡野の背中にくっついたまま、上田が叫ぶ。
そう、術者であるエセヌが倒されたのなら、上田と岡野の魔力も解けているはずである。
だが、彼らはいまだにくっついたままだったのだ。
「ふっふっふっふっふ……」
なんと、真っ二つになったエセヌが立ち上がったかと思うと、それぞれの切り口からプラナリアのように再生する。
だが、再生したエセヌは色が変わっていた。
N極側だった方は赤いローブに、S極側だった方は青いローブに身を包んでいるのだ。
「ふはははははははははははっ! 驚いたんデスネー!」
高笑いと共に、赤い方がふんぞり返る。
青い方もにやりと笑って続けた。
「これぞ我々の本当の姿、双子の闇騎士エセヌ兄弟! ワタシは弟のグーネ・エセヌ!」
「そして私は兄のマーグ・エセヌなんデスネー!」
すでに気づいている読者諸兄も多いと思うが、今までエセヌが自分の事を「我々」と称したり、クレイが「エセヌはん“達”」と言っていったのは、伊達でもハッタリでもない。
すべてはこのため。
エセヌは双子が融合した姿をとっていたのだ。
「さあ、第2ラウンドといくんデスヨー!」
グーネが杖から電撃を放つ。
「くっ!」
石川は間一髪、それをよけるが、今度はそこにマーグの杖が襲い掛かって来た。
「ちいっ!」
エセヌは真っ二つになって、その場に崩れ落ちた。
「なんだ、思ったより弱かったな……。待ってて二人とも。今、なんとか……」
石川は剣を収めると、上田達に近づいていく。
しかし、
「待ってテッちゃん、油断しないで!」
岡野の背中にくっついたまま、上田が叫ぶ。
そう、術者であるエセヌが倒されたのなら、上田と岡野の魔力も解けているはずである。
だが、彼らはいまだにくっついたままだったのだ。
「ふっふっふっふっふ……」
なんと、真っ二つになったエセヌが立ち上がったかと思うと、それぞれの切り口からプラナリアのように再生する。
だが、再生したエセヌは色が変わっていた。
N極側だった方は赤いローブに、S極側だった方は青いローブに身を包んでいるのだ。
「ふはははははははははははっ! 驚いたんデスネー!」
高笑いと共に、赤い方がふんぞり返る。
青い方もにやりと笑って続けた。
「これぞ我々の本当の姿、双子の闇騎士エセヌ兄弟! ワタシは弟のグーネ・エセヌ!」
「そして私は兄のマーグ・エセヌなんデスネー!」
すでに気づいている読者諸兄も多いと思うが、今までエセヌが自分の事を「我々」と称したり、クレイが「エセヌはん“達”」と言っていったのは、伊達でもハッタリでもない。
すべてはこのため。
エセヌは双子が融合した姿をとっていたのだ。
「さあ、第2ラウンドといくんデスヨー!」
グーネが杖から電撃を放つ。
「くっ!」
石川は間一髪、それをよけるが、今度はそこにマーグの杖が襲い掛かって来た。
「ちいっ!」
ガキィィン!
石川は今度は剣で杖を受け止める。
二対一では、戦況は圧倒的に石川が不利だった。
今は二人の攻撃を何とかしのいでいるが、それも時間の問題だ。
いずれ石川の疲労が限界を迎え、致命傷を受けてしまうのは確実だった。
「ふはははははははははははははははははははっ! 勝負はあったんデスネー!」
「HAHAHAHAHA! 観念してやられるんデスヨー!」
上田と岡野は、悔しそうに戦況を見守っていたが、やおら、岡野が叫んだ。
「こうなったら……上ちゃん、ちょっと我慢しろよ!」
「えっ? うわっ!」
なんと、岡野は背中に上田をくっつけたまま立ち上がると、エセヌ兄弟の方に向かって行ったのだ。
だが、背中にくっついている上田の方はたまらない。
「酔う! 酔う!」
しこたま揺すられ、乗り物酔い寸前であった。
そんな上田を、岡野は叱咤する。
「こら、上ちゃん! 酔ってる場合じゃないって! 背中合わせになってても、呪文は使えるだろ! この状況を利用するんだよ!」
「あ、そっか……おぇっ!」
岡野は前後に目がついていて、三六〇度の方向からの攻撃に対処できるという状況を作り出したのだ。
「ふふん、所詮は急場しのぎなんデスヨー!」
「大人しくやられるんデスネー!」
「やってみなきゃわからないだろ!」
岡野がマーグ達に飛びかかり、上田が背中側から呪文を放って援護する。
しかし、エセヌ兄弟はそれすら容易にかわしていた。
「あいつら、なんであんなに素早い動きが……」
上田達が戦闘している間に、アイテムで体力を回復させていた石川が、目を凝らして戦況を伺う。
「おや……?」
すると、あることに気づいた。
エセヌ兄弟の身体が、地面からわずかに浮かび上がっているのだ。
「そうか……あいつら、リニアモーターカーみたいに磁力で浮いてたのか。だからあんなに素早い動きが……」
石川は頷くと、二人に向かって叫んだ。
「上ちゃん、岡ちゃん! そいつら、磁力で浮かんでる! それでそんなに素早い動きが出来るんだ! だからその磁力を何とかすれば……」
「そっか! よーし、だったら……」
上田は岡野の背中にくっついたまま、目を閉じ、印を結んで呪文を唱える。
二対一では、戦況は圧倒的に石川が不利だった。
今は二人の攻撃を何とかしのいでいるが、それも時間の問題だ。
いずれ石川の疲労が限界を迎え、致命傷を受けてしまうのは確実だった。
「ふはははははははははははははははははははっ! 勝負はあったんデスネー!」
「HAHAHAHAHA! 観念してやられるんデスヨー!」
上田と岡野は、悔しそうに戦況を見守っていたが、やおら、岡野が叫んだ。
「こうなったら……上ちゃん、ちょっと我慢しろよ!」
「えっ? うわっ!」
なんと、岡野は背中に上田をくっつけたまま立ち上がると、エセヌ兄弟の方に向かって行ったのだ。
だが、背中にくっついている上田の方はたまらない。
「酔う! 酔う!」
しこたま揺すられ、乗り物酔い寸前であった。
そんな上田を、岡野は叱咤する。
「こら、上ちゃん! 酔ってる場合じゃないって! 背中合わせになってても、呪文は使えるだろ! この状況を利用するんだよ!」
「あ、そっか……おぇっ!」
岡野は前後に目がついていて、三六〇度の方向からの攻撃に対処できるという状況を作り出したのだ。
「ふふん、所詮は急場しのぎなんデスヨー!」
「大人しくやられるんデスネー!」
「やってみなきゃわからないだろ!」
岡野がマーグ達に飛びかかり、上田が背中側から呪文を放って援護する。
しかし、エセヌ兄弟はそれすら容易にかわしていた。
「あいつら、なんであんなに素早い動きが……」
上田達が戦闘している間に、アイテムで体力を回復させていた石川が、目を凝らして戦況を伺う。
「おや……?」
すると、あることに気づいた。
エセヌ兄弟の身体が、地面からわずかに浮かび上がっているのだ。
「そうか……あいつら、リニアモーターカーみたいに磁力で浮いてたのか。だからあんなに素早い動きが……」
石川は頷くと、二人に向かって叫んだ。
「上ちゃん、岡ちゃん! そいつら、磁力で浮かんでる! それでそんなに素早い動きが出来るんだ! だからその磁力を何とかすれば……」
「そっか! よーし、だったら……」
上田は岡野の背中にくっついたまま、目を閉じ、印を結んで呪文を唱える。
ゼー・レイ・ヒーラ・ヴィッセル!
(閃光よ、閃け!)
(閃光よ、閃け!)
「閃光呪文・バーネイ!」
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!
上田の掌から、バーンよりも巨大な炎の帯が噴き出す。
「なにっ!?」
マーグとグーネはその炎をよけようとするが、バーネイはそれよりも早く、二人の身体を包み込む。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
二人は黒焦げになって、その場に倒れ伏す。
磁力が消えたのだ。
そもそも磁石は、小さな磁石の集合体のようなものだ。
そんな磁石を、ある一定の温度以上の高熱で熱すると、磁石を作っている物質の原子自身が激しく運動するようになり、小さい磁石を作っている部分同士の磁力が壊れてしまう。
これを「キュリー温度を超える」と言うが、これによって、磁石は磁力を失ってしまうのである。
同時に、上田と岡野の身体もあっさりと離れた。
「やった!」
「ありがと、テッちゃん! テッちゃんのおかげだよ!」
そんな二人に、石川は笑顔でVサインを送った。
「ぐぬぬぬぬっ、おのれー!」
フラフラになりながらも、マーグとグーネが立ち上がる。
「お前たち、もう許さないんデスネー!」
「もう一度、今度は三人まとめて磁石にしてやるんデスヨー!」
「そうはいくか!」
三人は叫ぶや、一か所に固まる。
だが、これでは格好の的のようなものだ。
「ふっふっふ、諦めたんデスネー……」
マーグとグーネは、左右からジリジリと三人に近づくと、同時に杖を振り上げる。
「喰らうがいいデスヨー!」
「なにっ!?」
マーグとグーネはその炎をよけようとするが、バーネイはそれよりも早く、二人の身体を包み込む。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
二人は黒焦げになって、その場に倒れ伏す。
磁力が消えたのだ。
そもそも磁石は、小さな磁石の集合体のようなものだ。
そんな磁石を、ある一定の温度以上の高熱で熱すると、磁石を作っている物質の原子自身が激しく運動するようになり、小さい磁石を作っている部分同士の磁力が壊れてしまう。
これを「キュリー温度を超える」と言うが、これによって、磁石は磁力を失ってしまうのである。
同時に、上田と岡野の身体もあっさりと離れた。
「やった!」
「ありがと、テッちゃん! テッちゃんのおかげだよ!」
そんな二人に、石川は笑顔でVサインを送った。
「ぐぬぬぬぬっ、おのれー!」
フラフラになりながらも、マーグとグーネが立ち上がる。
「お前たち、もう許さないんデスネー!」
「もう一度、今度は三人まとめて磁石にしてやるんデスヨー!」
「そうはいくか!」
三人は叫ぶや、一か所に固まる。
だが、これでは格好の的のようなものだ。
「ふっふっふ、諦めたんデスネー……」
マーグとグーネは、左右からジリジリと三人に近づくと、同時に杖を振り上げる。
「喰らうがいいデスヨー!」
ビビビビビビビビビビッ!
二人は同時に、杖から電撃を放った。
だが、
「今だ!」
岡野は石川と上田を抱えると、一気に跳躍したのだ。
電撃は三人がいた空間を通り過ぎていく。
そしてその先には……
「あ……」
「く、来るなー!」
だが、
「今だ!」
岡野は石川と上田を抱えると、一気に跳躍したのだ。
電撃は三人がいた空間を通り過ぎていく。
そしてその先には……
「あ……」
「く、来るなー!」
ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビッ!
マーグ達は、お互いが放った電撃をモロに浴びてしまった。
「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!」
今度はお互いの身体が磁石のようになり、真正面からピッタリとくっついてしまう。
「し、しまった! これじゃ合体も離れることも出来ないんデスネー!」
「マーグ、何とかしてほしいんデスヨー!」
二人は絡み合ったまま、その場でジタバタしている。
そこへ、石川達がポキポキと指を鳴らしながら、ゆっくりと近づいて行った。
「お前ら、よくもやってくれたな……?」
「覚悟は出来てるんだろうね……?」
「たっぷりと礼をしてやるぜ……」
三人の迫力に、エセヌ兄弟の額を嫌な汗が流れ落ちる。
「あ、えーと……。遠慮しとくんデスネー……」
「問答無用じゃーっ!」
三人は般若のような形相で、エセヌ兄弟に飛びかかった。
「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらっ!」
「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
三人にボコスカ蹴りを入れられ、マーグとグーネは全身複雑骨折で病院送りとなったのだった。
「へんっ、ザマア味噌漬け!」
パンパン、と手を払いながら、三人はボロ雑巾のようになったエセヌ兄弟から離れていく。
だが、その行動はあまりにも不用心すぎた。
マーグの方はまだ気を失ってはおらず、手首にはめたブレスレットのボタンを押していたのだ。
「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!」
今度はお互いの身体が磁石のようになり、真正面からピッタリとくっついてしまう。
「し、しまった! これじゃ合体も離れることも出来ないんデスネー!」
「マーグ、何とかしてほしいんデスヨー!」
二人は絡み合ったまま、その場でジタバタしている。
そこへ、石川達がポキポキと指を鳴らしながら、ゆっくりと近づいて行った。
「お前ら、よくもやってくれたな……?」
「覚悟は出来てるんだろうね……?」
「たっぷりと礼をしてやるぜ……」
三人の迫力に、エセヌ兄弟の額を嫌な汗が流れ落ちる。
「あ、えーと……。遠慮しとくんデスネー……」
「問答無用じゃーっ!」
三人は般若のような形相で、エセヌ兄弟に飛びかかった。
「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらっ!」
「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
三人にボコスカ蹴りを入れられ、マーグとグーネは全身複雑骨折で病院送りとなったのだった。
「へんっ、ザマア味噌漬け!」
パンパン、と手を払いながら、三人はボロ雑巾のようになったエセヌ兄弟から離れていく。
だが、その行動はあまりにも不用心すぎた。
マーグの方はまだ気を失ってはおらず、手首にはめたブレスレットのボタンを押していたのだ。
ガバッ!
「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
足元の床が大きく開いて、石川達はその中に落下していった。
穴の奥は奈落に通じているかのように、三人の姿は一瞬で見えなくなった。
「ぶぶぶ……ごぶだづだら、ぼばべだぢぼびぢづでだんデズベー……ガクッ」<ふふふ……こうなったら、お前たちも道連れなんデスネー……ガクッ>
マーグはまともにしゃべる事も出来なくなったほどいびつになった顔で、必死に笑みを浮かべると、今度こそ気絶した。
足元の床が大きく開いて、石川達はその中に落下していった。
穴の奥は奈落に通じているかのように、三人の姿は一瞬で見えなくなった。
「ぶぶぶ……ごぶだづだら、ぼばべだぢぼびぢづでだんデズベー……ガクッ」<ふふふ……こうなったら、お前たちも道連れなんデスネー……ガクッ>
マーグはまともにしゃべる事も出来なくなったほどいびつになった顔で、必死に笑みを浮かべると、今度こそ気絶した。
~つづく~
2018.03.10
ファイクエ第6話『天上で大暴れ!』-3
サイトを更新しました。
今日は『ホビー雑誌コーナー』です。
本文の方は、小説版『ファイクエ』の続きになります。
予定では次回で完結して、その後は例の上田、サクラ、テキストの外伝にしようと思っています。
ともあれ、本文スタート!
石川と岡野が驚いたのも無理はない。
そこは何てことはない、ごくごく普通の町だったのだ。
地上の町との違いと言えば、地面が雲で出来ているため白く、若干ふわふわしている、といったくらいか。
『天上世界』ということで、三人はそれこそ童話に出てくる雲の上の国を想像していたのだが、実際の天上世界はそのイメージをぶち壊すほど衝撃的だったのだ。
「ここ……本当に雲の上?」
目をパチクリさせながら石川が言った。
「確かにそうっぽいぜ。ほら……」
岡野が前方を指さす。
そこには看板が立っており、「ようこそ雲の上の世界・チェーロタウンへ!」と書いてあった。
ちなみに「チェーロ」とは、イタリア語で「空」の事である。ようするにこの町の名前は、和訳すれば「空町」となる。
……まぁ、偶然の一致だろう。うん。
とにもかくにも、三人は町の入り口からぐるっと町を見回してみたが、最初の印象通り、本当にこの町は何の変哲もない、ごくごく普通の町だった。
民家や各種生活用品を売っているお店、武器屋、防具屋、宿屋などが軒を連ねている。
「本当に、ここの人達って、不思議な力を持ってるのかな……?」
「さぁ……」
町の様子を見て、石川達は粘土板に書かれていた内容について、かなり懐疑的になってしまっていた。
そこへ、
「あらぁ~? 珍しい」
突然、可愛らしい声がして、一同は振り返った。
そこに立っていたのは少女だった。
髪型はダークブラウンのセミショートで、笑うと八重歯が覗く。
年の頃は石川達とほぼ変わらないだろう。
可愛らしさはハナマルだ。
「こんにちは!」
「あ、うん、こんにちは……」
そこは何てことはない、ごくごく普通の町だったのだ。
地上の町との違いと言えば、地面が雲で出来ているため白く、若干ふわふわしている、といったくらいか。
『天上世界』ということで、三人はそれこそ童話に出てくる雲の上の国を想像していたのだが、実際の天上世界はそのイメージをぶち壊すほど衝撃的だったのだ。
「ここ……本当に雲の上?」
目をパチクリさせながら石川が言った。
「確かにそうっぽいぜ。ほら……」
岡野が前方を指さす。
そこには看板が立っており、「ようこそ雲の上の世界・チェーロタウンへ!」と書いてあった。
ちなみに「チェーロ」とは、イタリア語で「空」の事である。ようするにこの町の名前は、和訳すれば「空町」となる。
……まぁ、偶然の一致だろう。うん。
とにもかくにも、三人は町の入り口からぐるっと町を見回してみたが、最初の印象通り、本当にこの町は何の変哲もない、ごくごく普通の町だった。
民家や各種生活用品を売っているお店、武器屋、防具屋、宿屋などが軒を連ねている。
「本当に、ここの人達って、不思議な力を持ってるのかな……?」
「さぁ……」
町の様子を見て、石川達は粘土板に書かれていた内容について、かなり懐疑的になってしまっていた。
そこへ、
「あらぁ~? 珍しい」
突然、可愛らしい声がして、一同は振り返った。
そこに立っていたのは少女だった。
髪型はダークブラウンのセミショートで、笑うと八重歯が覗く。
年の頃は石川達とほぼ変わらないだろう。
可愛らしさはハナマルだ。
「こんにちは!」
「あ、うん、こんにちは……」
いきなり元気よく挨拶をされて、石川達は一瞬呆気にとられる。
少女はペコリとお辞儀をすると、ニコニコ笑って言った。
「あなた達、下の世界からのお客さんでしょ?」
「え、何で分かるの?」
きょとんなる石川に、少女は得意げに続ける。
「だって、この町じゃ見ない顔なんだもん。ここには、町はこのチェーロタウンしか無いからね」
「あ、なるほど……」
「でも珍しいな。ここ半年くらいは、下の世界からのお客さんが途絶えてたのに……」
「どういう事?」
彼女が言うには、半年前に、東の方に突然城が出現し、それ以来、下の世界との行き来が出来なくなってしまったのだという。
「東の方に……城?」
「そう。しかも丁度その頃に、モンスターたちが凶暴になっちゃったし……」
「ふ~ん……」
少女の話を聞いて、三人は疑問を抱いていた。
(じゃあ何で、おれ達はあっさりここに来られたんだ……?)
だが、その思考はそこで中断されることになる。
「ねえねえ、もし良かったら、あたしが町を案内してあげよっか?」
愛くるしい笑顔のまま、少女が言った。
その勢いに飲まれた三人は、コックリと頷く。
「あ、じゃあ、お願い……」
「そう言えば、自己紹介がまだだったよね。あたし、ルーチェ。ルーチェ・ソラーレ!」
少女はペコリとお辞儀をすると、ニコニコ笑って言った。
「あなた達、下の世界からのお客さんでしょ?」
「え、何で分かるの?」
きょとんなる石川に、少女は得意げに続ける。
「だって、この町じゃ見ない顔なんだもん。ここには、町はこのチェーロタウンしか無いからね」
「あ、なるほど……」
「でも珍しいな。ここ半年くらいは、下の世界からのお客さんが途絶えてたのに……」
「どういう事?」
彼女が言うには、半年前に、東の方に突然城が出現し、それ以来、下の世界との行き来が出来なくなってしまったのだという。
「東の方に……城?」
「そう。しかも丁度その頃に、モンスターたちが凶暴になっちゃったし……」
「ふ~ん……」
少女の話を聞いて、三人は疑問を抱いていた。
(じゃあ何で、おれ達はあっさりここに来られたんだ……?)
だが、その思考はそこで中断されることになる。
「ねえねえ、もし良かったら、あたしが町を案内してあげよっか?」
愛くるしい笑顔のまま、少女が言った。
その勢いに飲まれた三人は、コックリと頷く。
「あ、じゃあ、お願い……」
「そう言えば、自己紹介がまだだったよね。あたし、ルーチェ。ルーチェ・ソラーレ!」
ルーチェに連れられて、石川達はチェーロタウンを見て回った。
改めて町を見て回ると、道のほかにもう一つ違いがあった。
それは、時折下半身が小さな雲になっている人々が歩いているという事だった。
いや、「歩いている」という表現では語弊がある。
彼らは地面から数十センチの高さを、プカプカと浮遊しながら移動しているのだ。
見た目で言えば、某『マ〇オ』に出てくるジュ〇ムにそっくりだった。
「ねえ、ルーチェちゃん。あの人たちは……?」
上田がその中の一人を指さしながら、ルーチェに尋ねる。
「あ、そっか。地上には自動雲は無かったんだっけ……。あれはね、『自動雲』って言って、この町じゃ結構みんなが持ってる乗り物なんだよ。雲の中で足を動かさないと動かないんだけど、普通に歩くよりも早く動けるから楽なんだ」
「ああ、要するに自転車みたいなものな訳ね……」
上田が納得したような、呆れたような顔で頷く。
ひとしきり町を見て回った後、四人は街角の食堂に入っていった。
食堂と言っても、いわゆるファーストフード店だ。
そこで三人は粘土板をルーチェに見せていた。
「この粘土板、ブッコフタウンって町で翻訳したんだけど、それによると『古来より、天に住む人々には不思議な力を持つ者がいる』って書かれてたんだ」
それを聞いて、ルーチェはあっけらかんと言った。
「ああ! 確かに昔は、そんな人たちもいたかもね。でも、何百年も昔の話だよ」
「いっ?」
「その粘土板、古い物なんでしょ? 歴史資料としては価値があるかもしれないけど、今の情報としては使えないんじゃないかなぁ……」
思わず石川達はテーブルに突っ伏す。
よく考えてみれば、それはそうだった。
解読しようとしている時は必死で気づかなかったが、現実的な考え方をすれば当たり前だ。
改めて町を見て回ると、道のほかにもう一つ違いがあった。
それは、時折下半身が小さな雲になっている人々が歩いているという事だった。
いや、「歩いている」という表現では語弊がある。
彼らは地面から数十センチの高さを、プカプカと浮遊しながら移動しているのだ。
見た目で言えば、某『マ〇オ』に出てくるジュ〇ムにそっくりだった。
「ねえ、ルーチェちゃん。あの人たちは……?」
上田がその中の一人を指さしながら、ルーチェに尋ねる。
「あ、そっか。地上には自動雲は無かったんだっけ……。あれはね、『自動雲』って言って、この町じゃ結構みんなが持ってる乗り物なんだよ。雲の中で足を動かさないと動かないんだけど、普通に歩くよりも早く動けるから楽なんだ」
「ああ、要するに自転車みたいなものな訳ね……」
上田が納得したような、呆れたような顔で頷く。
ひとしきり町を見て回った後、四人は街角の食堂に入っていった。
食堂と言っても、いわゆるファーストフード店だ。
そこで三人は粘土板をルーチェに見せていた。
「この粘土板、ブッコフタウンって町で翻訳したんだけど、それによると『古来より、天に住む人々には不思議な力を持つ者がいる』って書かれてたんだ」
それを聞いて、ルーチェはあっけらかんと言った。
「ああ! 確かに昔は、そんな人たちもいたかもね。でも、何百年も昔の話だよ」
「いっ?」
「その粘土板、古い物なんでしょ? 歴史資料としては価値があるかもしれないけど、今の情報としては使えないんじゃないかなぁ……」
思わず石川達はテーブルに突っ伏す。
よく考えてみれば、それはそうだった。
解読しようとしている時は必死で気づかなかったが、現実的な考え方をすれば当たり前だ。
ちなみに、その頃……。
「テキストさん。上田さん達、もう天上に着いた頃でしょうか……?」
「そうですねぇ……」
ブッコフ図書館の休憩所で、サクラとテキストはお茶を飲んでいた。
「しかし、彼らはなんだって天上に?」
「えっと……確かあの人たちが持ってた粘土板に、古代アッタノカ文明の文字で『古来より、天に住む人々には不思議な力を持つ者がいる』って書かれてたって……あ!」
思い出したようにサクラが叫んだ。
「今、天上世界は普通の町になってるってことを伝えるの、すっかり忘れてました……」
「あのね……」
汗ジトになって呟くサクラに、思わずテキストもあきれ顔であった。
「テキストさん。上田さん達、もう天上に着いた頃でしょうか……?」
「そうですねぇ……」
ブッコフ図書館の休憩所で、サクラとテキストはお茶を飲んでいた。
「しかし、彼らはなんだって天上に?」
「えっと……確かあの人たちが持ってた粘土板に、古代アッタノカ文明の文字で『古来より、天に住む人々には不思議な力を持つ者がいる』って書かれてたって……あ!」
思い出したようにサクラが叫んだ。
「今、天上世界は普通の町になってるってことを伝えるの、すっかり忘れてました……」
「あのね……」
汗ジトになって呟くサクラに、思わずテキストもあきれ顔であった。
「んで、結局どうするよ?」
太陽が傾きかけた頃、三人はルーチェの案内で宿屋にいた。
と言うのも、ルーチェの家が宿屋を経営していたからだった。
「あの粘土板が手掛かりにならないって言うんじゃあね……」
岡野が疲れたように、ベッドにゴロンと横になる。
「そう言えばさ、前にチューノ達が言ってたよね……」
「ん?」
テーブルに頬杖をついていた上田が思い出したように口を開く。
「ほら、『異変を鎮めた来訪者達は、自らの世界に帰るであろう』ってやつ」
「ああ、そう言えばそんな事言ってたっけか……」
「もしそれが本当なら、ここで例の東の城を調べてみるのも手かもね」
「ん~。他に手掛かりも無いし……やるだけやってみるか!」
「そだね」
上田の提案に、石川と岡野も同意する。
そこへ、
「みんな~! 晩御飯の用意が出来たよ~!」
廊下からルーチェの声が聞こえた。
三人を夕食に呼びに来たのだ。
「は~い、今行くよー!」
三人は声をそろえて返事をすると、取り敢えずは夕食に向かうのだった。
太陽が傾きかけた頃、三人はルーチェの案内で宿屋にいた。
と言うのも、ルーチェの家が宿屋を経営していたからだった。
「あの粘土板が手掛かりにならないって言うんじゃあね……」
岡野が疲れたように、ベッドにゴロンと横になる。
「そう言えばさ、前にチューノ達が言ってたよね……」
「ん?」
テーブルに頬杖をついていた上田が思い出したように口を開く。
「ほら、『異変を鎮めた来訪者達は、自らの世界に帰るであろう』ってやつ」
「ああ、そう言えばそんな事言ってたっけか……」
「もしそれが本当なら、ここで例の東の城を調べてみるのも手かもね」
「ん~。他に手掛かりも無いし……やるだけやってみるか!」
「そだね」
上田の提案に、石川と岡野も同意する。
そこへ、
「みんな~! 晩御飯の用意が出来たよ~!」
廊下からルーチェの声が聞こえた。
三人を夕食に呼びに来たのだ。
「は~い、今行くよー!」
三人は声をそろえて返事をすると、取り敢えずは夕食に向かうのだった。
一方、例の東の城。
そこは真っ白な宮殿で、外見はインドのタージ・マハルに似ていなくもない。
今、その城に来客があった。
粘土状の身体を持った異形の騎士――クレイである。
「お久しぶりデスヨネー、クレイ様」
出迎えたのは、暗い紫色のローブをまとった闇騎士だった。
特徴的なのは頭で、U字磁石そのものだった。
そして、N極とS極の間の空間に眼球が一つ浮かんでいる。
「元気そうやなぁ、エセヌはん」
そう。彼こそクレイ配下の闇騎士で、磁界術士・エセヌといった。
「今日はあんさんに頼みがあって来たんや。異世界から現れはった、三人の子供がこの天上世界までやって来た。そいつらを始末してほしいんや」
相手が『子供』と聞き、ウインドリザードの時と同じように、エセヌは一つしか無い目を怪訝そうにまばたく。
「子供? クレイ様、我々が子供の相手をするんデスヨネー?」
「子供や思うてナメたらあかん。そいつら、ウインドリザードやアングラモンを倒しはったし、ワイらも手傷を負ったんやで?」
「なんと、クレイ様に手傷を!? なるほど、それなら、クレイ様が直々に我々に依頼に来られるのも分かるんデスヨネー」
キラリとエセヌの目が怪しい光を放つ。
クレイは珍しく真面目な表情をして言った。
「頼んだで、エセヌはん達」
そこは真っ白な宮殿で、外見はインドのタージ・マハルに似ていなくもない。
今、その城に来客があった。
粘土状の身体を持った異形の騎士――クレイである。
「お久しぶりデスヨネー、クレイ様」
出迎えたのは、暗い紫色のローブをまとった闇騎士だった。
特徴的なのは頭で、U字磁石そのものだった。
そして、N極とS極の間の空間に眼球が一つ浮かんでいる。
「元気そうやなぁ、エセヌはん」
そう。彼こそクレイ配下の闇騎士で、磁界術士・エセヌといった。
「今日はあんさんに頼みがあって来たんや。異世界から現れはった、三人の子供がこの天上世界までやって来た。そいつらを始末してほしいんや」
相手が『子供』と聞き、ウインドリザードの時と同じように、エセヌは一つしか無い目を怪訝そうにまばたく。
「子供? クレイ様、我々が子供の相手をするんデスヨネー?」
「子供や思うてナメたらあかん。そいつら、ウインドリザードやアングラモンを倒しはったし、ワイらも手傷を負ったんやで?」
「なんと、クレイ様に手傷を!? なるほど、それなら、クレイ様が直々に我々に依頼に来られるのも分かるんデスヨネー」
キラリとエセヌの目が怪しい光を放つ。
クレイは珍しく真面目な表情をして言った。
「頼んだで、エセヌはん達」
~つづく~
2018.03.09
く~も~り~、ガラスに爪立てキーッ!
まずは先日のマグナスとキュアホイップの代金を支払ってきまして。
途中、すき家で期間限定メニューの『和風オニサラ牛丼』なるものを見つけましたので、そこでお昼にしました。
ねぎだくと言えば、ちょっと前に「吉野家のコピペにマジレス」なんてありましたね。
私も『吉野家のコピペ』は大学の頃に初めて見たのですが(そもそも大学に入るまで自由にネットを使えなかった。自分用のパソコン買ったのも大学入ってしばらくしてから)、少なくとも十年以上前なんだよなぁ……。いやはや、時代は変わったねぇ。
今だったら「得意げな顔して何が、つゆだくで、だ」のくだりは「ドヤ顔で何が、~」とかになるんですかねぇ。
生玉ねぎにかかってるのは柚子ポン酢です。
ご馳走様でした。
結構美味しかったので、また食べたいと思います。
その後はいつも通りの天神・博多コースです。
ショッパーズのボークスでは、キリトのボディだけ売ってたので買いました。
前からボディだけ欲しくて、最近のパーツ追加再販版を買おうか迷っていたので(当時品はだらけとかだとバカ高だし)、まさに渡りに船でした。
ヨドバシでは、LGのHMウインドリザードを購入。
今回はターゲットマスターのポインテックがついています。
ポインテック。海外名はピンポインターで、『ザ・リバース』しか持ってない私にはこっちの名前の方がなじみ深いです。
G1ではクロスヘアーズという、バギーに変形するサイバトロンのパートナーでした。
先日紹介した『TFアドベンチャー』版と。
LG版の方はヘッドマスターギミックのせいか、ちょっとゴツいですね。
刀は一見するとADV版のリデコっぽく見えます。
今回は刀身はクリアです。
昨日に続いてホークガトリングのフルボトルセットも。
意識してませんでしたが、これで友情&メダルセットを買えばオーズとフォーゼの変身も再現できますね。
もう一つ、フィギュアアクセサリーの眼鏡も。
本当は無色透明のを買いたかったのですが、売り切れていたので。前に無色のも買ったは買ったんですが、どこにやったか分からなくなったのと、仮に見つけても使おうと思ってるのが残ってるか微妙だったので。
ちなみに今回の買い物三つ、ポイントが1万3千Pくらい溜まってたので、全部ポイントで買いました。
こんなもんでいかがでしょう?(何が)
ま、色塗りゃ誤魔化せるか。
買い物の後、重ねてスライムのガチャを二回やったところ、一つ目はスライムベス&ベホマスライム、二つ目は念願のメタルライダーを見事に引き当てました。
アンダースーツがオレンジ、手袋とブーツが緑色ですね。
あと、とある目的で実家に置いてたハートキャッチプリキュアの設定画集を発掘しました。
発掘と言えば、こないだのパチ貂蝉の説明書も見つけました。
……『379C』?
マンガもコピーされてついています。
ま、私は中国語なんぞ出来ないので、なんて言ってるかは全くわかりませんが(苦笑)。
効果音は日本語のままです。
まぁ、これに限らず擬音などの書き文字はそのままって事は珍しくはないですが。
しっかし、付属マンガ版の貂蝉も可愛いなぁ(笑)。通常ラインの商品じゃ、何気に出番無かったからなぁ。 といったところで、今日はこの辺で。
どうも。ではでは。
2018.03.08
久々の雨。
それはさておき、今日はウチに届いていたLGのウルトラマグナスを開けました。
ウルトラマグナス(シティコマンダー)
カートランスポーターに変形する彼は、自分は生来の兵士であって命令者ではない、と考えている。コンボイ司令官の命令を遂行する時、無類の戦闘技術と勇気、戦場における天与の即応力を最大限に発揮するが、指導的立場にある時は息苦しさを感じる。だが、やむを得ない状況でひとたび指揮を執った時、彼は断固たる意志を持ち、公平かつ勇敢で、自己犠牲をいとわぬ非の打ち所の無いリーダーとなる。コンボイ亡き後は、新たなサイバトロン総司令官となったロディマス・コンボイを補佐し、サイバトロンのスポークスマン役をも務める。両肩に射程48kmのミサイルランチャーを搭載する。名前は「超越」+ラテン語のgreat(偉大な、卓越した)。
先にTR版のパワーマスターコンボイを持っていましたが、両者の共通点などを見てみるのも面白いです。
記事にする時に比較もやろうとは思っていますが。
あと、
博多に着いた後、ヨドバシカメラによってロケットパンダのフルボトルも買ってきました。
といったところで、今日はこの辺で。
どうも。ではでは。
2018.03.07
ファイクエ第6話『天上で大暴れ!』-2
翌朝、三人は再び豆の木に向かって出発した。
「豆の木まで、あとどん位?」
歩きながら、岡野が上田に尋ねる。
「ん~とね。地図通りなら、今日の昼頃には到着するはずだけど……」
地図を見ながら上田が答えた。
ちなみにこの地図、右上に方位磁石が魔法インクで描かれており、石川達は方角を間違える事も無く真っすぐに進んでいく。
ブッコフタウンを出る前に本屋で買ったものだ。
さすがは大陸一の出版都市である。
森の中にいた一同だが、その日はよく晴れていて、木陰から差し込んでくる陽の光が心地よかった。
「それにしても、日差しが気持ちいいよね。森の匂いも心地いいし……」
上方を見上げる石川だが、ふと、その視界が黒く塞がれる。
「えっ?」
最初は空が曇ったのかと思ったが、それは巨大な足だった。
「いいっ!?」
「豆の木まで、あとどん位?」
歩きながら、岡野が上田に尋ねる。
「ん~とね。地図通りなら、今日の昼頃には到着するはずだけど……」
地図を見ながら上田が答えた。
ちなみにこの地図、右上に方位磁石が魔法インクで描かれており、石川達は方角を間違える事も無く真っすぐに進んでいく。
ブッコフタウンを出る前に本屋で買ったものだ。
さすがは大陸一の出版都市である。
森の中にいた一同だが、その日はよく晴れていて、木陰から差し込んでくる陽の光が心地よかった。
「それにしても、日差しが気持ちいいよね。森の匂いも心地いいし……」
上方を見上げる石川だが、ふと、その視界が黒く塞がれる。
「えっ?」
最初は空が曇ったのかと思ったが、それは巨大な足だった。
「いいっ!?」
ズシィィィィィィィィィィィィィィィン!
「ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
間一髪、石川が横っ飛びに一回転してかわすと、凄まじい地響きを立てながら小山のような足が地面にめり込んで、人の身長くらいの深さの穴をあける。
「なんだぁっ!?」
上田と岡野も、唖然となって上を見上げる。
べきばきと樹木をなぎ倒しながら、そいつは現れた。
二シャグル(約七メートル)はある石の化け物、ゴーレムだ。古代の鎧兜を着込んだような造形で、顔は丸い目と口の穴が開いている。
古墳に備えてある埴輪の戦士をそのまま巨大化させたような外見だった。
「じょじょじょ、冗談じゃねえっ! こんなのに殴られたらペシャン……うひゃっ!」
剣を振るうのも忘れてちょこまかと逃げ回る石川に、ゴーレムは岡野の身体よりも大きな拳を振りかざした。
間一髪、石川が横っ飛びに一回転してかわすと、凄まじい地響きを立てながら小山のような足が地面にめり込んで、人の身長くらいの深さの穴をあける。
「なんだぁっ!?」
上田と岡野も、唖然となって上を見上げる。
べきばきと樹木をなぎ倒しながら、そいつは現れた。
二シャグル(約七メートル)はある石の化け物、ゴーレムだ。古代の鎧兜を着込んだような造形で、顔は丸い目と口の穴が開いている。
古墳に備えてある埴輪の戦士をそのまま巨大化させたような外見だった。
「じょじょじょ、冗談じゃねえっ! こんなのに殴られたらペシャン……うひゃっ!」
剣を振るうのも忘れてちょこまかと逃げ回る石川に、ゴーレムは岡野の身体よりも大きな拳を振りかざした。
ガン! ゴン! ドスン!
ゴーレムは表情一つ変えずに拳を繰り出してくる。
まともに攻撃を食らったら命は無い。
いつの間にか、そこらはでこぼこの穴ぼこだらけの地面になってしまった。
「おわっとっとっと!」
岡野も上田も、穴ぼこをジャンプで飛び越えながら逃げ回る。
その時だ。
三人を追いかけていたゴーレムが、自分が開けた穴につまづいたのだ。
単純な“プログラム”で行動するゴーレムには、知性というものが存在しない。だからこういった落とし穴のような単純なトラップは、案外有効なのである。
まともに攻撃を食らったら命は無い。
いつの間にか、そこらはでこぼこの穴ぼこだらけの地面になってしまった。
「おわっとっとっと!」
岡野も上田も、穴ぼこをジャンプで飛び越えながら逃げ回る。
その時だ。
三人を追いかけていたゴーレムが、自分が開けた穴につまづいたのだ。
単純な“プログラム”で行動するゴーレムには、知性というものが存在しない。だからこういった落とし穴のような単純なトラップは、案外有効なのである。
ズシィィィィィィン!
穴につまづいたゴーレムは、そのまま地響きを立ててその場に転ぶと、起き上がろうと手足をバタバタともがかせた。
三人はそんな様子を呆然と見ていたが、ふと、石川が言った。
「……二人とも、今のうちに逃げない?」
「異議なし」
石川の言葉に岡野達は頷くと、全速力でその場から逃げ出したのだった。
三人はそんな様子を呆然と見ていたが、ふと、石川が言った。
「……二人とも、今のうちに逃げない?」
「異議なし」
石川の言葉に岡野達は頷くと、全速力でその場から逃げ出したのだった。
半時ほど走った一行の目の前に、何やら巨大な樹が見えてくる。
「あれって……」
先頭を走っていた石川が、立ち止まって樹を見上げた。
その太さは屋久島の縄文杉にも匹敵し、樹の先端は雲に隠れて見えないほどであった。
そう、例の巨大豆の木に到着したのである。
「あれって……」
先頭を走っていた石川が、立ち止まって樹を見上げた。
その太さは屋久島の縄文杉にも匹敵し、樹の先端は雲に隠れて見えないほどであった。
そう、例の巨大豆の木に到着したのである。
それは本当に見事な樹だった。老齢な幹は、太い何本もの根っこを大地に張り、力強くそこに立っていた。
「これを登らなきゃいけないわけ……?」
その苦労を考え、青くなった石川が呟いた。
「まぁ~、そうなるだろうなぁ。空でも飛べるなら別だけどよ……」
岡野がポリポリと頭をかく。
いくら外遊び派で、この世界で身体能力が大幅に強化されている彼と言っても、その労力は並大抵のものではないだろう。
が、その言葉を聞いていた上田の頭上で電球が閃いた。
「『空を飛べたら』……? そうだ!」
突然叫んだ上田に、石川達は思わず後ずさる。
「何が『そうだ』なのさ、上ちゃん?」
「見てて見てて」
上田は目を閉じると、精神を集中させて静かに呪文を唱えた。
ソル・モー・ベール・ズ!
「これを登らなきゃいけないわけ……?」
その苦労を考え、青くなった石川が呟いた。
「まぁ~、そうなるだろうなぁ。空でも飛べるなら別だけどよ……」
岡野がポリポリと頭をかく。
いくら外遊び派で、この世界で身体能力が大幅に強化されている彼と言っても、その労力は並大抵のものではないだろう。
が、その言葉を聞いていた上田の頭上で電球が閃いた。
「『空を飛べたら』……? そうだ!」
突然叫んだ上田に、石川達は思わず後ずさる。
「何が『そうだ』なのさ、上ちゃん?」
「見てて見てて」
上田は目を閉じると、精神を集中させて静かに呪文を唱えた。
ソル・モー・ベール・ズ!
(羽よりも軽くならん)
「飛翔呪文・フライヤー!」
その途端、上田の身体がフワリと宙に浮きあがったのだ。
「いいっ!?」
予想だにしなかった出来事に、石川と岡野は目を見開く。
「と、飛んでる……?」
「上ちゃん、いつの間にそんな魔法を……?」
「えへへ。ブッコフタウンで調べ物をしてる時に、呪文の勉強もしたんだけど、その時に覚えたんだ」
「そんなに便利な呪文があるなら、何で今まで使わなかったんだよ……」
「しょうがないじゃん。まだこの呪文、慣れてないし。それに、ずっと使ってると危ないんだよ?」
呆れたような声を出す岡野に、上田が口をとがらせて言った。と言うのも、この呪文は魔法力を自身の周囲に軽く放出しながら飛んでいるわけだが、普通の魔法と違って、呪文を唱えた後も使用者が使用状態の維持を意図しないと効果が保てない、という違いがあった。
さらに慣れないと、魔法力の消費をうまくコントロールできず、飛んでいる最中に魔法力が尽きて、最悪の場合墜落なんてこともありうるのだ。
「とにかく、その呪文で、おれ達を上まで運んでくれるわけね?」
期待を込めて上田に訊いた石川だったが、
「あ、ごめん。無理」
あっさりと却下され、その場につんのめる。
「この呪文、あんまり大人数を抱えて飛べないのよ」
「じゃあ意味ないじゃん……」
ドッと疲れた顔をする石川だったが、上田は「チッ、チッ、チッ」と、顔の前で指を振った。
「最後まで聞いてって。いったん、おれが豆の木の先まで飛んで行って、そこがどうなってるのか覚えてくる。そうすれば、テレポーで三人とも目的地までひとっ飛びって訳だよ」
「おー、なるほど」
上田のアイデアに、石川と岡野は感心したように拍手をした。
テレポー――術者を一瞬にして目的地まで飛ばす、瞬間移動の呪文だ。
ただし、使用者が目的地のイメージを頭の中に具体的に思い浮かべなければならないため、一度でも行ったことのある場所でなければ飛ぶことが出来ない、という欠点があったが。
「ほんじゃ、行ってくるね!」
言うが早いか、上田ははるか上空に向かってすっ飛んで行った。
「はえー。もう見えなくなっちまった……」
岡野が驚きと関心が入り混じったような表情で、豆粒のように小さくなっていく上田を見上げる。
それから二人はしばらくの間、豆の木の根元に座って暇をつぶしていた。
その途端、上田の身体がフワリと宙に浮きあがったのだ。
「いいっ!?」
予想だにしなかった出来事に、石川と岡野は目を見開く。
「と、飛んでる……?」
「上ちゃん、いつの間にそんな魔法を……?」
「えへへ。ブッコフタウンで調べ物をしてる時に、呪文の勉強もしたんだけど、その時に覚えたんだ」
「そんなに便利な呪文があるなら、何で今まで使わなかったんだよ……」
「しょうがないじゃん。まだこの呪文、慣れてないし。それに、ずっと使ってると危ないんだよ?」
呆れたような声を出す岡野に、上田が口をとがらせて言った。と言うのも、この呪文は魔法力を自身の周囲に軽く放出しながら飛んでいるわけだが、普通の魔法と違って、呪文を唱えた後も使用者が使用状態の維持を意図しないと効果が保てない、という違いがあった。
さらに慣れないと、魔法力の消費をうまくコントロールできず、飛んでいる最中に魔法力が尽きて、最悪の場合墜落なんてこともありうるのだ。
「とにかく、その呪文で、おれ達を上まで運んでくれるわけね?」
期待を込めて上田に訊いた石川だったが、
「あ、ごめん。無理」
あっさりと却下され、その場につんのめる。
「この呪文、あんまり大人数を抱えて飛べないのよ」
「じゃあ意味ないじゃん……」
ドッと疲れた顔をする石川だったが、上田は「チッ、チッ、チッ」と、顔の前で指を振った。
「最後まで聞いてって。いったん、おれが豆の木の先まで飛んで行って、そこがどうなってるのか覚えてくる。そうすれば、テレポーで三人とも目的地までひとっ飛びって訳だよ」
「おー、なるほど」
上田のアイデアに、石川と岡野は感心したように拍手をした。
テレポー――術者を一瞬にして目的地まで飛ばす、瞬間移動の呪文だ。
ただし、使用者が目的地のイメージを頭の中に具体的に思い浮かべなければならないため、一度でも行ったことのある場所でなければ飛ぶことが出来ない、という欠点があったが。
「ほんじゃ、行ってくるね!」
言うが早いか、上田ははるか上空に向かってすっ飛んで行った。
「はえー。もう見えなくなっちまった……」
岡野が驚きと関心が入り混じったような表情で、豆粒のように小さくなっていく上田を見上げる。
それから二人はしばらくの間、豆の木の根元に座って暇をつぶしていた。
三十分ほどして、上空から上田が慌てた顔をして降りてきた。
「お~~~い!」
「お帰り上ちゃん」
「どうだったの、上の方は?」
「すごいの見ちゃったんだよ、おれ! もう信じられない!」
動揺した様子で叫ぶが、どうにも要領を得ない。
「落ち着けって! 一体何があったのさ?」
「口で説明するより、実際に見てもらった方がいいかも……。とにかく、二人とも。おれにつかまって」
「あ、うん……」
言われるままに、石川と岡野はそれぞれ上田の右手と左手をとった。
「じゃ、行くよ?」
「お~~~い!」
「お帰り上ちゃん」
「どうだったの、上の方は?」
「すごいの見ちゃったんだよ、おれ! もう信じられない!」
動揺した様子で叫ぶが、どうにも要領を得ない。
「落ち着けって! 一体何があったのさ?」
「口で説明するより、実際に見てもらった方がいいかも……。とにかく、二人とも。おれにつかまって」
「あ、うん……」
言われるままに、石川と岡野はそれぞれ上田の右手と左手をとった。
「じゃ、行くよ?」
コーカ・アーチ!
(彼の地へと我を運びたまえ)
(彼の地へと我を運びたまえ)
「瞬間移動呪文・テレポー!」
ビュワーン! ビュワーン!
上田が呪文を唱えると、三人の身体が魔法力の光に包まれ、一気に上空へと飛んで行った。
そのスピードはすさまじく、ぐんぐん豆の木の先が見えてくる。
樹の先は、雲の中へと吸い込まれていた。
その樹の幹に沿って、三人の身体も雲の中へ突っ込んでいく。
雲を抜け、視界がはっきりしてくると同時に、三人を包んでいる光が消え、石川達はその場にゆっくりと着地した。
だが、石川と岡野は周囲を見渡した途端、
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
それこそ目玉が飛び出さんばかりに驚いた顔をして、その場に硬直してしまうのだった。
そのスピードはすさまじく、ぐんぐん豆の木の先が見えてくる。
樹の先は、雲の中へと吸い込まれていた。
その樹の幹に沿って、三人の身体も雲の中へ突っ込んでいく。
雲を抜け、視界がはっきりしてくると同時に、三人を包んでいる光が消え、石川達はその場にゆっくりと着地した。
だが、石川と岡野は周囲を見渡した途端、
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
それこそ目玉が飛び出さんばかりに驚いた顔をして、その場に硬直してしまうのだった。
~つづく~
2018.03.06
ファイクエ第6話『天上で大暴れ!』-1
ピーヒョロロロロロロ……
大空を、鳥が鳴きながら羽ばたいていく。
その下に広がるのは雄大な自然だ。
今、そんな自然の中の唯一の人工物である道の上を三人の少年が歩いていた。
地球の日本、F県F市から、この世界、トゥエクラニフに飛ばされた小学生、石川、上田、岡野だ。
ブッコフタウンを出発して三日。現在、三人は街の西の森に向かっていた。
その森に、天の世界まで伸びるという豆の木があり、天の世界には不思議な力を持つ人々が住んでいる、という事が、彼らが手に入れた粘土板に記されていたからだ。
元の世界に戻る手掛かりを求め、その天上世界を目指すことになったのだった。
この世界では、都市と都市の間に家々が軒を連ねているという事はあり得ない。
都市は頑強な城壁で囲まれており、城壁を一歩出れば、そこはモンスターが闊歩する未開の地だ。
街を出てから森に向かうまでに、一行はこれまで出会った事のないモンスターの襲撃を受けた。
角が生えたユニコーンを思わせる暴れ馬。トカゲ型の獣人、リザードマン。巨大化したアリのモンスター、ジャイアント。
初めての相手に三人は戸惑ったが、三魔爪をも退けた三人は、それらの襲撃もものともせず、森へと歩を進めた。
その下に広がるのは雄大な自然だ。
今、そんな自然の中の唯一の人工物である道の上を三人の少年が歩いていた。
地球の日本、F県F市から、この世界、トゥエクラニフに飛ばされた小学生、石川、上田、岡野だ。
ブッコフタウンを出発して三日。現在、三人は街の西の森に向かっていた。
その森に、天の世界まで伸びるという豆の木があり、天の世界には不思議な力を持つ人々が住んでいる、という事が、彼らが手に入れた粘土板に記されていたからだ。
元の世界に戻る手掛かりを求め、その天上世界を目指すことになったのだった。
この世界では、都市と都市の間に家々が軒を連ねているという事はあり得ない。
都市は頑強な城壁で囲まれており、城壁を一歩出れば、そこはモンスターが闊歩する未開の地だ。
街を出てから森に向かうまでに、一行はこれまで出会った事のないモンスターの襲撃を受けた。
角が生えたユニコーンを思わせる暴れ馬。トカゲ型の獣人、リザードマン。巨大化したアリのモンスター、ジャイアント。
初めての相手に三人は戸惑ったが、三魔爪をも退けた三人は、それらの襲撃もものともせず、森へと歩を進めた。
「これで良しと……」
組んだ薪に、上田がフレアの呪文で火をつける。
この世界に来るまでサバイバル経験など皆無に等しかった三人も、今や野営にも慣れっこになってしまっていた。
森に入った三人は、その夜は手ごろな岩の陰で野宿することにしたのだった。
組んだ薪に、上田がフレアの呪文で火をつける。
この世界に来るまでサバイバル経験など皆無に等しかった三人も、今や野営にも慣れっこになってしまっていた。
森に入った三人は、その夜は手ごろな岩の陰で野宿することにしたのだった。
ブクソフカ大陸は、この世界ではそれなりに温暖な地方であるが、日が暮れると急に冷え込む。空にはおぼろ月が出ていた。
ナップザックから取り出した干し肉を火であぶり、焚き火の光で地図を確認する。
「方角は合ってるはずだから……明後日には例の豆の木が生えてる辺りに着くと思うんだけど……」
手ごろな小枝で地図を指しながら、上田が言った。
「しっかし、天まで届く豆の木か……。まるでお伽話だよなぁ」
「まぁ、この世界に来てそんな事言うのも今さらな気がするけど……」
岡野の言葉に、石川が苦笑して言った。
その時だ。
「どわぁっ!」
三人は反射的に、その場から飛びのいた。
岩陰から、石川達の倍はありそうな巨大なオレンジ色の甲羅を持つ陸ガニが、ハサミをかざして襲い掛かってきたのだ。
こいつは元々は普通の大きさの生物だったが、悪の魔力によって巨大化したモンスターである。
「それっ!」
石川が陸ガニに向かって剣を振り下ろす。
だが、
ナップザックから取り出した干し肉を火であぶり、焚き火の光で地図を確認する。
「方角は合ってるはずだから……明後日には例の豆の木が生えてる辺りに着くと思うんだけど……」
手ごろな小枝で地図を指しながら、上田が言った。
「しっかし、天まで届く豆の木か……。まるでお伽話だよなぁ」
「まぁ、この世界に来てそんな事言うのも今さらな気がするけど……」
岡野の言葉に、石川が苦笑して言った。
その時だ。
「どわぁっ!」
三人は反射的に、その場から飛びのいた。
岩陰から、石川達の倍はありそうな巨大なオレンジ色の甲羅を持つ陸ガニが、ハサミをかざして襲い掛かってきたのだ。
こいつは元々は普通の大きさの生物だったが、悪の魔力によって巨大化したモンスターである。
「それっ!」
石川が陸ガニに向かって剣を振り下ろす。
だが、
ガキィィィン!
強固な殻に、あっけなく跳ね返されてしまった。
「おらぁぁぁぁっ!」
「おらぁぁぁぁっ!」
ガンッ!
続いて岡野が、その甲羅に向かって拳を振り下ろした。
「…………」
「岡ちゃん?」
「いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
手を倍くらいの大きさに腫らして岡野が悲鳴を上げる。
一同は思わず汗ジト。
「こんにゃろーっ!」
気を取り直し、今度は上田が鉄の杖で殴り掛かった。
しかし、それはあまりにも無謀であった。
「…………」
「岡ちゃん?」
「いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
手を倍くらいの大きさに腫らして岡野が悲鳴を上げる。
一同は思わず汗ジト。
「こんにゃろーっ!」
気を取り直し、今度は上田が鉄の杖で殴り掛かった。
しかし、それはあまりにも無謀であった。
ガチッ!
「いっ!?」
なんと、ハサミに杖を挟まれてしまったのだ。
次の瞬間、上田の身体が大きく宙を舞った。
「どっしぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
陸ガニが杖を挟んだまま、上田を振り回し、力任せに放り投げたのだ。
なんと、ハサミに杖を挟まれてしまったのだ。
次の瞬間、上田の身体が大きく宙を舞った。
「どっしぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
陸ガニが杖を挟んだまま、上田を振り回し、力任せに放り投げたのだ。
ドガァァァァァァン!
そのまま上田は、地面に顔から突っ込む。
「はにゃ、ほへ……」
鼻血を出しながら、目を回した上田が立ち上がる。
「上ちゃん!」
「大丈夫か?」
慌てて石川と岡野が上田に駆け寄る。
上田はフルフルと頭を振って気を持たせると、鼻血を垂らしたまま、キッと陸ガニを睨みつける。
「よっくもやりやがったな、このお化けガニ!」
上田が印を結んで呪文を呟いた。
「はにゃ、ほへ……」
鼻血を出しながら、目を回した上田が立ち上がる。
「上ちゃん!」
「大丈夫か?」
慌てて石川と岡野が上田に駆け寄る。
上田はフルフルと頭を振って気を持たせると、鼻血を垂らしたまま、キッと陸ガニを睨みつける。
「よっくもやりやがったな、このお化けガニ!」
上田が印を結んで呪文を呟いた。
ディ・カ・ダー・マ・モウ・バッ・ダ!
(火の神よ、猛火の裁きを!)
(火の神よ、猛火の裁きを!)
「火炎呪文・メガフレア!」
突き出した上田の拳から、サッカーボール大の火球が飛び出して陸ガニを包み込む。
「ガニィィィィィィィィィィィィィィィッ!」
あっと言う間に陸ガニは、巨大な茹でガニと化したのだった。
「ふう、やった」
上田は鼻血をぬぐうと、倒した陸ガニが姿を変えたゴールドを拾い、皮袋に放り込んだ。
ところが、それから一息つく間もなく、
突き出した上田の拳から、サッカーボール大の火球が飛び出して陸ガニを包み込む。
「ガニィィィィィィィィィィィィィィィッ!」
あっと言う間に陸ガニは、巨大な茹でガニと化したのだった。
「ふう、やった」
上田は鼻血をぬぐうと、倒した陸ガニが姿を変えたゴールドを拾い、皮袋に放り込んだ。
ところが、それから一息つく間もなく、
ガルルルル……
「!」
三人が顔を上げると、木陰から犬の頭部に人の身体を持ったモンスターが五匹あまり現れた。
「こいつらは……!?」
剣を構えながら石川が呟く。
「ちょっと待って」
上田がモンスター百科を相手に向ける。
開いたページには『犬面人(けんめんじん)』と書いてあった。
「なになに……『犬面人。野犬の凶暴さを持った獣人型のモンスター。力が強いので、爪と牙には注意しましょう。特に狂犬病に感染している個体には要注意です』……だって」
上田の解説を聞いて、石川が苦笑を浮かべる。
「この世界にも、狂犬病ってあるんだ……って、うわっ!」
「ガルルルルルルルルッ! ワンワンワンッ!」
上田が解説を読み終えたのを合図にしたかのように、一斉に犬面人たちが飛び掛かってきた。
「おっと!」
「ちっ!」
三人は慌ててその攻撃をよける。
「さすがにこれだけいると厄介だな。よ~し……」
上田は再び印を結んで呪文を唱える。
三人が顔を上げると、木陰から犬の頭部に人の身体を持ったモンスターが五匹あまり現れた。
「こいつらは……!?」
剣を構えながら石川が呟く。
「ちょっと待って」
上田がモンスター百科を相手に向ける。
開いたページには『犬面人(けんめんじん)』と書いてあった。
「なになに……『犬面人。野犬の凶暴さを持った獣人型のモンスター。力が強いので、爪と牙には注意しましょう。特に狂犬病に感染している個体には要注意です』……だって」
上田の解説を聞いて、石川が苦笑を浮かべる。
「この世界にも、狂犬病ってあるんだ……って、うわっ!」
「ガルルルルルルルルッ! ワンワンワンッ!」
上田が解説を読み終えたのを合図にしたかのように、一斉に犬面人たちが飛び掛かってきた。
「おっと!」
「ちっ!」
三人は慌ててその攻撃をよける。
「さすがにこれだけいると厄介だな。よ~し……」
上田は再び印を結んで呪文を唱える。
スーカ・ビー・ミーヌ
(静かに眠りたまえ)
(静かに眠りたまえ)
「催眠呪文・スリープ!」
上田の掌から音波のようなものが飛び、それを受けた犬面人達は爪を振り上げたまま動かなくなる。
「二人とも、今のうちに!」
「オッケー!」
すかさず石川の剣と岡野の拳が宙を舞い、犬面人達は先ほどの陸ガニと同じくゴールドへと姿を変える運命をたどった。
犬面人たちを退けた石川達は、緊張した面持ちで辺りを伺う。
上田の掌から音波のようなものが飛び、それを受けた犬面人達は爪を振り上げたまま動かなくなる。
「二人とも、今のうちに!」
「オッケー!」
すかさず石川の剣と岡野の拳が宙を舞い、犬面人達は先ほどの陸ガニと同じくゴールドへと姿を変える運命をたどった。
犬面人たちを退けた石川達は、緊張した面持ちで辺りを伺う。
ホー、ホー……
まだモンスターの襲撃が続くか、と思われたが、周囲からはフクロウと思われる鳴き声が聞こえてくるだけだった。
「……どうやら、もうモンスターはいないみたいだね」
安心したように、上田が腰を下ろす。
「今夜は、交代で休んだ方が良さそうだな……」
「そうだね……」
疲れ切った顔で岡野が呟くと、二人も力なく笑って頷いた。
「……どうやら、もうモンスターはいないみたいだね」
安心したように、上田が腰を下ろす。
「今夜は、交代で休んだ方が良さそうだな……」
「そうだね……」
疲れ切った顔で岡野が呟くと、二人も力なく笑って頷いた。
~つづく~
2018.03.05
特段何も無かった休日……。
タイトル通りです。
今日はお休みだったんですが、ちょっとゆめタウンやブックオフなどに行った以外は特に何もありませんでした(苦笑)。
取り敢えず、先日の『ファイクエ』外伝に登場したヤマトを描いてみました。こっちは成長後の姿ですね。
イメージは古墳時代の服装がモチーフです。ちょびっと『仰天人間バトシーラー』のつちわらしもモチーフにしています。
オオナムチもおぼろげながらデザインは考えてあるので、近々描きたいと思っています。
とりあえずトラユーフォーとパンダロケットのセットは買いたいな、と。んで……
個人的ベストマッチ、ロケットタイガーで。
でもフルボトル、見事にメカシンカやバイオ次元獣にできる組み合わせってないんですよねぇ。
例を挙げると……。
メカシンカ
ミサイルザリガニ(どっちも無い)、ギロチントカゲ(どっちも無い)、マシンガンジャガー(『マシンガン』はガトリングで代用したとしてもジャガーが無い)、エレキウナギ(『エレキ』はライトでいいとしてもウナギが無い)、ヨロイローズ(鎧が無い)、レーザーホーク(レーザーが無い)、ワープロアルマジロ(どっちも無い……と言うか、今日びワープロはまず無い)、ドリルホース(ドリルが無い)、マサカリベアー(どっちも無い)、ショベルコング(ショベルが無い)、レインボーカメレオン(どっちも無い)、ジェットムササビ(ムササビが無い)、ドクガスイタチ(どっちも無い)、ブーメランジャッカル(どっちも無い)、コンピュータードラゴン(コンピューターが無い)、ファイヤースフィンクス(どっちも無い。消防車は微妙……)
バイオ次元獣
ライトアルマジロ(アルマジロが無い)、ジクウマンモス(マンモスが無い)、ヨロイスネーク(鎧が無い)、粘着ゴキブリ(どっちも無い)、毒ガスネズミ(どっちも無い)、アリバズーカ(どっちも無い)、ギョライピラニア(どっちも無い)、ハンマーカメレオン(どっちも無い)、レーザートカゲ(どっちも無い)、スナイパーキャット(どっちも無い)、ヒルドリル(どっちも無い)
これだけいて(メカシンカ17体、バイオ次元獣11体)、組み合わせが作れるのがロケットタイガーだけ(ロケットタイガーの『ロケット』も厳密に言えば乗り物じゃなくてロケット砲の方だし)ってのもある意味すごいですよね……

さて、最後はこの間買ったクローントロンのテックスペックを載せようと思うのですが、その前に。
取説のロボットモードの写真が入れ替わってたそうな。
まぁ、クローントロンとクローンボットはしょうがないよね……。(^ ^;)
パウンス(クローントロン潜入工作兵・右)
ピューマ型ロボットに変形し、ウイングスパンとはロボットモードが同型のクローン兄弟である。ずる賢く、無口で獰猛。まさに彼の任務に適したロボットと言え、犠牲者たちからの懇願に聞く耳を持たない。ピューマモードでは11kmのジャンプ力を持ち、優れた視力と嗅覚を併せ持つ。ロボットモードでは視覚センサーに装備したレーザー距離測定機によって、2挺の対人ミサイル付銃剣の99.4%という正確な照準能力を持つ。彼の名は「動物などが上方から突然飛び掛かる(襲い掛かる)」事を指す。
ウイングスパン(クローントロン情報処理兵・左)
タカ型ロボットに変形し、パウンスとはロボットモードが同型のクローン兄弟である。知らない場所にくちばしを突っ込む詮索好きで、常に分析すべきデータに対しての飽くなき欲求を持っている。敵兵をスパイするのと同じように、いつも人々の家の窓をのぞき込む。タカモードでは強力な視力を持ち、化学及び赤外線センサーによって地形情報を収拾、分析し、エネルギー源を発見する。またロボットモードでは2挺のエレクトロバーストライフルを装備する。名前は「翼幅、飛行機の左右両翼端の間の距離」を意味している。
といったところで、今日はこの辺で。
どうも。ではでは。
2018.03.04
ギリギリ間に合った~……。
サイトを更新しました。
今日はトップ絵を3月仕様にして、『画廊コーナー』にナツミのイラストを追加しています。
トップ絵はこんな感じです。
ちょっと早いですが桜と『ファイクエ』主人公パーティの三人です。
シチュエーション的には「この世界にも桜の木ってあるんだねぇ~」的な感じでしょうか。
ちなみに、この異世界の名前ですが、『トゥエクラニフ』って名称にしようかと思っています(唐突だなオイ)。
舞い散る花びらは1月のくれはの着物の柄と同じく、ピンクのボールペンで縁取りした後コピックで塗りました。
樹の方は、花はおなじみの、紙の裏から塗る方法で、ピンクを塗っています。
それから、先日、正式に友達登録させて頂いた熱ゴジラさんが、三魔爪(+テッちゃん)のイラストを描いて下さいました。
ガダメは特に顔つきなど、ゴツイ感じを表現して下さっています。
アーセンは熱ゴジラさんが感じられた「無表情っぽさ」と、「格好よく」ってコンセプトでアレンジされていますが、これはこれでいいなぁ~、と。(^_^)
クレイは原作の(現時点での)展開と同じく微妙に影が薄くなってるところがリンクしてるなぁと(笑)。
それから、右下のSDテッちゃんが個人的に可愛らしいなぁ~、と思いました。
といったところで、今日はこの辺で。
どうも。ではでは。
2018.03.03
LG版も買おうとは思ってる。
サンクラ「サンダークラッカーだ。今日は『トランスフォーマー アドベンチャー』から、『TAV-55ウインドブレード』を紹介するぞ!」
サンクラ「ウインドブレードは、千年前に創造神プライマスの密命を受けて地球にやってきたオートボットだ。当初は『人間なんて沢山いる』という理由で人間を犠牲にする事に疑問を抱いていなかったが、ストロングアームに叱責されたことで考えを改めたぞ」
サンクラ「バストアップ。芸者に似た外見が特徴的だ。アニメにはジェネレーションズ版(LG版)をもとにしたデザインで登場したが、後にこの『アドベンチャー』版も発売されたぞ」
サンクラ「腰には刀を下げることも可能だぞ」
サンクラ「刀はさやから抜くことが出来る。刀身はピンク色なんだぜ」
サンクラ「それから、頭部のかんざし上のパーツも取り外して手に持たせることが可能だ」
サンクラ「そんじゃ、トランスフォーム!」
サンクラ「ビークルモードはVTOLジェット戦闘機だ。プライマス直々に探索機能を強化されているぞ」
サンクラ「主翼のファンは、ご覧の通り前方に向けることも出来るんだぜ」
サンクラ「機種にはラインディングギアもついてる。収納も可能だ」
サンクラ「機体下部には、刀を下げることも出来るぞ」
サンクラ「ウインドブレードの紹介は以上だ。それじゃ、次回をお楽しみに!」
2018.03.02
3月のトップ絵どうしよう……。
いや、構図自体は決まってるんですけどね。
問題はどのキャラでいくか、でして。サクラは来月お花見で使おうかなぁとか思ってるんですが……誰かリクエストありません?(人に頼んな)
ほほう、魂ウェブ商店で神のレベル0が発売決定とな。
先日、社長レベル2の抽選も当選したことだし、二つ並べて違いを比較したいなぁと思います。LVUR版の塗装参考にもなりますし。
バロン・レモンエナジーの時といい、イベントもののライダーでの抽選販売は結構縁があるなあ。斬月・真やデュークやジンバーレモンは見事に落選したけど(あと炎エフェクトやジェミニのカノンとか)。
さて、前置きが長くなりましたが、今日は休みだったので小倉に行ってきました。
帰る時間に乗るやつに、今みたいに813系使ってる車両があればいいんだけどなぁ……。
乗り場見る感じだと、今415系が走ってるのばっかになってるんだよなぁ(415系はシートが向かいになってる状態で固定されてるのばかりなのであまり好きではないのです。一方で813系はシートの向きを変えられるから、二人席に出来るところが好きでして)。
起きたのが11時過ぎだったので、車内で朝食兼お昼。
中津駅のファミマでハムカツサンドといつもの紙パックのオレンジジュースを買いました。
そう言えばブログには載せてませんでしたが、だいぶ前からあるあるCityの入り口には、こんな撮影スペースが出来ています。
右側はだまし絵写真用。
活用例も載っています。
あるあるCityとは反対側になるのですが、先日まで取り壊しをやっていた辺りは、新しく立派なビルが建っています。
外食系のお店がいろいろ入居していました。
チャチャタウンにも行ってきました。
中央広場ではコンサートが行われています。
さて、今日の戦利品紹介を。
実は先日のキュアホイップも後払いにしていたことに今日気づき(おい)、LGウルトラマグナスの支払いなどもあるので、(いつもに比べれば)控えめにしました。
まずはガチャのガチャ。何を言ってるかわからないかと思いますが、ガチャの機械のガチャです。
ガチャを出してる当のタカトミから出てるだけあって、再限度はかなり高いです。
『店舗日誌』で使ってる、ハセガワ製のプラモと。
最初はガチャの方が小さいかなぁと思っていたのですが、実際並べてみるとほぼ同じ大きさ(むしろガチャのがでかい)で驚きました。(中身を選べないとはいえ)ガチャは200円という低価格で、払い出しギミックまでついてますし。
……いい加減『店舗日誌』も進めないとなぁ(汗)。
それから、だらけで箱痛みのレーシングミク2011がちょ~~~っとだけ安かった(それでも3,800円+税でしたが)ので、買ってきました。
他に井之頭五郎も割と安くあったのですが、そちらは泣く泣くスルー。
中津に帰ってきた後、ゆめタウンのホビーゾーンを覗いてみたところ、長い事探していた1/100のガンダムXがあったので購入。
2018.03.01
超特急ヒカリアン・ストーリーダイジェスト第52話
第52話 無敵!剣豪ロボ
脚本=井上敏樹
演出・絵コンテ・作画監督=金田伊功
ストーリー
ドジラス達が博物館から、かつての戦国武将の兜を盗み出す。それを核にして、ブラッチャーは巨大ロボ、一刀斎を建造。街で暴れる一刀斎にテツユキロボが挑むが、逆に捕まってしまう。しかし、一刀斎はのぞみの「正々堂々と勝負しろ!」という言葉を聞き、自我に目覚める。一刀斎はブラック達の乗るコクピットをもぎ取り、自分の意思でのぞみ達に勝負を挑む。まずポリスウィンが戦うが、一刀斎の必殺技によってのぞみ達もろとも撃墜され、さらには駆けつけたラピートですらあっさりやられてしまう。自分と戦える相手がおらず、途方に暮れる一刀斎。一方、基地に戻ったのぞみは300Xの力を借り、巨大化して一刀斎に挑むが、時間切れで元のサイズに縮んでしまう。そこに一刀斎の刀が振り下ろされるが、のぞみを庇おうと立ちふさがったテツユキに、一刀斎は刀を止める。テツユキの勇気に感服した一刀斎は負けを認め、自らを消滅させる。一同は彼の潔さに敬意を示すのだった。
●登場キャラクター(太字は初出)
のぞみ、ひかり、300X、ドクターイエロー、ウィンダッシュ、ポリスウィン、ラピート、テツユキロボ、ブラックエクスプレス、ドジラス、ウッカリー、シルバーエクスプレス、一刀斎(ブラッチャーロボ9号)、テツユキ
●今日の一言
「お主が見せたその勇気に、ワシは敗れた」(一刀斎)
●一口メモ
・一刀斎は人間だった頃から、人間とは思えないような顔をしていた。
・ドジラス達は博物館の「人類文化の遺産」というコーナーから、一刀斎の兜を持ってきた。
・シルバーは一刀斎の兜から発せられる密やかな波動にドキドキしていた。
・一刀斎の必殺技は「無双流木の葉返し」。
・ラピートは今回も何の前触れも無く突然現れた。
・ラピートの「忍法昇り竜」は、黒い煙幕の帯で相手を包み込み、目をくらませる。……って、それじゃブラッチャーじゃないか!
・のぞみ、本当に巨大化。
・巨大化したのぞみのサイズは、多分『電光』のガルーダと同じ位。
・のぞみが巨大化していられる時間は5分。
・いくら何でも元のサイズに戻るのが早過ぎやしないか、のぞみ?
・のぞみを巨大化させた装置は、先端にトゲトゲのある球が付いたバズーカ砲型。ミニミニマシンと形が同じなので、多分ミニミニマシンを改造して作った。
・一刀斎の自爆(?)装置は腹に付いていた。
・自爆装置を押した一刀斎のボディは、かき消えるように消滅した。
・一刀斎はボディが消滅しても、頭部のみは残った。
脚本=井上敏樹
演出・絵コンテ・作画監督=金田伊功
ストーリー
ドジラス達が博物館から、かつての戦国武将の兜を盗み出す。それを核にして、ブラッチャーは巨大ロボ、一刀斎を建造。街で暴れる一刀斎にテツユキロボが挑むが、逆に捕まってしまう。しかし、一刀斎はのぞみの「正々堂々と勝負しろ!」という言葉を聞き、自我に目覚める。一刀斎はブラック達の乗るコクピットをもぎ取り、自分の意思でのぞみ達に勝負を挑む。まずポリスウィンが戦うが、一刀斎の必殺技によってのぞみ達もろとも撃墜され、さらには駆けつけたラピートですらあっさりやられてしまう。自分と戦える相手がおらず、途方に暮れる一刀斎。一方、基地に戻ったのぞみは300Xの力を借り、巨大化して一刀斎に挑むが、時間切れで元のサイズに縮んでしまう。そこに一刀斎の刀が振り下ろされるが、のぞみを庇おうと立ちふさがったテツユキに、一刀斎は刀を止める。テツユキの勇気に感服した一刀斎は負けを認め、自らを消滅させる。一同は彼の潔さに敬意を示すのだった。
●登場キャラクター(太字は初出)
のぞみ、ひかり、300X、ドクターイエロー、ウィンダッシュ、ポリスウィン、ラピート、テツユキロボ、ブラックエクスプレス、ドジラス、ウッカリー、シルバーエクスプレス、一刀斎(ブラッチャーロボ9号)、テツユキ
●今日の一言
「お主が見せたその勇気に、ワシは敗れた」(一刀斎)
●一口メモ
・一刀斎は人間だった頃から、人間とは思えないような顔をしていた。
・ドジラス達は博物館の「人類文化の遺産」というコーナーから、一刀斎の兜を持ってきた。
・シルバーは一刀斎の兜から発せられる密やかな波動にドキドキしていた。
・一刀斎の必殺技は「無双流木の葉返し」。
・ラピートは今回も何の前触れも無く突然現れた。
・ラピートの「忍法昇り竜」は、黒い煙幕の帯で相手を包み込み、目をくらませる。……って、それじゃブラッチャーじゃないか!
・のぞみ、本当に巨大化。
・巨大化したのぞみのサイズは、多分『電光』のガルーダと同じ位。
・のぞみが巨大化していられる時間は5分。
・いくら何でも元のサイズに戻るのが早過ぎやしないか、のぞみ?
・のぞみを巨大化させた装置は、先端にトゲトゲのある球が付いたバズーカ砲型。ミニミニマシンと形が同じなので、多分ミニミニマシンを改造して作った。
・一刀斎の自爆(?)装置は腹に付いていた。
・自爆装置を押した一刀斎のボディは、かき消えるように消滅した。
・一刀斎はボディが消滅しても、頭部のみは残った。
| Home |